新着記事一覧 | あるけみすた・らんげりす

銀月落照

耳鳴りの丘に登ればそこに一本の樫の樹がある伝言はいつもその樹の幹に留められていた「幻月堂の二の棚左から１３番目」月の光にそう読めた夜気は冷たく澄んでいた

2003.11.07

昨日ノ夜

キノウノヨルカラダガクサツテユクユメヲミタデハセンジツカラノヨカンノトオリコノないふノハノウエデボクハサイゴヲセンタクヲスルケサオキテアタマニヒビイタコトバハ御告げダツタヨボクハキョウ三回ノツクシタキミハコタエテクレナカツタソレモユメノトウリダ砂ノ城ガクズレテユクヨウニココハ消エユクダロウコトダマヲヒトツケスタビニナミダヲナガシナガラボクハジブンノカコヲケシテシマウノダソレトモキミノカコヲケシテシマウノダロウカ

2003.11.05

汝、救いを求むるなかれ

砕け散った硝子の欠片は柔らかい皮膚を傷つけるもの食込めば痛みは鋭く血も流れよう迷路に迷って出口が見つからないのは最初から出口を目指していなかったからではないか？救いを求めて救われないのはそれが出口ではないからだということに気付いていないだけ自らの手を汚さずに物事の解決を望むのは傲慢というもの流れた血が甘いか苦いか塩っぱいかは舐めてみないとわかりません猫が爪を研ぐように言葉を研いでいるのは自分だけではないのです

2003.11.04

イマジナシオン

目を閉じてこんなことを想像して下さいあなたはひと粒の水の分子ですあなたの部屋から水の分子になった自分が空へ空へと登っていきますそうして空の上の風の谷間で自分のような水の分子が沢山浮かんでいるのに出逢います手をのばすと彼等と手をつなぐことが出来ますそれはきっと楽しいことに違いありませんやがてつながりが大きくなるとあなたや仲間たちは水の粒になり雲になりますふわふわと流れるのは楽しいことでしょうやがてつながりがもっと多くなると水滴となり雨の粒になって地上に落ちてゆかねばなりませんもちろん地上に落ちても大地にしみ込みあるいは川に流れ込みやがてたゆとう海に流れていくのだから心配ありませんこの一連の循環をあなたには自分が水の分子になって巡ることができるでしょうかもちろん最初にあなたの部屋から空に登った水とは涙の事なんですけどね

2003.10.31

旅猫（リヨビヨウ）

君ノ町ニモ通リスガルシツポニりぼんヲ付ケタ猫アツチコツチデ見カケタトノウワサ夜ナ夜ナ見タ人モイルラシモシ見カケタナラクタビレタりぼんヲ新シイノニ替エテアゲテ下サイマシ寒サデフルエテイタラ古毛布デクルンデアゲテ下サイマシみやうみやう泣イテイタラ毛並ミヲ揃エテアゲテ下サイマシ

2003.10.29

ムギノツノ

言葉は鏡です言葉が自分を映すものだとしてもそれは左右が逆転する虚像で他者から真実の像が見えるわけではない見えているものだけで判断するのは見誤る可能性がつねにあるということです逆に他者から見た方が真実に見えることでもありますから完全な客観性は誰も持ち得ないのですアリシア・ベイ・ローレルのやさしさ夢で捜し続けていたのはスタバの珈琲の香り今も旅を続ける人の絵葉書心が迷ったときによりかかる柱を駅に預けたさかなの徴しをいつも捜していた星を巡る旅は終わることはないサビシサは自分の中にあるものですアラビヤの灰のようなものに言葉が変わればいいなと思うのは思い込みでもなく現実にあったことを思いだします赤と黒が生と死を意味するように赤い星と黒い詩が光と闇を意味するのです離れていてもそばにいるのはあながち、違うとも言い切れません世界は私達が見い出した以上に複雑で神秘的なのです科学は世界の骨格を見い出しただけで未だ肉付けをすることが出来ずにいます流れる血を見ることすら出来ません触媒は言葉なのかもしれませんが変化するのが現実なのか心なのかは神のみぞ知る、です

2003.10.25

崖の上(2E)

崖の上で出逢ったぼくらは吹きさらしの風の中で煙草に火をつけるように身体と心を寄せあっていたいつまでこのままいられるかわからないけれどこの不安定の状態がずっと続けばいいと思った君の呟く言葉は風に紛れてしまう時間が岩のように崩れる

2003.10.17

シェルタリングブルースカイ

青き空より悲しみはきらきらと降りしきる洞窟から見下ろす荒れた地は焦燥感ばかり掻き立てる銀紙でぐるぐるまきにして電磁波で火花を散らす星の数を数えながらタバコに火をつけた

