財布を拾ったらどうする?
米国ミシガン大とスイスのチューリッヒ大などの研究チームが、落ちている財布を拾ったとして、それを銀行やホテル、博物館などの窓口に届けるかどうか、40ヵ国で実験した。その結果、メキシコとペルーを除く38ヵ国で、現金入り財布のほうが戻りが高く、約5割が戻ったという。現金は米ドルで13ドル45セント(約1300円)に相当する現地通貨を入れたが、国によっては大金だ。これには日本は入っていない。日本だったら「交番」に届けるところだが、これは日本独特の組織なので、外国では博物館などに届けるのだろう。またポーランドと米国、英国では金額を7倍(約1万円)に引き上げる実験も行ったが、それによると、戻った率は7割まで上がったという。日本にはこういう実験を行ったデータはないので、1度日本でもやってみても面白いのではないか?世界各国とも大体、現金入りのほうが届け出るという心理は、どういうものなのだろう? 「自分は泥棒ではない」という自尊心が勝つのではないか、と分析されているが、現金を懐に入れる利益と、目に見えない親切心とで、相当迷う人が多いのではあるまいか?日本だと駅構内で拾った場合、それは遺失物扱いで、届けた人に何の恩典もないが、交番だと、たしか6ヵ月たっても落とし主が現れない場合は、届けた人に権利が転がり込んでくるので、日本人は現金入り財布を届け出たほうが、トクになるのではあるまいか?それにしてもメキシコ、ペルーと南米諸国は、落としたら戻ってこないと、覚悟しないとならないようだ。どの国も、拾った人ひとりひとりの人格がものをいうのかもしれない。 櫻井秀勲 著『60歳からの後悔しない生き方』DMMオンラインサロン「櫻井秀勲のすべて」穴口恵子×櫻井秀勲 オンラインサロン「魔法大学」櫻井秀勲 著『劇場化社会』櫻井秀勲 著『老後の運命は54歳で決まる!』櫻井秀勲 著『子どもの運命は14歳で決まる!』櫻井文章塾 第2期櫻井秀勲Facebook