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カテゴリ:僕的ニュース。
小説書こうと思ったけど脱線。
って訳で、クイズです。 この話のオチを当ててみて下さい。 《ひきこもりのおはなし》 僕の幼馴染で隣人であるマナが自室に引き篭もるようになったのは今からおよそ二年前、中学の入学式の夜からだった。その日の午後六時頃、借りていた本を返しに僕が家を訪れた時には既にあいつは自らの自室と外界との境界線をはっきりと引いていたのだ。 どうしてあいつが引き篭もりになってしまったのか、僕は知らない。本音を言ってしまうと、それは僕の知るべき事じゃないように思う。僕も最初は気にしていたのだが、いつの間にか何でもいいやとも思うようになっていた。 別にマナに対する関心が僕から消えた訳ではない。ただ、理由なんて必要ないんじゃないかと思い直しただけだ。マナはマナなのだから、なんて単純で綺麗な言葉ではそれは勿論ないのだけれども。 それでも、いつからか僕は向き合えるようになっていたのだった。一人の引き篭もりとではなく、マナと向き合えるように。 学校から帰るなり学習机の上に置かれたパソコンの電源を入れる。この流れは最早習慣になっていた。空色の無機質なデスクトップにあるアイコンをクリックする。インスタントメッセンジャー。リアルタイムにメッセージのやり取りをする為のソフト。 マナはいつでも接続している。まるで僕を待っているかのように、なんて表現は流石に自意識過剰なのだろうけれどそう思いたくもなる。 接続が完了するなりマナからのメッセージが浮かんだ。 「お帰りなさい、クロ」 ゴシック体の黒い文字の羅列から感情を読み取る事は僕には出来ない。文字によるコミニュケーションは味気ないものだ。国語の教科書にでも載っていそうな事を考えつつ僕もキーボードを叩く。 「ただいま、マナ」 画面に浮かんだその文字も、黒いゴシック体。こんな文、例えば誰かが僕の真似をして打ってもマナは気付かないのかもしれない。それでも、マナとの意思疎通にはこのツールが欠かせないのだ。マナは外に出ない癖に電話も嫌っている。だから僕が最後にマナの声を聞いたのは、あいつが引き篭もる少し前――大体二年前。 「今日は始業式だって言ってたね。どうだった?」 そうだった、と僕は思い出す。今日は始業式だったのだ。中学校生活最後の一学期の始業式。……そんな風に言うのは勝手だろうが、別に取り立てて感慨などはなかった。まあ当然か。僕はキーを叩く。 「どういう訳かお前と同じクラスだったよ。全く、腐れ縁ってのはこういうのの事を言うんだな」 そう送信すると同時、僕は思わず苦笑いしてしまった。腐れ縁。面白い言葉だ、なんて。 考えてみればクラスが二つだった小学校と三つだった中学校、その九年間マナとはなんと一度もクラスが離れたことがないのだ。 確率で考えるとそれはどう考えても有り得ないと言って差し支えないほど小さな、パーセンテージで表すとすれば小数点を挟んで零がいくつも続くような、そんな数字なのだろう。僕も一体どこまで続くのだろうと思っていたが、まさかここまでとは。 そんな風に思考していると、マナからの返事。 「凄いね。クロは運がいいんだね。人の事言えないけど」 「いや、考え得る限り最悪だよ……って、どういう意味だ? マナは僕と同じクラスが嬉しいのか?」 どうせ学校なんか行かないくせに、と思ったが勿論そんな言葉は胸の内にしまっておく。 「嬉しいよ。とっても嬉しい」 「はいはい、勝手に言ってろよ」 「わかったよ。ねえ、クロ。話があるんだ」 返事の間隔は、段々と短くなっていく。 「何だよ」 「クロの事……ずっと前から、好きだった。勿論、恋愛的な意味でね」 僕は――言葉を、失った。 《一旦ここまで》 さあ、コメント欄で答えて下さい。 正解者には僕を好きにする権利を与えます。 五人くらい解答してくれたら正解発表します。だから構って。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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