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庭いじり中の旦那が 我が家のパセリの鉢に 三匹の蝶の幼虫を見つけました。 娘に見せたかった旦那は、 小さなバケツに パセリごと幼虫を移し、 金網で蓋をしました。 以来、娘と旦那はパセリの葉をちぎってはバケツに入れ 時折糞を取り除いて世話していました。 もう少しでパセリが丸坊主になるぞという頃、 幼虫はいっぴきまた一匹と蛹になりました。 そして、 台風が過ぎた翌朝、最初の蛹がアゲハ蝶になりました。 ティッシュに砂糖水を含ませたものを与え 娘の帰りを待ちました。 ずっと蝶をバケツで飼うんだと言い続けていた娘は アゲハを見、 「蓋を開けてもいい?」 と聞きました。 目の前の金網を急に取り払われたアゲハは、 けれどもじっと動かず これから何をしたらよいかを 考えているようにも見えました。 私は、じれったくて バケツからアゲハを追い出そうと思いましたが そうしない娘を見て 一緒に蝶の思案に付き合うことにしました。 突然、アゲハはバケツから転がるようにして出てくると そのまま慌ただしく飛び上がりました。 そうして少しの間 空の感触を確かめるように その場で羽ばたくと ジグザグに、ヒラヒラと 徐々に高いところへあがっていきました。 隣家の間に消えては またヒラヒラ姿を見せ やがて本当に見えなくなりました。 一部始終を見ていた娘は 「ちょうちょさん、バイバーイ!」と 空いっぱいに叫び、手を振りました。 私は、 嬉しいような 泣きたいような そんな気持ちで眺めていました。 見えなくなった蝶を追いかけて行こうとしましたが、 晴れやかな娘の顔を見て なんだかそうしないほうがいい気がしました。 あと二匹、できたら蛹から出るその時を見てみたいです。 写真…蛹から出てきたばかりのアゲハ蝶 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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