2007年06月の記事一覧 | 偐万葉田舎家持歌集

天守物語

本日、友人の薦めで劇団「遊劇体」の公演「天守物語」(泉鏡花原作)を観て来た。久々に若い人達の演劇世界に浸って心地良い時間を過ごせました。夕暮れは　魔界の媛の　恋悲し　思ひは風と　なりて吹くらし岬野吾妻麻呂様よりは、またまた岬めぐりの便り届く。ラベンダー　その紫の　花の香の　風をぞ恋ひて　我は来にけり辛口の　旭川なる　男山　妹とし酌めば　さ夜更けにけり吾妻麻呂の満足そうなお顔が目に浮かびますなぁ。追和して詠めるは夕暮れのヤカモチなり

2007.06.30

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猪名・処女( 遠目)・敏馬

めりもこは　猪名の笹原　吹く風の　処女(をとめ)を過ぎて　敏馬(みぬめ)を行くやほととぎす来鳴きとよもせ猪名野原恋しき人の声とや聞かむ在りながら恋ひつつあらずは遠目にも見たき処女(をとめ)と追ひ及き行かむ処女(をとめ)塚敏馬(みるめ)の社見るときはまだ見ぬ我を掛けて偲はせ― 偐家持―

2007.06.24

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楯ケ崎海上遊覧―熊野旅土産

楯ケ崎　ガイアの記憶　見て来よと　我が乗る船は　飛びて波切る神々の　つくりし岩の　柱列か　波ぞ砕けて　花と散りける**** 偐家持 ****

2007.06.22

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天磐楯の碑

見上ぐれば　磐の階(きざはし)　神の倉　荒ぶる龍の　暗き火の道写真の碑は「到熊野神邑　且登天磐盾」(日本書紀/神武紀‥熊野の神邑に到り、且ち天磐盾に登る)**** 偐家持 ****

2007.06.22

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千枚田の笹百合―熊野旅土産

千重なせる　棚田の風に　笹百合は　咲きて匂へり　見るひとなけど**** 偐家持 ****

2007.06.22

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古道・大門坂―熊野旅土産

大門の　坂の木の間ゆ　射す日もが　流らふ霧と　古道行かめ**** 偐家持 ****

2007.06.22

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鬼ケ城・千畳敷―熊野旅土産

青雲の　熊野の海の　朝凪の　鬼の居ぬ間の　岩の道ゆく**** 偐家持 ****

2007.06.22

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丸山千枚田―熊野旅土産

薄衣(ぎぬ)の立ち流れゆく霧の間にさみどり深く棚田の在りき偐家持

2007.06.21

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那智の滝―熊野旅土産

み熊野の那智の大滝轟きて落ち来や落ち来見れども飽かずあぢさゐの色なまめかし花越しに霧立ち昇る那智の山々偐家持

2007.06.21

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浜木綿―熊野旅土産

み熊野の　七里御浜に　浜木綿の　咲けるを見れば　思ひぞ益さる偐家持

2007.06.21

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あざみ―熊野旅土産

丸山の　千枚の棚田　なつかしく　行く道の辺に　あざみ咲きてし(まるやまの　ちひらのたなだ　なつかしく　ゆくみちのべに　あざみさきてし)****偐家持****

2007.06.21

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七里御浜―熊野旅土産

み熊野の有馬の浜の木綿(ゆふ)の波間なくぞ寄せ来妹し思へば伊勢路なる熊野古道(くまのふるみち) 恋ひ来れば七里御浜(しちりみはま)の眺めはるけし偐家持

2007.06.20

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花の窟―熊野旅土産

いざなみの使ひなりしやみ熊野の花の窟に鳴くほととぎす花飾り枯れにし幡の垂る見れば花の窟の暮れゆくらしも偐家持

2007.06.20

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一座面々面見世之歌

熊野曼陀羅六人暦一座座長:ひさの郎女座員:りちの郎女・和郎女・槙麻呂・和麻呂・偐家持本宮の社の木々の静もりて心和むとりち女の笑みし萩咲くをひさの郎女見て告げし散らず在り待て秋づくまでは思はぬにながらひにける大楠の身をや気遣ふ和の郎女槙麻呂の後つきゆくは苦しきか和麻呂あせることの多かり和麻呂の高き鼾に波の音も消ゆれば家持歌作りかね上の五首は、偐家持、一座の面々を紹介せむとて、詠める歌なり。

2007.06.18

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蛍なす…／熊野曼陀羅六人暦

恋ひ焦がる魂かあくがれ　山かひの　闇に蛍の　舞ひ交はしゆく幽玄の杉の林の闇深く人こそ知らね蛍の舞ひしみ熊野の大井の谷の川の瀬に蛍舞ひてしさ夜更けにけり熊野大井谷にて

