|
カテゴリ:中国の日本人
言葉は使わないと忘れるものである。
たとえそれが自分が生まれ育った土地の言葉であったとしても。 ヘンな話だが、私は外国語がなかなか上手にならないくせに、 日本語の方言のマスターは早かった。 標準語以外に、関西弁(京都と大阪北部近辺)、金沢弁、 広島・愛媛近辺の方言で会話していた時期がある。 当然、出身地の方言もできる。 とはいえ、一旦3年ほど実家に「出戻っていた」時期があるものの、 10年以上地元以外の生活を続けているので、方言はあんまり使わない。 明らかに衰退していると思われる。 新年最初のT県人会を開催したところ、 これまた生粋のT県人・Mさんは今朝実家を出て、晩北京に到着し、 県人会会場になだれ込んでくれた。 そのとき持って帰ってきたのが「方言番付表」。 地元の空港で売っているらしい。 価格は1枚100円。 それから先は、この番付表が、会の主役である。 うちの県は東西の文化の分水嶺にあるので、県の西と東は意外に言葉にも差がある。 番付だとうまい具合に東西に分けられると、非常に便利。 この番付を元に、標準語の単語を方言に訳するクイズが始まる。 以下が出題の答え。 1.「げっとくそ」 2.「おぞい」 3.「そくさい」 4.「ありがたなる」 5.「ちゃべ」 6.「たーた」 7.「おーどな」 ※この共通語訳は、ページ末に記載 確かに幼い頃に周囲の人間はそう話していたなと思う一方で、 自分自身も相当ヘビーに使用していた記憶がよみがえる。 何と言っても反応が早いのが、 北京が初の転勤生活。こっちでも方言で突き通すKさん。 眉間にしわを寄せて考え込む人々をよそに、次々正解していく。 まさにネイティブ~である。 方言-標準語の関係も、日本語-中国語の関係と一緒で、 劣勢のほうは、聞けるが、話せないものだと自覚する。 この勢いは2次会もとまらない。 2次会から参加の初対面のYさんに挨拶もなく、いきなり方言クイズ! そして会話はほぼ訛っている。 さらに会場の、あまはらしさんのおしゃれなカフェの白い壁に、 「この番付、貼っておけ!!」と毒づく。 ※あまはらしさんは実は意外ながら、T県出身。 まさか北京で、標準語以外の日本語をこれほど使うときが来るとは 想像もしていなかった。 しかし。 おもしろいのは、Yさんのご両親が関西出身で、 ちょっと関西訛りがあると気が付くと、 そこにいた関西在住経験者は一斉に関西弁に切り替わることである。 私もイントネーションが関西になる。 そこは、地元以外で暮らしたことがない人間にはできないはず。 そう考えたら、かなり日本人も器用よね。 《方言の共通語訳》 1.「一番ビリ」 2.「粗悪な」 3.「元気、達者」 4.「眠くなる」 5.「おしゃべり、でしゃばり」 6.「小さな女の子」 7.「粗暴な、いい加減な」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[中国の日本人] カテゴリの最新記事
|