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2011.06.12
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相手先から色よい返事をもらって転職を決断したのは帰りの電車に乗る前だったが、あろうことか進行方向が逆の電車に乗ってしまい、引き返さなければならなくなるちょっとした事件があった。平穏と思っていたが内実は動揺していたのかもしれない。

いい仕事があってお互いが合意して採用となったことについては、自分のことだけを考えれば喜ばしいことであるが、そう手放しで喜んでもいられない要素もある。

今の仕事のことである。
このことをまっさきに連絡したのは、現場のリーダーに対してであった。
メールを送ると、少なからずショックを受けているような内容の返信が返ってきた。

想像していたことではあった。
現プロジェクトにおいてはこのリーダーのもとでオレは、自分でいうのも恥ずかしいことだが、相当部分の仕事を引き受けている。
リーダーは大まかに分類して3つのタスクを管理しており、オレはその一端を担っている。3つのタスクを仮にA,B,CとしてAをオレが受け持っているタスクとする。なぜAかというとエースの「A」だからである。
タスクBは、それほど仕事量は多くない。担当者の処理能力と決断力が今ひとつなために予想以上に手がかかっている。
問題なのはタスクCであり、人員規模が最も多く、それとは無関係に問題が多く、問題解決能力のない担当者が中途半端に遂行してきた経緯もあり、最も困難なタスクである。
よってリーダーはこのタスクCに8割以上の労力を注がねばならず、結果としてタスクA,タスクBの決裁が滞ることもあり、全体として潤滑に回転しているとは言い難い。

このリーダーの名誉のために言っておくが、いわゆるゼネラリストとしてのこの人の能力は高い。責任感が強く、決定に間違いはなく、一つの間違いも見逃さず、問題処理も迅速にこなす。

全体として回っていないのは、たんに仕事量が多いのである。
無駄な会議への出席を強いられて時間を浪費しているということも要因のひとつだ。
できる人に仕事が回ってくるのは当然、という考え方もあるかもしれない。
なにしろこの人を除くオトナ(=ゼネラリスト)たちはほとんどが無能なのである。

タスクCが大規模化し、トラブルが頻出するようになったときに鳴り物入りでやってきた新リーダーは病気療養と称して消えてしまったし、その後も有象無象が入れ替わってみたものの結局ものにならず転属していったりして、その都度我らがリーダーは面倒を引き受けてきたりした。

オレはこの状況を手をこまねいて見ているだけの立場にすぎず、その苛立ちは、顧客の不利益につながるからというだけではなく、したり顔でふんぞりかえっているだけの他のオトナたちへの軽蔑からくるものでもあった。

翻って考えてみれば、誰でも自分が一番かわいいから、タスクCを請け負うのは誰にとっても疎ましいことなのである。
そしてオレもそれにならって、自分のことだけを考えればいいのかとも思う。相当部分の仕事を請け負っていたとしても、ふんぞり返っているうちの誰かが腹をくくってやればいい話でもある。
オレはオレで、次の仕事が見つかったからといって、途中で投げ出してもいいはずである。

だがそこまで割り切って考えられる性質ではオレはなく、一時的に増えるであろうリーダーの負担と、その結果生じる顧客の不利益は想像に難くなく、だからといってようやくつかんだチャンスをふいにしたくはないという思いもあり、またはオレ一人がいなくても組織は回ってゆくものであらなければならないという悲しいジレンマの存在もちらついたりして、迷いはあった。

転職は恋愛にも似ているのかもしれない。新しい恋人ができたから、じゃあ古い恋人とは別れるとしていいのかどうかについて、結論は出ていない。

転職先で始まる新プロジェクトのキックオフは7月中旬が見込まれており、先方はオレに振られたら替わる人材を探すために働き出すのだろうけれども、採用された会社というよりもこの新しい案件に魅力を感じてのことだったこともあり、この期を逃したくはなかった。
その会社で他の仕事を選ぶという道もあるにはあるとは思う。ただしたとえばプログラマーとしての仕事で様子をみて、というところから始めたとするとおそらくそこに長くいなければならないことになる。なにしろオレは有能なスペシャリストだから、プロジェクトはそんなやつをプロジェクトが終わるまでなかなか放そうとはしない。オレはしばらくまた不満を抱えたまま仕事をすることになるかもしれない。オレは新しい道を求めて転職をしようとしているのだから、それじゃ話が違う、ということになる。

速報的にオレはリーダーに対して転職の決意を発表したが、残念ながらというか予想通りというか、喜んではもらえなかった。
おそらくは週明けからこのようにして、各方面と面白くないようなやりとりを交わすことになるのだろうな思いながら、どちらかというと落ち込んだような表情で、帰路を過ごした。





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最終更新日  2011.06.12 18:01:01
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