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カテゴリ:僕的メモ。
953 学生さんは名前がない :2006/12/23(土) 07:06:01 ID:ZjEBDT320
いろいろ家庭の事情があって、東京で独り暮らししてたときだから もう今から10年以上前の話なんだが、当時付き合ってた彼女とあまり うまくいってなかった。なんていうか独占欲の強い女で、プライドと嫉妬が とにかくすごい。俺の実家の妹にまでヤキモチを焼くくらいの女で、さすがに ガマンの限界を感じた俺は、もう別れようと思ってたんだが、向こうには 俺と別れる気なんかサラサラないらしかった。ところが、ある晩、俺が部屋で独りで のんびりしてると、いきなり部屋に彼女から電話がかかってきて、「あんたなんか私の 彼氏じゃないよね?」といきなり言い出した。急に態度を変えて妙なことを言う 女だと思って、俺もカチンときて、怒鳴り返してやろうと思ったんだが、何か様子が おかしい。なんていうか、空元気というか、無理に強い態度をして、声の震えを押し 殺そうとしてる雰囲気がありありと感じられた。でも「何かあったのか?」と聞くと、 シラを切ろうとするんだよね。ただ「あんたは私の彼氏じゃないよね?」とだけ、何度も ただ確認してくる。そこで俺はピンときた。俺と二股かけてた男がいて、どっちが 本命なのかと詰め寄られたんじゃないか、とね。だから俺は、彼女のそばで電話を きいているヤツがいればそいつにも聞こえるようにと、「俺はお前の彼氏だよ!」と でかい声で言ってやった。そしたら、電話口の向こうから「どうしてそんなことを 言うの!?」って声と大きな物音が聞こえて、それっきり電話が切れた。俺はすぐに うしろめたくなって電話をかけなおしたが、電話は何度かけても繋がらず、 話し中のツーツー音しか聞こえなかった。 954 学生さんは名前がない :2006/12/23(土) 07:06:33 ID:ZjEBDT320 だんだん俺は自分のしたことが怖くなった。彼女が二股をかけてた男の怒りを買って 何か怪我でもさせられてるじゃ・・・。だとしたら俺のせいでもある。 どうにもじっとしてられなくなって、俺はすぐに自転車を飛ばして彼女のアパートに行った。 もう夜中で電車がなくて、彼女のアパートに着くのに自転車を一時間以上もこがなくては いけなかったが、その事実はあとで俺を助けることになった。というのは、全てがもう おそかったのだ。彼女のアパートには、もう警察やら野次馬やらが集まっていて、夜中なのに うるさいくらいだった。そこから先は想像のとおりだ。俺の彼女は無残な死体で発見された。 となりの部屋の人が悲鳴を聞いて通報して、警察が部屋に踏み込んだら、もう・・・。 しかし、犯人らしき人物は見当たらず、俺自身がはじめは容疑者扱いされた。 たまたま俺が家を出るところを近所の人が何人も見ていたのと、電話の通話記録で、俺の 話が嘘じゃないのを信じてもらえて、やっと容疑者じゃなくなったくらいだ。 しかし結局、真犯人はみつからずじまいで、彼女の遺族はまだ俺を疑ってるらしい。 ただ、俺は、警察にも言ってない、犯人の心当たりが一人だけいる。 いくらなんでも誰も信じないだろうという心当たりが。もちろん俺も信じたくはない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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