今度は「現代の芭蕉、一茶」
「全聾の現代のベートーベン」としてもてはやされた佐村河内守が転落したのに代わって、今度は「ランドセル俳人」がクローズアップされてきた。2月15日TBS系で紹介されたのだが、小学6年生で驚くべき才能を示している。<ゆっくりと 花びらになる 蝶々かな>(9歳)<半月や 静かな海は どこにある>(8歳)果たしてこれが、幼い子どもの句かと疑ってしまうが、大人たちは正真正銘、本人の作品だという。小林凜くんがその名前だが、その名からして小林一茶を思い起こさせる。最新作は、<冬の薔薇 立ち向かうこと 恐れずに>だそうだが、大人でも到底この境地に達しまい。生まれたときからパソコンに親しんできた新しい世代は、ミレニアル世代と呼ばれ、新しい千年をつくる才能に恵まれているともいわれている。囲碁、将棋などでも超天才が現れているが、頭脳構造が常識を超えているのだろう。俳句は作曲と違って、即興で大勢の目の前でつくることもあるだけに、佐村河内のように、ごまかすわけにはいかない。真の天才なのだろう。今度ばかりは芭蕉、一茶の再来を、素直によろこんでよさそうだ。