大ケガ子猫120日の記録
全身麻痺、頸椎骨折、頸部外傷…この世に誕生してまだたったの30日なのになぜ、こんな試練を与えられたのか…鳴こうと必死に口を動かしてるが声を出すこともできなかった。首の骨がバッキリと折れていた。全身麻痺になるのは当たり前、いいえ、生きてることが奇跡だった。首の咬傷跡から考えると、犬が首を咬んで振り回した際に、頚椎が折れたのだろう…でも、逃げる者を追ったり、咬んで首(頭)を振るのは犬の本能。決して犬が悪いわけじゃない。首がかすかに動くだけで足一本動かせない。動くのは、目と口だけだったそれなのに…なぜこの子はこんなにも「生きたい!」と強く願うのか…願っているのか?痛いだろうに…怖いだろう…それなのに…なぜ?なんでそんなに強い気持ちでいれるの?懸命に生き抜こうとする生命力…この子の強さと尊さを感じずにはいられなかった。一生寝たきりだろうと…いいえ、生きることすら難しい状態だった。7月10日レスキュー命名「ネバー」寝かせたままでのご飯。給水はシリンジ。圧迫排尿、圧迫排便、体位交換、介助は24時間体制だったが、私自身は、キツイとか辛いとか、感じる瞬間は全くなかった。きれいごとや嘘やカッコつけではなく、一度も希望を捨てず介助してきたのは、私の理念でもある口癖「その子が望んでることに従うだけ」この思いひとつだけだったからだろう。そして、なんといっても「ネバー」本人が、生きる事を諦めてなかったから。首を骨折してるため、抱っこしてあげる事もできなかった。まさに「首の皮1枚でつながってる」状態。寝かせた状態で肉球をにぎにぎしながら刺激を与えるリハビリをスタート。※レスキュー5日目 7/15ネバーが顔を上げた!頭を動かしてる!頚椎がバッキリ折れてるから難しいだろうと宣告されてたネバーが…。生きるのか?ネバー!生きれるんだよね?ネバー!※レスキュー8日目 7/18本格的に、足のリハビリスタート。嫌がっててかわいそうだからと何もしないままでいると関節が固まってしまう。心を鬼に…なだめながらのリハビリ。足を動かす脳の神経が切断されてる状態らしいが、いつか必ず、神経回線が繋がると信じながらリハビリの日々。医学的なことは全く分からないけど医学的根拠はあまり信じてない。「回復はありえない」そう診断された犬猫たちがリハビリによって回復した例を多くの子達が証明してくれたから。だから、ネバーもきっと…※レスキュー12日目 7/22上半身がモソモソ動くようになった!肉球をギュッと握ると握り返してくれるまでに!微かな小さな力だが、原始反射のような反射的なものではなくネバーの意識で握り返している!直感でそう思えた。下半身、後足はまだ全然動かない…後足のリハビリに時間をかけるようにした。顔が汚れているのは、首に刺激を与えないため。顔を拭くことで首に変な力が入ってしまうとわずかに繋がってる頸椎がポキッと折れて死んじゃいそうだから…※レスキュー14日目 7/24しっかりとした力で顔を持ち上げれるようになったネバー。少しだけなら大丈夫では…?シート越しではあるがネバーを抱っこした。500gにも満たない小さな体…レスキューして二週間目にして初めてネバーを胸に抱いた。我が子を産んだ時初めて抱っこしたときのような感覚だった。愛おしくて愛おしくて涙があふれた。この日腕に感じたネバーの小さな重み…今でもしっかり覚えている。※レスキュー15日目 7/25今までは、ベットで安静に寝かせていたが、上半身が動かせるようになり、少しの時間なら…と、広い場所で寝かせるようになった。ベットで寝かせていたときには見られないような行動が出てくるようになった。この日から私の姿が見えなくなると後追いするようになったが、上半身で這いずっての移動はまだまだ難しいようだ。※レスキュー17日目 7/2724時間ずっとネバーについてるわけにいかない。保護家には、たくさんの犬猫たちがいるのだから…動きたい気持ちが先走り、転げまわって移動したのか、作業から帰宅したら…ネバーの左手が脱臼してた。麻痺の犬猫は痛覚がないため脱臼は避けられないが、元の位置に戻してあげれば問題はない。どんどんネバーから目が離せなくなってきた。人間の赤ちゃんでいう「這い這い期」?こんなときでも写真を撮るのはどうかと思われるかもしれませんが、今後の安全対策のため、二度と同じような事故が起きないために記録を残さなければいけません…m(__)m※レスキュー19日目 7/29ネバーが「お座り」できるようになった!まだ足の関節が固く、あまり伸びないためぶきっちょな座り方だけど嬉しい♪人間の赤ちゃんと順番が逆だけど、「腰が座る期」かな?まだ後ろの支えがないとコテンっと転げるためまだまだ目が離せない。※レスキュー27日目 8/6上半身を支えられるくらいに前足の力が強くなってきた。前足の力だけで、移動もできるようになった。右後ろ脚の関節も、柔らかくなってきてちゃんと曲げ伸ばしできるようになってきた!腰の力もしっかりしてきたがまだまだ支えは必要かな?※レスキュー28日目 8/7お座りの形もさまになってきた。後ろの支えがなくても、転げなくなった。だけど…なぜだろう?回復していく度に強迫観念に襲われるようになった。ちょっとした軽い衝撃でも、頸椎は折れてしまうんだよな…とか、薄いペラペラな骨がかろうじてくっついてるだけだもんな…とか、細い神経がわずかに残ってるだけなんだよな…とか、不安や心配を通り越した強迫観念のようだった。ネバーがスヤスヤ眠ってると死んでるんじゃないか?!と、その都度、呼吸の確認をくり返している異様な自分に気付いた。リハビリ疲れなのか?生きてるだけでもありがたいことなのではないか…?こんなにリハビリを頑張らせても良いのか…?ネバーに無理させてるんじゃないか…?ネバー give up?(絶対にあきらめない)本当にこれでよいのか?