オンナの敵はオンナ
私は女性学の専門家だ。28歳から「女性」をビジネスにしてきて、58年になる。つまり58歳以下の女性は、私より「女であること」が短い、といえるかもしれない。その女性学の専門家がこの大谷由里子さんの『オンナの敵はオンナ』を読み終わって、納得してしまった。これは女性読者に書いているが、本当に読むべきは男たちかもしれない。いまの女性たちは「何もそこまでして働く必要はない」といいつつ、実はそこまで働く人たちが多い。もちろん仲間の女性たちから、そういう女は冷たい目で見られるだろう。中には「あなたが働くから、私たちも働かなくちゃならなくなるのよ」と責めてくる同僚もいるだろう。しかしそのとき、本当の男なら、その女性の味方にならなければダメなのだ。ところがどうだろう! いまの男たちはそんなオンナたちの敵になっているのだ。「オンナの敵はオンナ」であるなら、男が味方にならなければいけないものを、実際には「オトコの敵はオンナ」になっているのだ。すぐれた女性は、両面を敵に囲まれていることになる。私は丁度30年前に『女がわからないでメシが食えるか』シリーズを書いた。それによって男たちを啓発したつもりだったが、実はまだ啓発されていない男たちは多い。そこで21世紀版の『女がわからないで―』を書こうとしているのだが、大谷さんはまさに、女性のあり方を先に書いてくれたことになる。私にとって勉強になる1冊となった。大谷由里子さんは吉本興業で、故・横山やすし氏の伝説的な女マネージャーとして知られている。それだけに話題が多く、講演も人気だという。この本を読んだ方は、講演、セミナーにも参加してみてはどうか? 大谷由里子 著 『オンナの敵はオンナ』