2007.06.18

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熊野曼陀羅六人暦の旅

み熊野の神の宮跡夏草の大斎原は雨もや清きみ熊野の那智の大滝轟きて落ち来や落ち来見れども飽かずあぢさゐの色なまめかし花越しに霧立ち昇る那智の山々那智大社青岸渡寺と居るゆえか女めきたる色にもなりき思ふどち熊野三山廻り旅万清楼の宴も楽し偐家持

2007.06.17

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若草の里のあぢさゐ

智麻呂画伯ご夫妻から絵手紙が届いた｡大学の同窓会関係の集いがあり､それに参加したｱﾄ､同期のK君と食事をして､夜遅くに帰宅したら､一通の葉書｡智麻呂様からの､あぢさゐの絵手紙だった｡｢歯医者の帰りに紫陽花一鉢買いました｡｣とあるから､それを描いて下さったのか｡有り難いことです｡やさしいお心遣い嬉しく､家持は芯から癒されたのでありました｡若草に咲きしあぢさゐ絵てがみになりて舞ひ来し梅雨の入りかな夜が更けても雨はしくしく降り続いている｡◇偐家持◇

2007.06.14

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読書会の本

偐家持も参加している若草読書会。その読書会、次回は浅田次郎をやると発表者の「長谷の槙麻呂」君よりメール。ヤカモチ君は万葉人ゆえ、この作家は全く読んでないので、早めにと本日書店に。槙麻呂のメールにあった課題図書「月島物語」探せど見つからず。ふと目に入りしは「月島慕情」。本は"物語"ではなく「月島慕情」であった。八代亜希をチラリ思い浮かべつつ、「慕情」買う。「雨の慕情」ではなく「月島慕情」を買う。困りくの　長谷の槙麻呂　月島の　慕情語らず　ヤカモチやきもき**** 大伴のヤキモキ ****

2007.06.13

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六甲アイランド銀輪和歌

我妹子に笑はれけるか六甲(ムコ)の島行きて帰りき銀輪の旅武庫の川流れを清み吹く風の知らえぬ恋は松にや秘めし言寄せもよしと思へど武庫の川瀬渡る妹の手は取りそこね芦の屋の処女(ヲトメ)松原行く川の流れは絶えず恋ひて来にけり葦の屋の菟原処女(ウナヒヲトメ)の松原は知らずや千沼(チヌ)の海に向くらし千沼壮士(チヌヲトコ) 武庫の浦辺の夕風に思ひ残さば日和見の松まそ鏡光れる海の風恋ふは六甲(ムコ)の島廻(シマミ)の道行く我や偐家持

2007.06.12

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六甲アイランドのすすめ

銀輪のニセ・ヤカモチ君は、本日、生駒山の麓の自宅から、六甲(ムコ)の浦なる人工島、六甲アイランドまで銀輪を走らせました。往路は2号線を西へ、尼崎で43号線に移り、甲子園球場に挨拶して、御影から六甲大橋を渡り、島へ。帰路は湾岸線下や341号線を経て43号線、安治川隧道経由九条に出て、中央大通りを東へ。往路よりかなり遠回りとなったか?往路4時間半、復路5時間余。さすがに最後の自宅への坂道はもうイッパイでした。六甲アイランド外周ウォーキングロードは自転車で走るのにも最適。一周7キロ弱。走ってみませんか?ナカナカ素敵ですよ。本日の走行軽く100キロメートルは超えた筈。ニセ・ヤカモチ

2007.06.11

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いずれあやめかかきつはた

杜若(かきつばた)　水面(みなも)に映す　影清み　見つつも行かむ　夏野の風と**** 偐家持 ****

2007.06.10

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あじさいの花

わが宿に咲けるあぢさゐ置く露の消ぬとも色は移ろふべきや紫陽花は天より降りし羽衣や蝶と咲くとも飛び立ちかねつ偐家持

2007.06.10

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紫陽花

　　あぢさゐは日本原産の花｡万葉にも歌われている　（巻４－７７３､巻２０－４４４８）。万葉仮名では｢味狭藍｣｡｢集真藍（あつさあゐ）」が語源とか（｢大言海｣）｡紫陽花は唐の詩人白居易の命名（｢白氏文集｣）｡ｼｰﾎﾞﾙﾄは恋人の名からｵﾀｸｻと命名したとか｡

2007.06.09

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「草の細道」公開迫る！

偐山頭火君との合作の「草の細道―銀輪万葉集」の校正が終了。一般公開も間近である。まぁ作品は我々二人の自己満足に過ぎないと思うが、後半からは読んでも少しは面白くなるようにと、注記を加えたりして、いささか読者をも意識した内容にしたつもりである。そんなわけだから、面白いと思ってくれる人が一人位はいると思う。興味ある人はご連絡下さい。偐家持は和歌と和歌の注記を担当しただけで、写真も構成も偐山頭火君の手になるもので、彼がこの本を作ったと言っても過言ではない。感謝。☆☆∞ 偐家持 ∞☆☆