ネバー…※レスキュー30日目 8/9本当にこれで良いのか?リハビリを頑張らせすぎてるのでは?そう迷いながらもリハビリの手を止めずにきてしまったが「これで良かったんだ!」確信した日だった。首が座り、伏せの体制が出来るようになり、前足が動き出した…を、通り越して神経が完璧に通い出した。残るは後ろ足二本!ネバーは毎日毎日リハビリ頑張っている。ゴロゴロ喉を鳴らしながら嬉しそうにリハビリ受けるようになった。※レスキュー32日目 8/11下半身麻痺は変わらずのネバー。圧迫排尿時に摘便もしてたが・・・ん?明らかに自分で移動し、自分の意志でしただろう場所に便があった。試しにトイレを設置してみると…しっかり自分で便を出してた!凄い…下半身もここまで回復したんだ!下半身を引きずりながらトイレに移動したのかと思うと感極まって胸にキュ~っときた。※レスキュー34日目 8/13えっ?!ネバーが立った!!こんなにも凄いことなのに、当の本人は普通の顔してごはんを食べ始めた。後足の位置はおかしいけどネバー、あんた立ってるんだよ?立てたんだよ?カメラを持つ手が震える…当事者じゃない私の方が感動のあまり動揺してる。ネバー…(´;ω;`)※レスキュー36日目 8/15えっ?!ネバーが歩いたっ!!まだ麻痺が残る左後足を引きずりながら三本足で…しっかりとした足取りでネバーは歩き出した!!今まで見に行けなかった場所を嬉しそうに歩き回りながらひとつひとつ探索するネバー。今まで与えられた場所でしかくつろげなかったネバーが自分の意志で、自分が決めた場所で、自分が決めた子と一緒に、ネンネできるようになった。頸椎が真っ二つに折れてるような状態でここまで回復するとは…「奇跡」が起きたのではなく、ネバーの粘り強さと頑張りが、ネバー自身が…奇跡を起こしたのだと思えた。~・~・~・~・~・~時は流れ、レスキューから4ヶ月…ネバーは生後5ヶ月の凛々しい男の子へと成長した。骨折してる首の骨は今でもバッキリ折れたまま。大手術を受けない限り頸椎骨折は元に戻らない。首に爆弾を抱えてる状態はもちろん変わりない。こっちがひやひやするくらい、激しい動きも多くなってきたが、それでもネバーは動きを止めない…わずかに繋がってる神経が「俺たちだけでも頑張ろうぜっ!」と一生けんめい進化したのか?「俺たちが支えようぜっ!」と首周りの筋肉が強くなっているのか?残念ながら、左後足だけは麻痺が残ってしまいました。関節が固まってるためピンと伸びたままです。ナックル足にならないよう肉球部分のリハビリはこれまでも続けてきたので肉球はしっかりと地面に着くようになりましたがまだ時々ナックル足になることもあります。でも、ナックル足になる頻度は徐々に減っていきました。まだまだ成長期なので、伸びしろはあります!私もネバーもまだ諦めていません!ただ、問題がひとつ…後ろ左足が麻痺で痛覚がないので、自分の足をかじっちゃうのです。ネバー本人からすると左後足の存在は、歩行するときにいつもくっついてくる邪魔な「異物」という認識しかないのです。傷口からの感染症を防ぐため左後足の断脚をするのが妥当…ですが、断脚する際には安全性を考えて大腿骨からの断脚になります。まだ体が成長しきってない今は断脚手術を避けたいと思ってます。1才過ぎて考えていこうかと…そんな状態ではありますが…頸椎骨折をカバーしてくれる首の筋肉もついてきたので「譲渡」活動をスタートします。ネバー♂推定 2022年6月中旬頃生まれエイズ白血病 陰性ワクチン接種済み12月上旬去勢手術予定生後5ヶ月ですが、子猫の時に麻痺になったので体は生後3ヶ月位の小さな体のままです。成長はゆっくりゆっくりの子です。人見知りはありません。ずっと人間の手でリハビリを受けてきたので人の手は大好きです。一緒にゴロゴロ寝転がりながらリハビリしてたせいか横になるとずっと絡んできます。ゴロゴロ喉を鳴らして嬉しそうに…お膝に乗るのが大好きですが、抱っこはあまり好きではないようです。犬ともねことも仲良くできます。物怖じしない子です。ただ、どうしても妥協できない部分があります。① 高さ100㎝以上のキャットタワーが設置されてないお家。高さがあるタワーは、頸椎骨折のネバーにはジャンプして降りたときに危険なので…② フローリング中心のお家。クッションフロアやカーペット等床が滑らないと左後足がナックル足になり擦れて出血してしまいます。フローリングのお家への譲渡と限らせて頂きます。こんな譲渡条件だなんて…(´;ω;`)遠方への譲渡も大歓迎ですが、頸椎骨折してるネバーなので空輸はできません。陸路で連れて行っての面談になるためネバーの体力も考えて休み休み行っても宮崎→名古屋までが限界かと…どうか、ネバーが幸せになれますように…良縁がありますように…「犬猫保護施設・いのちのはうす保護家」YouTubeチャンネル登録よろしくお願いしますご支援ご協力をどうかよろしくお願い致します▼宮崎銀行 加納支店 普通口座0104601 動物たちの未来のために代表山下 由美▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ▼〒880-1222宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581いのちのはうす保護家090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ)▼「いのちのはうす保護家」HPhttps://hogoya.com/▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ 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