薄味風味。

遠くない未来。気付けば僕は、細い細い綱の上をたった一人で歩いてるんでしょう。
落ちそうで落ちないと無理矢理に信じ込んで、自分を騙し騙し渡るのです。

誰かに隣に居てほしいなんて言いません。僕は一人で居られる人間です。
ただ、もう少しだけ。もう少しだけ難易度を下げてほしいんです。

短くないだろう人生。僕にこの難易度は高すぎます。
ロープを太くしてください。綱を低めに張ってください。
棒を下さい。一つ余分に命を下さい。

隣に誰かが居た方が難易度の上がる、そんな人生。
僕はとことん独りぼっち。結婚できない男なのです。

僕の歩いていく道は、きっと墓場に続いている。