2007.06.08

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あれやこれや

岬野吾妻麻呂様より陸奥の旅完結篇の追伸と写真届きぬ。寒立馬草はむ音の　たくましく迷ひぞなけれいのちひたすら寒立馬が無心に草をはむ、その音が聞こえて来そうないい写真。若草読書会の友人６名での熊野旅行で立ち寄る予定の熊野の「花の窟」とされる、日本書紀の、イザナミノミコトを熊野の有馬村に葬った、という記述部分をコピーする。午後は自転車にて散歩。いつも行く公園の菖蒲苑は日に日に咲く花の数が増え、紫、薄紫、白の花が今日はさらに優雅に咲き誇っていた。尾形光琳の絵の思ひ浮かびし。ニセヤカモチ

2007.06.06

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岬巡り人

　　吾妻麻呂の陸奥の旅に和して。下北の　道の果てなる　尻屋崎　そこのみ晴れて　神は笑みしか種差ゆ　久慈の小袖に　吹く風の　海の辺の道　神がまにまに田野畑を　漕ぎ出て見れば　陸奥の海は　北山崎に　木綿（ユフ）の波立つ奥入瀬の　若かへるでの　木漏れ日の　水面（ミナモ）に映ゆる　山つつじ花神さぶる　八甲田連山　見が欲しと　田代平へ　酸ケ湯の道へ　　サキ、サカというのは内と外、人間界と神界との境（サカヒ）の意。岬（ミサキ）巡りは、従って人間界のヘリ、神界の入口近くを行く旅でもある。だからロマンを感じるのかも。家持

2007.06.05

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奥穂月光交響曲

山高み　　星もや降り来　　　　若き日の　　　　　　遠き銀河の　記憶なれやも月光の　　音とや聴きし　　　　生まれ出づる　　　　　　はるか昔の　思ひ出なるや奥穂高　降る星の雨　遠き日の　思ひたどりて　ひとの語らく月の音（と）は銀河の記憶　山の夜に　　　　　　　　　　天（あめ）より降り来（く）微塵（みじん）と降り来　さらさらと光の微塵（ちり）の限りなきかそけき音の月より降り来見上ぐれば月の光の音のして更けてゆくらし奥穂の夜はしんしんと光は音を　奏でつつ山も眠れり月のさやけき　奥穂ノ赤人家持

2007.06.04

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やまあぢさゐ

　味真野の　岡の道の辺　山あぢさゐ　　　　　　　　　　　咲きてありけり　ひとの知らなく　山かげに　咲けるあぢさゐ　むらさきの　　　　　　　　　　　継ぎて見が欲し　その花もがも　　偐家持、味真野の岡に山あぢさゐの花咲きてあれば詠みける。

2007.06.03

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味真野百合

味真野に　咲ける笹百合　さやさやと　　　　　　　　　　吹く風の岡　妹のかなしき　（偐家持）味真野の　草深百合の　花笑みを　　　　　　　　　　見つつ偲へと　風の吹くらむ　（偐家持）

2007.06.03

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味真野の旅

　　武生、味真野への旅にて偐家持が詠める歌七首青葉吹く風はもはしき山背の道ゆく朝か味真野恋ひつ西大津連れそろひたりいざ行かなすがしき朝の鳰の海かな塩津より馬ぞつまづく深坂の道思ひつつ若狭へ入りき越前の　空晴れ渡り　日野山は　昔も今も　変はらざりけり卯の花の咲きて匂へる　味真野の木陰にぞ見ゆ恋の道かな卯の花は娘子の魂か咲き出でて　　　　　　　　　　　なほし恋ふらむ味真野の岡味真野ゆ平城に宅守　帰りたり　西の厩に　妹待つらむか

2007.06.02

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味真野恋歌

　味真野は青葉さやぎてすがしきに　　　　　　　　をのこよたりの味なきたびに　（偐家持）　　明日は友人と越前味真野旅行である。同行はニセヤカモチ君（ニセアカシアではない）の長年の友三名、早くイルカになりたがってる近江笑人ー大津ノ鯨麻呂、蝶を追っかけしてる宝塚の永遠少年ー虫飼ノ重麻呂、心優しき近江八幡の走子ー葭笛ノ草麻呂、の面々。　君がゆく道の長手を繰りたたね　　　　　　　　　　　焼きほろぼさむ天の火もがも　君我由久道乃奈我弖乎久里多々祢　　　　　　　　　　　也伎保呂煩散牟安米能火毛我母　　我、宅守にあらねば、かく云ふ娘子（ヲトメ）もなし。　　　　　　　宅守と　娘子の恋の　麦の秋　（偐蕪蕉家持）

2007.06.01

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