一歩前へ
「明日死ぬとしたら、 生き方が変わるんですか?」 「あなたの今の生き方は、 どれくらい生きるつもりの 生き方なんですか?」(引用:終末のフール、井坂幸太郎)2年半付き合っていた彼氏が交通事故で死んだあれから2年同じくらいの年がたっても消えない傷というものがある時の流れは全てを洗い流すなどというけれど例外があるのだということがわかった彼が亡くなってから私はどこか気力がなくなっていた仕事にはちゃんと行き生活もしっかり自立していたでもその生活のどこかがぼやけている感じがしていた本当に好きな彼だった結婚も考えていた幸せな時ほど人は傷つきやすいらしいそんなある日の日曜日私は窓の外に異変を感じた私のマンションの窓からは電線がみえる。その電線の下に小鳥がパタパタ浮いていた電線につかまればいいのに何してるんだろ?そんなことを思ったとても可愛かったのでカメラで撮る事にした次の日も小鳥は来た私はまた小鳥をカメラで撮った青空を背景にした電線と小鳥の写真ん?今日はちゃんと電線につかまってる今日はまたパタパタしてるなぁ~見てると気分が落ち着いたそれからよく来る小鳥を写真で撮ることが日課になっていったでも2ヵ月半ほどして小鳥は来なくなった寂しかった小鳥も私を・・・隠していた傷がこっそりと顔を出す痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い気を取り直して私は今までとった写真をアルバムにつづりだす。形に残すことで思い出を永遠のものにしたかったまたボーっとしてくる日常がぼやけてくるボーっとアルバムを見ているとあることを思いついた私の部屋からは電線が見える5本の電線が平行に走っているこれ5線譜みたいそして小鳥が音符のように日々違うところに並んでいる__________________________________________________________________________________________ 最初の日はドかな日付順に並んだ写真に音符をつけていくドドレミドラソドレミドラソ・・・・・・・・私は家にあるピアノの楽譜置き場にアルバムを置き演奏してみたドドレミドラソ「上を向いて」ドレミドラソ「歩こう」・・・・・・・・・・「涙がこぼれ落ちないように・・・」これって坂本九さんの曲だ思わず笑ってしまった違う泣いていた私の涙は上を向いてもこぼれてしまった意味がわからない小鳥からのプレゼントでもその日から私は少し変わった新しい恋もしてみようと思ったあの小鳥は彼の生まれ変わりできっと私にがんばれって・・・なんて神秘的に思っても良いただの偶然のなにものでもないそう考えたっていいとにかく私はもう一度もう一度真に生きてみようと思った生きているのだから