2003.10.15

君の住処は深キ闇

君の住処は深キ闇、涙ノ洪水届かない届かない光届かない温もり

2003.10.14

花を愛でるひと（銀河休憩所にて）～月想

花を愛でるひと星を愛でるひと季節を愛でるひと本を愛でるひと色んな美しい物事に愛をそそげるのならその愛を少し自分にわけてあげなさいなそうすればあなたの花は美しく咲きあなたの星はきらめき輝くことでしょうあなたの本は愛があふれているのだからそうしてあなたの季節はめぐっていくのです~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~　　星屑のように鏤められた言葉に　　昔よく聴いたラジオドラマを思いだす　　心に浮かんでくる感情はいったい何に由来するのだろうか　月に映るのが自分の感情ならば　天から降り注ぐあの光はいったいなんなのだろうか　見えないものを言葉にしようとするこの行為は　いったいどこへ向かっているのだろうか　　

2003.10.10

迷彩

蔦の実まだ青いままポプラの葉はまだ落ちず銀杏の葉まだ色付かない漏斗に堕ちたのは自分一人で一日の始まりにボタンを掛け間違えたままそのまま何日か過ぎてしまったようなきっと

2003.10.09

十月の夜

夢に酔うて涙するならその肩抱きて支えませう気が落ち着くまでぎぅっといたしませう闇に閉ざされ涙するなら月色の蝋燭を翳してその涙を輝かせ宝石にいたしませう神無き月の宵の呟きに耳そばだてて影潜めて堕ちゆく先は奈落の底

2003.10.05

けんじゃのいし

さみしからメルちょだいきみそこにいるなんとなくつながてるうれしからメルちょだいきみそばにいるアンテナたててるねむれぬよるもつらいあさもきつけの水みたくそれでアンシンけんじゃのいしおうごんつくるおいらのいしよわいからメルちょだい魔法のちゃくしんランプてんめつさせてちょだいみえないけれどふれあうゆびは

2003.10.03

壊れかけの野良ラヂオ

　不用になったり具合が悪くなって捨てられたラヂオたちが野生化したのは彼らのせいではない。　元の飼い主にとっては友であり家族であったはずなのにごみと同じように河原やひとけの無い林道の端に捨ててしまうのは人間たちのエゴに他ならない。　調子が悪いときでもたたけば直ったりするのはなんだか人間臭くてとても愛おしい存在だったはずだ。好きな曲や懐かしい曲がかかるとなおさらだ。　「メロディーフェア」や「オールドファッションドラヴソング」なんてかかるともうたまらない。　ぼくの部屋にいつのまにか住みついたラヂオも調子っぱずれだ。機嫌がいいと窓ぎわで古めの音楽を流してくれてるんだが、ふと静かになったかと思うとホワイトノイズの隙間からわけのわからない言葉のきれぎれを流したりする。きっと受信状態も悪いのだろうけど、それだけじゃないようだった。　頭をポンとたたくと、何ごともなかったようにまた音楽を流すこともあれば、ふいっと開いている窓から姿を消すこともある。知らないうちにまた部屋の片隅にいたりするのだ。　でも、最近ラヂオが窓の外をぼんやりと眺めていることがおおくなった。もうそろそろかな、と思ったりもした。　そう、ゆうべはついに帰ってこなかった。以前にもそんなふうに帰ってこないこともあったが、かならず「星条旗よ永遠なれ」を流してから、姿を消したのだった。今回は違った。前ぶれ無しにいなくなった。　きっと最後の姿を人に見られたくないのかもしれない。　何ごともなかったようにまた帰ってくるだろうか。　　少し胸が痛い日々が続いている。

2003.09.30

風なき子

きつとせかいにあいたのだらうやあいらだんがいからかすむかほうをながめるにつぶいたこのよにかぜもちてうまれたるになぜうつむやててもかかもなみだかれずじや生まれてくるこどもたちはみんな風を持って生まれるだからこの世界はいつも新しい風が吹いているのだだから子等よ命を軽んずることなかれ生きよ風のごとく生きよ

