ワンの物語『How Could You...』
ワンの物語『How Could You...』 『この物語は、ジム・ウィルスという方が書いたエッセイで、TUNAMARA KENNELSさん (在オーストラリア)より原文を頂き、店長が2003年1月にオリジナルに日本語訳したものです。 一匹の愛犬の視点から淡々と語られる文章の美しくもリアルな表現、何度読んでも、 胃がぎゅっともぎ取られるような感覚をおぼえます。訳しながら辛くて、何度も涙を拭きました。』※非営利目的であればどなたでもこの文をHPや雑誌等に載せることができます。 ワンの物語 『How Could You...』 by Jim Wills, 2001 私がまだ子犬だった頃、私はあなたが喜ぶような仕草をして、あなたを笑わせました。 あなたは私のことを「うちの子」と呼び、私がどれだけ多くの靴やクッションを破壊しようとも、 私たちは最良の友となりました。 私が悪さをすると、あなたは私を指差し、その指を振りながら、 「どうして・・・?」と問いました。 しかしすぐに、あなたは微笑み、私を転がしておなかを撫でてくれました。 あなたがとても忙しかったので、私の破壊癖は思ったより長く続きましたが、 それは、お互い時間をかけて解決しましたね。 あなたに寄り添い、あなたの信念や、誰にも秘密にしている将来の夢に聞き入った夜のことを私は今でも覚えています。 あのとき私は、これ以上幸せな生活はないと、固く信じていました。 私たちはたくさん散歩をし、公園で走り、ドライブし、途中でソフトクリームを食べました。 (あなたは「アイスクリームは犬の体に悪いから」と言って、私にはコーンしかくれませんでしたが・・・) 私はいつも陽だまりでうたた寝をしながら、 あなたが一日の仕事を終えて家に帰ってくるのを待ちました。 次第に、あなたは仕事や出世のために費やす時間が長くなり、 やがて人間のパートナーを探すようになりました。 私は辛抱強く待ちました。あなたが傷付いた時や落ち込んだ時にはあなたを慰め、 あなたの決断が間違っていても決して非難せず、 あなたが家に帰ってくると、おおはしゃぎして喜びました。 あなたが恋に落ちたときも、いっしょになって歓喜しました。 彼女-今はあなたの奥さんですが-は、「イヌ好き」な人ではありませんでしたが、 それでも私は彼女を受け入れ、愛情を示し、彼女の言うことを聞きました。 あなたが幸せだったから、私も幸せだったのです・・・ やがて人間の赤ちゃんが産まれてきて、私も一緒に、その興奮を味わいました。 赤ちゃんたちの、そのピンク色の肌に、またその香りに、私は魅了されました。 私も、赤ちゃんたちを可愛がりたかったのです。 しかしあなたたちは、私が赤ちゃんを傷つけるのではないかと心配し、 私は一日の大半を他の部屋やケージに閉じ込められて過しました。 私がどれほど赤ちゃんたちを愛したいと思ったことか。でも私は「愛の囚人」でした。 しかし赤ちゃんたちが成長するにつれて、私は彼らの友達になりました。 彼らは私の毛にしがみついて、よちよち足でつかまり立ちをしたり、 私の目を指で突付いたり、耳をめくって中を覗いたり、私の鼻にキスをしました。 私は彼らの全てを愛し、彼らが私を撫でるたびに喜びました。 何故なら、あなたはもう、めったに私を触らなかったから・・・ 必要があれば私は命を投げ出しても、子供たちを守ったでしょう。 私は彼らのベッドにもぐりこみ、彼らの悩み事や、 誰にも秘密にしている将来の夢に聞き入りました。 そして一緒に、あなたを乗せて帰ってくる車の音を待ちました。 以前あなたは、誰かに犬を飼っているかと聞かれると、私の写真を財布から取り出し、 私の話を聞かせていたこともありました。 ここ数年、あなたは「ええ」とだけ答え、すぐに話題を変えました。 私は「あなたの犬」から「ただの犬」になり、 あなたは私にかかる全ての出費を惜しむようになりました。 そして、あなたは別の街で新しい仕事を見つけ、 みんなでペット不可のマンションに引越しをすることになりました。 あなたは「自分の家族」のために正しい決断をしましたが、 かつて、私があなたのたった一人の家族だった時もあったのです。 私は久々のドライブで、とても嬉しかった・・・保健所に着くまでは-。 そこには犬や猫たちの、恐怖と絶望の臭いが漂っていました。 あなたは書類に記入を済ませて、係員に「この子によい里親を探してくれ」と言いました。 保健所の人は肩をすくめて、眉をひそめました。彼らは知っていたのです、 歳を取った成犬たちが-たとえ「血統書」付きでも-直面する現実を・・・ あなたは、「パパやめて、ボクの犬を連れて行かせないで!」