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5/28の面接ではスーツを着ていかなかったことが幸いしたのか好印象を与えたようだった。
恐れていたのは面接官ががちがちのスーツにネクタイという姿だったらちょっと失礼かもしれないというところだったが、相手は休日出勤の服装としてもラフすぎるような格好だった。必要以上に虚飾しないそのスタイルについては逆に好印象を受けた。妙な緊張を強いられるような圧迫感もなかったから、いいたいことの発表や聞かれたことへの返答もスムーズにできたと思う。 ただし面接の感触がよかったからといって、それが色よい返事につながるわけでもないということはこれまでの経験によって知らされている。 これまでオファーをたよりに行った面接では、求人ニーズと一致していてお互い好印象を持ったという実感があったとしても、その翌日に不採用の知らせが届くというようなことはざらにあったし、一次面接を通過した二次面接で、面接官が持っていたオレの資料をのぞきみたときに「ぜひ採用」と書かれていて、これは受かったな、と思っていても2週間後に不採用の通知が届くとかいうこともあった。どの不採用も、オレの何が気に入らなかったのか明かされていない。気に入らない点をクリアにするための努力をしてお互い歩み寄るとかいったアプローチは十分可能と思っているが、そんなやりとりをする兆しもなく、一方的に結果のみを通知される。求人のほとんどはひやかしなんじゃないんだろうかとも思わざるをえない。 先の採用面接を通過したという連絡を携帯電話に受けたのは6/1だった。 予定給与額を提示され、それがスタートラインとしては申し分なく、あとは次の仕事がオレのやりたいことに合っているかどうかもう一回話し合いをしたいとのことだった。 次のは、二次面接ということですか?ときいたら、そうです、ということだった。 ちなみにこれまでも何度か採用面接は通過して予定給与を提示されたことはあった。 仕事がよくても金額がお話にならないとか、金額が折り合ってもアルバイトのような仕事だとか、そもそもなにかがアヤシイとか、人生や生活を左右する決断の局面において妥協すべきではないところに不安要素があるところしかこれまでなかったから、結果として転職はならなかった。 6/4の面接に出かけようとしたとき嫁がオレの姿をみて「ジャケット白?攻撃的だねい」といった。攻撃的であったかもしれない。 この時点ではそれほど期待もしていなかったし、夏だし、着たい服を選んだ結果である。 二次面接は、オレのひととなりを違う角度から見る、とかいう性質のものではなく、いきなり新しい案件の説明から始まった。 現在こういう体制で今まさに新しいプロジェクトが発足しようとしておりそれを宰領していただきたい、ということだった。 最初の仕事としては申し分なかったし、こなしてゆける自信もあった。 今そのプロジェクトにいるシステムの専門家は、システムのことには詳しいが、顧客との折衝や提案や説明や、仕事の進め方に関するスキルには乏しい。それを補い、これから拡大しようとする案件を効率的に回転させることによって顧客の目標を達成に導くような役割を求められていた。 つい先日「もしドラ(もしも女子高生がドラッカーを読んだら、みたいなやつ)」を読んでいたからマネジメントは完璧になったつもりでいたし、そんなような役回りは今までもやってきてもいたから大体のイメージはできた。 本質的にはオレはスペシャリスト(専門家)の部類であろうと思うし、そういった役回りを期待されて今までも今も仕事をしている。 ただしうまく回らないプロジェクトを内から外から眺めていると、もっとうまいやり方があるはずなのにな、とか、オレがやったらもう少しましにやれるのにな、とかいう場面を幾度となく出会い、苛立ちを募らせるようなことは多々あった。 うまく回らないプロジェクトの一員であるということは、結果としてオレ自身の評価も平均値に寄せられていって下がるということに繋がってくるし、そもそもスペシャリストにとってもゼネラリストにとっても、プロジェクトとしての目指すところは顧客の目的達成にある。顧客に不安を与え不信がらせるような運営しかできないプロジェクトの一員として手をこまねいているよりは、いっそのこと自分でまわしたほうが気が楽だし、顧客を満足させられるとも思うのである。 今いるプロジェクトでは、なんでも法律が変わったかあるいはそれを遵守する機運が高まってきたからといったことから、オレがゼネラリストのように立ち居振舞うことは出来なくなったらしい(以前は可能だった)。どころか、オレの立場では今後一生(!)そういうことが出来ないということでもある。 回らないプロジェクトの足をひっぱる名ばかりのスペシャリストと、もしドラを読んでマネジメントにも精通しているオレとは、「スペシャリスト」という分類では同じであるということでもあり、プライドを著しく損なわれる要素にもなっているし、今後、どんなボンクラなゼネラリストが、プロジェクトを不幸な方向に導くかわからないのに、それを是として受け入れなければならないことがストレスになるのは目に見えている。 そういった不満を抱えつつ転職活動をしていたオレにとって今回の話は、ねみみにみず、いやちがう。めからうろこ、これもちがう。ぴったりなことわざがうかばないけれども、暗闇の中の一条の光明のようなものであった。 ほとんど直感的に、この新しい仕事を受けたいと思った。 あとは今の仕事とどう折り合いをつけるか、という大きな課題はあったものの、ほぼ9割がた、気持ちは新しい方に傾いていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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