2003.09.25

秋風～言い訳クリップ

駆逐艦「秋風」長崎で建造された「秋風」は1945.10/27夜､マニラへ砲弾を輸送する空母隼等を護衛して第30駆逐隊司令駆逐艦として佐世保出港後ブルネイへ航行中11/2.2253マニラ北西フィリピン､ルソン島サン･フェルナンド西方南シナ海(16ﾟ48’N/117ﾟ17’E)を荒天航行中､アメリカ潜水艦ピンタードが隼鷹を狙って発射した魚雷4本が左舷後部に命中､船体を両断されて沈没し山崎艦長以下､乗員204名全員が死亡～近代世界艦船事典より抜粋太宰治の「秋風記」はそこはかとなくせつない小品でKと言うイニシャルが印象的でした。＜つづく＞「秋風で検索したら啄木がでてきて有名な意地悪の砂が結構秋なのねふーんぢやそゆことで」ほんとはコラージュにしたかった「秋風」だったけれど降りてきたのはこの数行だけだった。秋が秋らしくなかったからかもしれない。それでも、うろこ雲の綺麗な空や、煌々と輝く月は季節の移ろいを感じさせてくれたし、朝晩の気温の変化に連れ、道を行く人波の色が暗い色に変わってゆくのがなんともおかしくて、言葉よりもこの光景を見るのがいちばんだねと笑いそうになるのだった。

2003.09.23

天より降る言葉

天より降る言葉ありて在る雨のごとく降りそそぐ御身の空虚さを満たすや御心の渇えを癒すやその饒舌なる言葉の豊溢に詩音の豊穣に華は舞い精霊は踊る不死の季節が来るなれば天より降る言葉はとこしえにあたたかい....そう、ぼくの眼の前で螺旋状に回転する天子さまが語るあたり一面花びらや宝石や鳥が舞い踊る中ぼくはめまいに襲われ倒れそうになる天より降る言葉は巨大な眼となり宇宙のはじまりから終わりまでを見つめていた

2003.09.20

夏の抜け殻

夏のぬけがら君のぬけがら西日の中で見上げる空影は濃く景色をふちどる空が高くて手は届きそうにない僕は自分に自信が持てなかった僕は自分の人生を信じていなかった悔やんではいるさでも、煙草をふかしてココロを吐き出してしまえばそれはきっと僕のぬけがら

2003.09.18

頬の砂

砂は石英、長石、輝石類、黒雲母、スコリア（火砕物）、軽石、岩石片などで出来ていてキラキラ光るのはそのうちのどれかで見とれているうちに砂粒はパラパラと落ちはじめるその頬についた砂をしばらく見ていたかったその砂のついた頬をずっと見ていた

2003.09.14

フレアウモノ

フレアウテフレアウユビフレアウコトバフレアウクチビルフレアウココロフレアウカラダココロハタマノヒトツブヒトツブニシテデアウコトバノキズナニツナガルヒビキアフココロトカラダニヤドルスベテノモノヨオドリタマヘウタヒタマヘデアヒトアヒノジカンハミジカヒヤハラカナタマシヒニフレアツキナミダナガレルヒカナハヌミライカナウミライ

2003.09.12

龍彦様のお帰り

龍彦様のお帰りその晩遅く玄関の鍵を開ける音がカチャカチャとして扉が開いて大きなため息と靴を脱ぐ気配。帰宅された御様子にもう既に夢のとば口に入りかけたわたくしの身体は起きなくちゃという意志にも関わらづ半分とろけた布団を出ようとすると無数の魑魅魍魎が手や触手や得体のしれない物でわたくしの手足や寝巻きやらを掴みまするので身動きが取れなくなりました。もがいていますと廊下をゆつくりと歩く音がみしりみしりと聞こえましたのでせめてお帰りなさいましと御声を掛けようといたしましたが唖ウウといううめき声にしかならず心の中であいすみませぬゆるしてくださいませと唱えました。廊下の足音はみしりみしりとお疲れになったのかとてもゆつくりと奥の書斎の扉の前までしてまた大きなため息とどさっという大きな書類鞄を床に置く音がしました。それきりわたくしは寝てしまつたらしく眼が覚めるともうすぐ夜が明けるぐらいの刻限でございました。玄関の鍵を明ける音がカチャカチャとして扉が開いて大きなため息。何かを引きずるような音とずしりずしりと大変重たいものが歩く音が廊下に響きました。

2003.09.09

迷ってみる

入口見つからずに迷ってみるその森の入口を見つけられずにうろうろとそれもまたたのしかろと＜言の葉の森＞まよたまよた森の中はとても静かで永遠と刹那と月と星と光と影と懐かしさと愛おしさと世界の全てが満ちていた森の中に迷ってみる一枚一枚の言の葉をそっと手にとって眺めてみる透きとおった色あいのむこうに笑顔がうっすら見えるような気がした泣き顔がうっすら見えるような気がした過去も未来もこれから在る新しい世界につながっているのが見えた

