息を詰めて見てしまう!
かつての須藤元気につづいて、新しい日本人ダンサーが全米を興奮させている。蛯名健一がその人だが、現在38歳という。踊り手としては高齢すぎるが、アメリカ人を驚愕させるそのダンスは、日本人でも目を見張ってしまう。蛯名はすでに10年ほど、アメリカで活躍しているが、ここに来て大ブームになったのは、ダンスの巧みさというより、人間の体の限界に挑戦し、物理学に反するような動きを、高速で見せているからだ。彼は実に小柄だ。あるいは大男ではできない体の動きがあるのかもしれない。それはYouTube その他をごらんになれば、誰でもそう思ってしまうのではあるまいか?これはもしかすると、歌舞伎、狂言、能などの所作と、忍者の超人的な術を貯えた、日本人独特の体型によるのもかもしれない。中国人の軽業的な敏捷さとも、まったく違う。日本でも「KAMIWAZA—神芸2012」に出演し、司会のビートたけしを驚かせたが、CGでなければできない動きを、彼は易々とこなして見せる。まさに超人間業としかいいようがない。もう1人、パリで活躍している志田美代子という、バランス・パフォーマーがいる。8月23日の「金スマ」に出演したので、ごらんになった方も多かったろうが、これも神技といってよさそうだ。ただこれは彼女のオリジナルではない。見たい方はYoiuTubeでごらんになれるが、多分息をつめて見てしまうだろう。日本人には男女を問わず、すぐれたパフォーマンスを見せるタレントが少なくない。