懐かしいツイッギーの時代
久しぶりに西早稲田の「八幡鮨」のカウンターに座ったところ、私の年齢に近い四代目が、NHK連載テレビ小説「ひよっこ」にツイッギーの時代の話が出ましたよという。私は見ていなかったので、家に帰ってネットで見てみた。四代目はすし業界に「カッパ巻き」を創作した名人として有名だ。巻きものといえば、カンピョウしかなかった時代にきゅうりを巻いたのだから、先見の明がある。それだけに昔のことにもくわしく『早稲田 わが町』(安井弘)という著作もあるくらいだ。それだけに私が「女性自身」編集長の時に、ローマでツイッギーの話を小耳にはさみ、ロンドンから東京に彼女を呼び、ツイッギーブームを巻き起こしたことも、実によく知っている。記憶力が尋常ではない。いま思い出しても懐かしいが、イタリアのファッション誌「グラッツィア」の女性副編集長と話しているとき、突然イタリア語と英語の合い間に「ツイッギー、ツイッギー」と連呼し出したのだ。私は「小枝がどうかしたのか?」と、あとから思い出すと、2人で漫才をしていたようだった。この副編集長によって、ツイッギーという、まさに小枝のようにやせたモデルがミニで大評判になっているという話を聞かされたのだ。これが私の運命の転機になった。私は35歳。ツイッギーは18歳。彼女はモデルとして「女性自身」の表紙撮影の招きに応じて来日し、東レ、トヨタなどの援助で開いたファッションショーも大成功となった。のちに彼女は50代で再び来日したので、NHKはかつてのツイッギーの思い出話を、15分間の番組にしてくれた。このとき民放テレビは、成田空港で再会を喜び、抱き合っているシーンを撮らせてくれといってきたが、私は断った。彼女のあの独特の魅力のイメージを壊したくなかったからだ。彼女も同じ気持ちだったと思う。早稲田運命学研究会男と女の深層心理学講座著者になりたい!実践塾櫻井秀勲の「小説家養成講座」<週末書斎勉強会> 櫻井秀勲のリーダーになるための「着眼と発想力」櫻井秀勲Facebook