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テーマ:図書館で借りた本(43)
カテゴリ:本
『星間商事株式会社社史編纂室』 三浦しをん 【内容紹介】 川田幸代。29歳。独身。腐女子(自称したことはない)。 社史編纂室勤務。彼氏あり(たぶん)。 仕事をきっちり定時内にこなし、趣味のサークル活動に邁進する日々を送っていた彼女は、 ある日、気づいてしまった。 この会社の過去には、なにか大きな秘密がある! ……気づいてしまったんだからしょうがない。 走り出してしまったオタク魂は止まらない。 この秘密、暴かずにはおくものか。 社史編纂室の不思議な面々、高校時代からのサークル仲間、そして彼氏との関係など、 すべてが絡まり合って、怒濤の物語が進行する。 涙と笑いの、著者渾身のエンターテインメント小説。 幸代作の小説内小説も、楽しめます! ネタバレ注意 社史を作るべく取材をしているうちに、「高度経済成長期の穴」が見えてくる。 この時期、会社はいったい何をしていたのか。 なぜOBたちの口が重くなるのか。 さらに探ってるうちに「これ以上詮索するな」と脅迫状めいたものが届くは、 上から圧力がかかるわで、正確な社史は作れないかも…。 なら裏社史を作ればいいじゃーん! で、冬コミ(同人誌即売会)で売っちゃえばいいじゃーん! って発想がおもしろい。 私の読解力では焦点がどこなのか、ちょっと読み取れなかったかもしれない 「自分が勤めている会社が過去にしていたこと」なのか、 「自分が勤めている会社が過去にしていたことを調べる」ことなのか、 「社史作り」なのか、「同人誌作り」なのか。 同人誌活動を抜ける友達のことや、育児を「協力」という立場で 参加するたいていの父親についてとかは、別の小説なりエッセイなりで 掘り下げて書いて欲しいと思った。 全体的に、あと1歩踏み込んで欲しかったという部分が多い。 会社の過去についても、一瞬産業ミステリ?と(私が勝手に)思ったり、 腐女子の日常を書くならもっと突っ込んで書いて欲しいし、 「書く」という行為への言及もどうせならもって読んでみたかったし。 でもそれを全部ひとつの小説でやってたら、ますます散漫になっちゃうか。 小説内小説が3本もあるしな(=▽=) OBと主人公合作の物語。 上司による自伝的活劇(?)。 主人公によるBL小説(オヤジ受けの年下攻め)。 盛りだくさんというか、幕の内弁当的というか。 いろいろ楽しめるけど、ひとつひとつが物足りないというか。 彼氏や矢田さんのことも、もう少し知りたいしなー。 なんだかいろいろ惜しい!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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