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偐万葉田舎家持歌集

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2007年08月の記事

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落陽は…

落陽は慈愛の色の金の色原に草鄙歌うたひ山に木々老いてつましき心ばせかかる折しも我ありぬ小児に踏まれし貝の肉かかる折しも剛直のさあれゆかしき…中原中也の何という詩であったか？心に浮かぶ詩の断片。秋近づくを夕風の空と落陽に見て…偐家持の詠める法師蝉　鳴く夕風の　花園に　夏はゆくらし　妹待つほどに花園公園のﾔｶﾓﾁ花園ラグビー場のある花園公園はﾔｶﾓﾁ君の散歩の定番ｺｰｽである。ﾂｸﾂｸﾎｳｼが鳴き、夕風が吹き渡り、金色の落陽が鱗雲を照らし、そこはかとなき秋の気配。我が待つ秋の近づくらしも…

2007.08.29

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ＯＢ会

本日はグループ会社のOBにして元総務、法務担当経験者有志の飲み会の集い。偐家持の入社時の上司や先輩など敬愛する方々と旧交を温めることのできる、懐かしくも楽しい集いである。現役の社長も居られるが、多くはそれぞれに第二の人生を有意義にしっかりと、そして悠々と生きて居られる、言わば人生の達人の皆様である。ヤカモチも昨年からそのお仲間に加えて戴いているが、光栄なことです。右も左も分からなかった新入社員の頃にご指導戴いた方など、小生の今日あるは、この方達のお陰である。仕事を離れてもお付き合い戴ける幸せを感じつつのひととき。

2007.08.28

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石川自転車道

自宅から河内長野市の錦織公園まで自転車で往復した｡若草読書会の小万知様ご推薦の公園です｡本日は一部を見ただけ｡かなり広いから後日また訪ねましょう｡河内長野へのﾒｲﾝﾙｰﾄは大和川を渡った後の石川河川敷自転車道｡万葉の高橋虫麻呂の歌の片足羽川はこの石川だというのが通説かな？写真後方に少し見えてるのが二上山｡ﾔｶﾓﾁの好きな道のひとつ｡炎暑の夏も川面渡る風は涼しい｡自宅･錦織公園は自転車で片道二時間半位の距離なり｡長野なる錦織りなす花の苑夏はもはしき緑の木陰よしきりの鳴く石川の風の道行き来と見らむ二上の山

2007.08.27

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深坂古道

深坂古道を歩いて来た､自転車を持って｡深坂古道は近江塩津と若狭敦賀を結ぶ古代の道｡笠金村がこの道で歌二首のこしている｡ますらをの弓上振り起し射つる矢を後見む人は語り継ぐがね(巻3-364)塩津山うち越え行けば我が乗れる馬ぞつまづく家恋ふらしも(巻3-365)紫式部が父藤原為時と深坂峠を越えた時に詠んだ歌もある知りぬらむゆききにならす塩津山世にふる道はからきものぞと偐家持も一首銀輪を押してつまづくこの道は世にふる道やからきとぞ知る蝉しぐれ、樹の下隠れの道、誰とも出会わない。忘れ去られた道だ。

2007.08.26

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印南川

昨日の姫路に続き､今日は加古川をｻｲｸﾘﾝｸﾞ｡加古川右岸自転車道は広々とした爽快な道である｡写真は河口付近から上流を眺めたもの｡加古川は万葉の頃は印南川と云った｡西明石から加古川､高砂辺りの地を印南野と呼んだから印南川である｡明日よりはいなむの川の出でて去(い)なばとまれる我は恋ひつつやあらむ〔万葉巻12-3198〕逃げ水を追ひて加古へのひとり旅　(ヤカモチ)

2007.08.18

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カンナ燃ゆ

ｶﾝﾅ咲く熱き日の道印南野の川辺に思ふ終戦の夏何故かｶﾝﾅの花と終戦の日とが私の中でｲﾒｰｼﾞ連合｡誰かの詩か小説で私の中に形成されたｲﾒｰｼﾞであるか｡たゆらきの山を廻れる飾磨川朱にｶﾝﾅの燃ゆる道ゆく万葉の､たゆらき(絶等寸)の山は､姫路城のある姫山説と手柄山説とに分かれるが､偐家持は手柄山説で詠んでみた｡手柄山を廻る船場川(野田川とする説もあり)が万葉の飾磨川である｡写真は船場川沿いの道に咲くｶﾝﾅである｡絶等寸の山の峰の上の桜花咲かむ春へは君し偲はむ (万葉集巻9-1776)