2003.09.05

九月雑記

九月の歌を幾つか思い浮かべてくれたまえそのメロディの中で踊るきみの気持ちはしなやかさを取り戻すそうしてそのまま夏の残滓をぬぐい去り新しい季節の風を迎え入れるがいい

2003.09.03

悲歌集

八月のエンドロールに誰の名前がどんな歌が流れて行くのか君は知らないほうがいい砂を噛むような日々に言葉さえ失ってゆくそれは確かに辛いことではあるけれど僕らが出会った偶然はけして僕らが出会った偶然を消して

2003.08.30

自己クリスト

自己救済するために自己十字架にはり付き自己苦の業火にあえぎ真実も見抜けぬ視力と幻聴しかきけぬ聴力で自傷自縛のニ血錠に壁を投げ付ける粉砕者ついでに布でおおうてしまえ包んでしまえ

2003.08.29

みえないふり

連絡が取れない間ぼくはおろおろと去年のカタストロフを思い起こしていたディスプレーの向こうで進行する見えない現実は最悪の事態しか見えない正直言って数日ぶりの返信は体中の血が抜けていくような気がしたものだそんな真夏の幻想はみえないふりみないふり皮と肉の間に愛と毒をはさんで食べよう

2003.08.28

カテドラルに棲まうもの

渇いた時に飲むものは愛する人の血と言葉花の名前や星の名前歪んだ心の闇の色汗にまみれた感情の艶悪魔との契約も天使の裏工作も周到な足跡とちりばめられた単語の意味で沈黙の時間が観えるようになる祭壇の上で横たわるのはお人好しの神父さまでもなく色気のある修道女でもなく生きることと死ぬことの間でさまよい続ける美しい魂ステンドグラスの様々な色に染まっている西日がさす一瞬だけ黄金色に輝く空電ガリガリ返信待ツ

2003.08.27

芙蓉の香り

ほんの一瞬何かの折に記憶をくすぐる匂いの正体はあれは夏芙蓉の甘い香りだったのだろうか神の国の路地裏でゆらゆら揺れていた淡い色の花の残像は手にとれそうなくらい鮮やかだった忘れた頃にならその元気な声がここにも響いてくれるのだろかいまはまだ壊れた欠片をひろい集めているとしても夏の夜風に吹かれているとしても

2003.08.25

夏が終わる

夏が終わるでも世界のおわりじゃあないセイジ、タイム　ローズマリー夏が終わるねでも芝居のおわりでもない幕間には気分をかえてジュニパー、サイプレス夏の終わりに風の中できみの言葉は蜻蛉の羽根のように透けてしまう

2003.08.24

きみよ知るや南の国

ギョエテ先生の古い文庫本をいつも捜していた探し求める言葉はその中にはないのだろうけれどそれを確かめるためにだった

2003.08.23

怪物の哲学

怪物の哲学自分ののどにナイフの切っ先突きつけながら生きていく自分が怪物だと自覚したら誰の助けを呼べばいい怪物の眼が悲しみを宿すのはそういうわけ

2003.08.22

誰？

ドリームシンクロナイザーの効果でこの星の知的生命体は壊滅寸前ですいずれ海洋に住まう我らが眷属の物となりましょう

2003.08.21

ふあゆ？

幻に生くるは螺旋の形頭の中で螺旋の形のバネを回していたら時間の意味が見えた

2003.08.20

だんすうぃずうるぶす

なにかに導かれてその場所にいた惹かれるように手にした本には左目について書かれていた眼をつぶると脳裏にあの映画のシーンが浮かんできたああ、魂は永遠だったよなそう想うとぼくは狼の遠ぼえをしたビルの谷間に響きわたった

2003.08.19

奇怪ガ星

夢など視ずに眠ればよいものを夜毎繰り言を書き記す見えませぬかこの世界の本当の姿自我崩壊した欲望の果てに丸かったこの星がいびつに歪んでいるのを悪魔よりも深く暗い闇に包まれているのを愛のような愛が腐ってゆくのを

2003.08.18

ココニイマス

アア、ヤワラカイすくりぃんニテヲノバセバソコニイルアア、ヤワラカイだいやもんどノテニフレレバキレテシマウソコトココノトオサニウズヲマククルオシイジョウハコヨミノアキニヒヤサレテユクコオリノヨウナアイニツツマレテボクハココニイマスホノオノヨウナヤミニイダカレテボクハココニイマス

