こころ模様

　昨日は、夜勤明けで実家に帰ってきた。
鴨川には床ができていて、夜だったので灯りが綺麗だった。
いつの間にか７月なんだ、夏なんだって実感した。

　街中のアーケードではお囃子のテープが流されていたし、お人形屋さんの田中彌さんのディスプレイを見たら、祇園祭なんだなって思った。祇園祭の季節になると田中彌さんは祇園祭の模様をディスプレイであらわしてくれるので好き。
　四条町会所の所にカメラを持った人垣ができており、長刀鉾の鉾立が始まっていた。組み立てている人達からみれば、あのギャラリー達って邪魔だろうなぁ。今年は宵山も巡行も見に行けなさそう。少しでもかじれてよかった。
　昔、大工方の人が入院してはった事があった。６月頃からそわそわして、７月に入ると「わしがいなければ鉾はたたん」とか言って活き活きと退院していかはった。その次の年、再入院してはった上、少し健忘症が入ってきてはったけど、やっぱり祇園祭に関しては譲れなかったみたい。他病棟入院だったから、退院だったか外泊だったかも知らない。友達と山鉾巡行を見に行ったら、お弟子さんかに付き添われて、山鉾に沿って歩いてはる姿をたまたま発見した。あの背中を丸めて歩いてはった姿は今でも思い出せる。雰囲気からは健忘症がすすんでいるように見えたけど、祇園祭は彼にとって本当に特別だったから、周囲の人も協力したんだろうなって思った。
　
　期末テストが終わると同時くらいに宵宵々山がやってくるので、学生時代は祇園祭が夏休みの幕開けだった。しかもお祭りに付随して門限があま～くなるので開放感も満開。お稽古類でも特別な事が多くなる月だった。夏といえば、祇園祭で始まって、送り火で終わるっていうイメージ。でも、そういえば、大阪に来てから季節感が鈍くなっている気がするな。