虫愛づる姫君より宿題ありて
万葉旅行の「虫愛づる姫君」より花の題来て、歌詠めとの夜風吹きたれば、偐家持の作りたる歌。春龍胆 阿蘇に向かひて 咲きたるか その紫の 愛しき妹かも草千里 緑の波の 立つままに 咲き渡りゆく みやまきりしまつばな咲く 原に戯る 銀狐 数へ行きし児 我が日の遠き車輪梅 つましく咲くや この道を 行けば木綿山 照る日にぞ燃ゆあふち咲く 道ゆくからは ほととぎす 阿蘇の五岳ゆ 来鳴きとよもせヤカモチも 日ながく待てば ムシマロと なりタカハシの オホトモの夜はマシュマロに 見えしムシマロ 老いの目に ムシ追ひマロの 夜は悲しき