2003.08.13

夏に醉ふ

君を呼ぶ声　君の呼ぶ声夏だろう　夏だよね朝から雨　朝から涙眼の秘密　心に秘密さまよう心　さまよう手　

2003.08.12

月に伝言

伝言は月に暗号で書いておいたので解読して下さいかしこいなつかしいさびしいうるわしいひとへ

2003.08.11

はは、さうだね

きみの心は、紙のやうだすぐにくしゃくしゃとなってしまうぼくがときどき手でのばしてあげないとまるめて捨てられちまいさうだ気をつけていないと端がちぎれてしまうしだれかにらくがきされちまうだからさうっとしまっておきませうそれできみの気がすむのならだけれどきみの心は何千枚もの原稿のようでぼくには手に負えやしなかっただからきみの心を一冊の本にしてこうしてだいじに抱えているのさ

2003.08.10

ゑろすといしずむ

猫のふりをする前世は猫だった眼が夜光る泳げないので溺れる肝が弱いこんな人を見かけたらご連絡下さい捜しています【註】深紅色要再構築以下備考欄猫と狼と口紅とハンカチと図書館と古書店と海と海図と月とベランダと三つの恋の歌

2003.08.08

新サミシガリヤ戦記

サミシガリヤ戦記戦日和のある日のことサミシガリヤ国のココロという神聖な場所で厳かに儀式が行われていた爪を研ぐサミシガリヤの戦士髪を梳くサミシガリヤの戦士戦化粧をするサミシガリヤの戦士水面を鏡代わりにして戦の前の祈りをする身を浄めるために酒を舐める戦う相手はナキタガリヤだ

2003.08.07

ちょっとおもひでにひたらせてくれたまへ

夏の暑さに負けきみの誘惑に負けこのまま負けつづけていてよいものかわがままだった頃を思いだして沈思黙考ひたひたぷかぷか

2003.08.05

るしふぁーらいじんぐ

噫々、視よや東の暁の空血と罪と暗闇で造られし精霊が地上の全ての悪の重力を背負い星の天蓋を引き裂いてゆく嗚呼、視よや真実のヴィジョン天の羅針盤の指し示す螺旋とカオスの迷宮

2003.08.01

かはりゆくきせつ

七月も、もう終わるね距離と時間を考えるとせつなくなるねもちろんもちろんねあなたがそこにいることさえ貧血で倒れるときのような心細さ感じるね誰かに血を吸われてるんだろかいまわかったんだが臓器の数だけ愛があるねだから愛していると素直に言おう意識は流れの上に存在しうるねも、もえるかもごふっ....

2003.07.30

擬態（仮

出会った時からわかっていたラヂオから流れてくる曲にあわせて海は荒れていたし風も吹きすさんでいた瞳の中にはアクママリリンが棲んでいた愛のようなものが溢れてくるのをだれも止められやしない夏ノ砂浜出会う前からわかっていたおなじ色の言葉を話すのはおなじ夢を見るのと一緒だったじりじり焼ける砂浜砕け散る夏ノ波

2003.07.27

起きててもレム睡眠

起きててもレム睡眠かってに眼球が動く目の前に夢の世界がひろがる現実よりも現実感がある霧の洞窟誰かの後ろ姿夜なのに見えるのは街灯か月明かりか定かではないが明け方近く銀の飾りが見えたかどうかは謎だ

2003.07.25

リバースエモーション

冷たい手のなかで鬼火が燃える熱に浮かされた夜はここにおいで薄めた血をわけてあげようスロッビングリッスル聞きながら感情を麻痺させよう非常階段つたって愛情を凍らせようさすれば涙も流れまい

2003.07.24

物売り考

昔はどこかしらから売り子の掛け声が聞こえてきたものである道は市場に等しかったのである傘はいらんかねお心に雨降り御用心お心にさす傘はいらんかね火の笛氷水なる唄うたいが烏賊無くちゃ、と叫んだのもあたりめえ江戸チックな話だおそまつ

2003.07.22

影笑み

イキカタヲマチガエタボクニノコサレタホウホウハヒトシレズジブンノジンセイヲアザワラウコトダケダッタリクドウリンネノワノナカデナンドモオナジマチガイヲクリカエシベツノジダイベツノトチデオナジタマシイトナンドモデアイナンドモワカレディシプリンインディシプリンヒカリヤミヒカリヤミ

2003.07.21

くるりくるくる

くるりかかとをじくに９０°くるりかかとをじくに９０°くるりかかとをじくに９０°いまどっちをむいたのまわるたびにこころがのこるこころのしずくがとびちるはすになったきもちをすこしもちあげてわきをしめてくちびるかんでおちそうなくびをささえるのくるりかかとをじくに１８０°くるりかかとをじくに１８０°くるりめがまわらないようにいきおいをつけないようにかなしさがこぼれないようにくらやみのなかでたおれないように

2003.07.20