2007.08.17

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夢前川

姫路の夢前(ゆめさき)川自転車道を書写山まで自転車で往復｡夢前の夢の川ゆくこの道の奥に祈りの山ぞゆかしき夢かうつつかﾔｶﾓﾁか?汗だく炎天下の30余ｷﾛ姫路駅で自転車を組み立て出発､手柄山を右に見て船場川を下り､国道2号線を右折し水尾川へ､水尾川自転車道を下り､汐見橋を渡って夢前川に入り､河川敷の自転車道を川上へ遡上｡書写山ﾛｰﾌﾟｳｪｲ乗り場へ｡円教寺は前に行ったので､今回はﾊﾟｽ､姫路城へと引き返した｡船場川は万葉の飾磨川か｡わたつみの海に出でたる飾磨川絶えむ日にこそ我が恋止まめ (巻15-3605)

2007.08.17

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白百合に咲きしお染めの…

朝の自転車散歩。野崎観音に立ち寄りぬ。観音堂の裏に一輪笹百合の咲きてあれば。お染めかも野崎の杜のさ百合花恋の形見と一輪咲きぬ♪野崎詣りは自転車こいで参ろ…♪☆☆ ヤカモチ ☆☆

2007.08.14

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第51回大阪薪能

生国魂神社境内で開催された大阪薪能を観て来た。清経、生国魂、船弁慶と狂言「鏡男」狂言の「鏡男」は越後の昔話と同じモチーフだったが、どちらが古いのだろう?船弁慶は平家の怨霊が薙刀を振り回す場面が見物。「その時義経少しも騒がず…」というのは此処に出て来るのであったか!後の席の90才という老人と開演前に暫く話したが、彼はこの場面だけを見たくて来たと言うてました。我輩の謡曲の先生は隣で「次は船弁慶をするぞ」と言ってましたから、九月からの稽古は船弁慶になりますナァ。生国魂の社暮れゆきて　清経の立ち現れぬる夏の夜の夢

2007.08.11

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エゴノキ(ちさ)

自宅近くの公園にﾔｶﾓﾁお気に入りの場所がある。その一角にｴｺﾞﾉｷが生えている。五月には可憐な白い花をつけていたのが、今は薄緑色の実をつけている。実も可愛い。万葉では｢ちさ｣(知佐･白苣)という。『…ちさの花咲ける盛りにはしきよしその妻の児と…』(巻18-4106 大伴家持)の如く、花は｢ちさの花の盛りのように可憐で美しい妻｣と歌われているが、その実も可憐なれば、偐家持はこれを妹にぞ喩へむ。ちさの実のはしき妹はも蝉しぐれ思ひは益せど直には逢はず

2007.08.11

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都万麻(つまま)

ｸﾏｾﾞﾐの鳴き声のｼｬﾜｰ｡公園でﾀﾌﾞﾉｷを見つけた｡ﾀﾌﾞﾉｷはｸｽﾉｷ科の常緑高木｡万葉の｢ﾂﾏﾏ｣はﾀﾌﾞﾉｷとされている(ｲﾇﾂｹﾞ説もあるが)｡以前TVでこの木の葉で線香を作っているのをみたことがある｡杉と同じく線香の原料にもなるらしい｡磯の上の都万麻を見れば根を延へて年深からし神さびにけり(巻19-4159 大伴家持)古代人は､山､巨岩､巨木等色んなものに神が宿ると考えたが都万麻もそのひとつ｡都万麻を褒めることはそこに宿る神を褒めることでもあったろう｡古代の神は祟る神でもあるから､褒めてご機嫌をとったのだ｡和歌には実用的な目的があったのだ｡

2007.08.09

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夏山野偐憶良

山上憶良の「秋の七種の花」の歌をまねて、偐家持「夏の七種の花」を歌えり夏の野に咲きたる花を指折りてかき数ふれば七種(ナナクサ)の花合歓の花カンナ紫陽花向日葵の花百日紅　またさ百合花朝顔の花夏山に咲きたる花をおよび折りかき数ふれば七種の花チングルマフウロコケモモニッコウキスゲウスユキソウチシマコザクラコマクサの花(参考)萩の花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝がほの花 (巻8-1538)和歌は､5､7､5､7､7､ですが､上の歌は､5､7､7､5､7､7､です｡このような形式の歌を旋頭歌と言います。

2007.08.02

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朝顔の花にもがもな

朝顔の花にもあれやかなし児の涼しき風の道の辺の朝生駒嶺の山陰の野の朝顔の花と眺めむ有明けの月　亡き娘が命日は明日なれど､今日早起き(朝5時)したりければ､早朝の墓参なりけり｡その道の辺に朝顔咲きてありければ｡　朝顔は万葉にも歌われてますが､万葉の朝顔は今の朝顔ではありません｡ｷｷｮｳ(桔梗)、ﾑｸｹﾞ(木槿)､ﾋﾙｶﾞｵ(昼顔)説に分かれています｡万葉の朝顔は土地や時期により｢桔梗｣を指したり､｢木槿｣を指したりしたのでしょう｡また､昼顔は万葉で｢貌花｣(可保婆奈､ｶﾎﾊﾞﾅ)と歌われている花のことでしょう｡　　★★偐家持★★

2007.08.01

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