危険なカリスマ
米国大統領候補のトランプ氏が予想外の健闘で、大統領の地位に近づいてきた。誰もが泡沫候補だと思っていたが、蓋をあけてみたら、アレヨアレヨという間に、本命に躍り出た感じだ。彼は天性の扇動家で、口から出る毒舌は、病める米国の現在を的確に表し、下流階級を熱狂させている。なにしろケタ違いの大富豪だけに、何をいってもいわれても、怖がる必要がないのだ。「メキシコは問題のある人間を米国に送り込んでいる。彼らは確信犯だ」「中国、メキシコ、日本、その他多くの場所から仕事を取り返す。我々にお金を取り戻す」「もし日本が攻撃されたら私たちは直ちに救援に行かなくてはならない。もし私たちが攻撃を受けたら、日本は私たちを助けなくていい。この取引は公平なのか?」これらの演説に多くの白人たちは、強い支持を示しているが、よく読んでみると、大統領的発想というより、経営者的な「損得」を基本にしていることがわかる。つまりこの発想はこれまで長い間、世界の国々を助けたことで、貧しくなってきた米国人、中でも中流から下の層の共感を呼ぶことになっているようだ。かりにこの男が大統領になったら、各国との協調がぐちゃぐちゃになり、米国は孤立していくかもしれない。ところが彼は頭もよく、かりに大統領になったら、これまでの持論を一転させるのではないか、と見られている。それは経営者として、ソンなビジネスはしないからだ。ビジネスの世界では、朝令暮改は当たり前であり、危ないと思ったら、即座に方針を変えるだろう。しかしそこまで危険な大統領を、米国民が選ぶだろうか? 興味津々といったら他人事のように聞こえてしまうが、時代がこういう危険なカリスマを求め出しているのかもしれない。▼櫻井秀勲の「人生成功塾」 http://www.kizuna-pub.jp/study/jinseiseikoujyuku/▼櫻井秀勲の「本を書きたい人のための講座」 http://www.kizuna-pub.jp/study/lectureforbooks/▼櫻井秀勲の「小説家養成講座」 http://www.kizuna-pub.jp/study/lecturefornovels/▼早稲田運命学研究会 http://w-unmei.com/subpage1.html