イラン核合意(20)
イラン核合意(20)本日12日から、米国とイランのEUを仲立ちとした各競技の第6ラウンドが始まりました。この協議に向けた小さなシグナルですが、米政府がごくごく小さな内容ですが、米政府がイランに対する制裁をわずかに緩和しました。昨日11日、国連は、イランが国連分担金の未納分に当たる1,600万米ドルを、韓国に凍結されていた資金を充てる形で支払ったことを明らかにしました。この措置で、イランは、分担金の未払いで取り上げられていた国連総会での投票権を回復しました。米国の対イラン制裁は、貿易制限と各国に分散してイランが保持しているドル資産を凍結して、使用できない状態に追い込むことにありました。世界通貨であるドルの特徴を生かして、イランのドル資産を預かっている金融機関に対し、対イラン政府やイラン企業との取引を中断しない限り、米国の敵とみなして米国の金融機関や証券各社との取引を禁じるぞと、圧力をかけたのです。結果は効果絶大で、韓国もまた、イランが北朝鮮や中国に原油を買ってもらって得た虎の子のドルを、韓国の銀行に開設したイランの預金通帳に振り込んでもらって、韓国政府に事実上預けていたイランの国家預金を、米国の指示に従って凍結していたのです。この韓国にあるイラン政府の口座には、1,600万ドルを何倍も上回る額の米ドルが預金されています。従って凍結解除となったのは、全部ではなく一部のみで、未だに凍結分は残っているのです。それだけに、この僅かな譲歩をイランが評価するか、譲歩というにはあまりに小さいだけに、こんな些細な譲歩が、真剣に合意をまとめたい熱意の表れと評価するか、話にならないと切り捨てるか、なお見定める必要があります。行方を見守りましょう。