危険性の高い国民栄誉賞
「なでしこジャパン」に国民栄誉賞を授与するという。これで菅内閣の支持率は少し上がるだろう。この栄誉賞は、これまで個人にしか与えられていないので、今回は初めてのケースとなる。この国民栄誉賞の賞品は賞状、楯、賞品となっており、現金はない。ただし賞品は1人当たり100万円程度のものといわれており、マラソンの高橋尚子選手は、98万円相当のパテック・フィリップの腕時計をもらっている。だが今回の栄誉賞はむずかしい。控え選手はどうなるのか? もちろん受賞枠に入るのだろうが、本人は面映いのではないか?それより、グループ、団体の場合はこのあと困るのだ。「忠臣蔵」の四十七士の場合は、せっかくの義挙を生かしておけば、必ずその名譽を汚す者が出るだろうと、全員を切腹させてしまった。しかしこれが、結果として武士道精神を高めることになった。平成の世の中では、2、3年のうちに、早くも栄誉賞の名を汚す女性が出てくる危険性もある。特に女性の場合は、結婚した相手によって、幸、不幸が分かれていく。すでに、内幕をペラペラしゃべったり、遅刻して先発要員から外された選手もいるくらいだ。「あの国民栄誉賞の受賞者が!」という事件を起こさないことを祈りたい。1人の場合は、そんなことは考えなくてもいいが、団体だと、どうしても心に緩みが出る。多分、団体の受賞は、今回が最初で最後となるのではあるまいか?