猫ひろしに期待するもの
猫ひろしがとうとうカンボジア国民として、ロンドンオリンピックに出場することになった。国籍を変更してまで、マラソン選手として出場したいという夢が叶ったことになる。カンボジアからは男子3選手と女子1選手が代表になるようだが、猫の記録では、参加標準記録に達していない。でも五輪の陸上では、記録を突破できなかった国、地域では、男女1名ずつ出場できるという、特例を設けている。以前、カンボジアでのマラソン大会で、猫に惚れ込んだ陸上役員が、「国籍を変更して出場してほしい」と願ったのだという。それにしても猫の記録はすごい。147センチの小柄ながら、2時間30分26秒だ。もちろんオリンピックでこの記録では下位だろうが、これまでいろいろな大会に出場するたびに、記録を上げている。これはたゆまぬ努力のたまものだ。やはり夢を実現するだけの力がある。問題は、五輪後にどうするか、どうなるかだろう。カンボジア国籍を捨てて、再び日本人に戻るのか、それともカンボジア人として、一生を過ごすのか?猫自身はこれからもカンボジア人として、日本に出稼ぎする形にしたい、と語っているが、この言やよし! ぜひともそうしてほしいところだ。そうでなければ、カンボジア人の心にオリを残すことになるだろう。国籍を利用された、と思うからだ。むしろいまの日本人でいるより、カンボジアで骨を埋める覚悟があれば、国会議員になれるかもしれない。日本の若者たちの夢をふくらませてほしいと思う。