と叫ぶ息子の指を 一本一本、私の首輪から引き離さなければなりませんでした。 私はあなたの子供のことを心配しました。何故なら、あなたはたった今、このことを通して 友情、誠実さ、愛、責任、そしてすべての生命への尊重の意味を、彼に教えたのです。 あなたは私の頭を軽くたたき「さよなら」と言いました。あなたは私から目をそらし、 首輪とリードを持ち帰ることさえ、丁重に断りました。 あなたにとって守るべき期日があったように、今度は私にも期日がやってきました。 あなたが去った後、やさしい女性係員が二人やってきて言いました。 「何ヶ月も前からこの引越しのことを知っていたはずなのに、 里親を探す努力もしなかったのね・・・」と。 彼女たちは首を振りながらつぶやきました。「どうして・・・?」 保健所の人たちは、忙しさの合間に、とても親切にしてくれました。 もちろんゴハンはくれました。でも、私の食欲はもう何日も前からなくなっていました。 最初は誰かが私のケージの前を通るたびに、走り寄りました。 あなたが考えを変えて私を迎えに来てくれたのだと願いました。 , 今回のことが全部、悪夢であってほしいと願いました。 そうでなければ、せめて私を気に留め、ここから助け出してくれる誰かが来てくれればと・・・ しかし、幼い子犬たちの愛情を求める可愛らしい仕草には敵わないと悟った年老いた私は、 子犬たちの明るい運命を脇目に、ケージの隅に引っ込み、ひたすら待ちました。 ある日の夜、係員の女性の足音が近づいてきました。 私は彼女の後に続いて通路をとぼとぼ歩き、別の部屋に行きました。 しんと静まり返った部屋でした。 彼女は私を台の上に乗せ、私の耳を撫で、心配しないで、と言いました。 私の心臓が、今まさに起きようとしている事実を予期し、ドキドキと鼓動しました。 しかし同時に、安心感のようなものも感じました。 かつての愛の囚人には、もう時は残されていませんでした。 生まれついての性格からか、私は自分のことより、係員の彼女のことを心配しました。 彼女が今果たそうとしている責務が、彼女に耐え難い重荷となってのしかかっていることを、 私は知っていたからです・・・かつて私があなたの気持ちをすべて感じ取ったように-。 彼女は頬に涙を流しながら、私の前肢に止血帯を巻きました。 私は、何年も前に私があなたを慰めたときと同じように、彼女の手を舐めました。 彼女は私の静脈に注射の針を挿入しました。 私は針の傷みと、体に流れ入る冷たい液体を感じ、横たわりました。 私は眠気に襲われながら彼女の目を見つめ、「どうして・・・?」と呟きました。 おそらく彼女は私の犬の言葉が分かったのでしょう、 「本当にごめんなさい・・・」と言いました。 彼女は私を腕に抱きました。そして、「あなたはもっと良い場所へ行くのよ。」 「ないがしろにされたり、虐待されたり、捨てられたり、 自力で生きていかなけらばならないようなところではなく、 愛と光に満ちた、この世界とは全く違う場所に、 あなたが行くのを見届けるのが私の仕事なの・・・。」と、急ぐように説明しました。 私は最後の力を振り絞り、尻尾を一振りすることで、彼女に伝えようとしました。 さっきの「どうして・・・?」は彼女に対する言葉ではなく、 あなた、私の最愛なる主人である、あなたへの言葉だったのだと・・・。 私はいつもあなたのことを想っていました。これからもあなたのことを想うでしょう・・・ そして私は永遠に、あなたを待ち続けます。 あなたの人生に関わる人すべてが、これからもずっと、私と同じくらい誠実でありますように・・・ . 終わり・・・ 友達から「これ読んでみい」と送られてきました。 なんだよ、と思いつつ読んでみたら、 自分の幼い頃の体験を思い出しました。 手が付けられなくてどうしようもない馬鹿犬。 父親がある日車に乗せて遠くに連捨てに行った。 馬鹿犬は2日後何キロもかけて戻ってきたとゆう思い出と 敷地内に迷い込んできたメスの野良犬。 その野良犬が5匹も子犬を産んで私たちは学校から帰ると 毎日子犬を可愛がり世話をしていた。父も情け深く残り飯を毎日あげていたからてっきりここで飼っても良いのだと安心していたのにある日保健所の人たちが来て連れて行ったとゆう思い出。 雛2匹飼ってたんだけどそれもいつかいなくなり(逃げたわけじゃない)ある日お爺ちゃんが〆た鶏の首根を持って丸ごと持ち帰り晩御飯を作ってくれた思い出。 猫にハムスターに金魚にとあるわけだけどまともに面倒見てない思い出ばかりです。 あかんよな・・・。凹 最後まで面倒を見れなかった経験から 2度と生き物は飼いたくないのです。無責任なのは駄目です。 それ以前にうちには3人も手のかかる男達が居るから 無理です!