舞洲・若草読書会
30~31日と若草読書会の1泊2日の舞洲旅行。舞洲は大阪湾を埋め立てた数ある人工島のひとつ。大阪への五輪誘致が実現していたら、ここがメイン会場の地になっていた筈であったが・・・。昨年秋に、友人偐山頭火君と二人でこの島まで自転車で走った際(平成19年11月24日の日記参照)に、「ここで読書会をしてもいいな」ということになり、今回の企画となった次第。 小生は今回も生駒山麓の自宅から自転車で舞洲へ。昨年は、もみぢ匂へる道であったが、今回は青葉さやげる道である。大坂城公園に、まず立ち寄り、大川沿いを毛馬の閘門へ。そこにある蕪村の句碑の前で黄色のクロスバイクを停めて休憩中の男性(茨木市在住と話されていた。)がいらしたので、しばし閑談。 そこから、淀川河川敷の道を河口へと走ると自然に北港ヨットハーバーに着く。(ヨットハーバー) ここから、常吉大橋を渡るともう舞洲である。(舞洲へ入る橋としては他に、此花大橋と夢舞大橋というのがある。)(常吉大橋。前方の派手な建物は大阪市環境事業局舞洲工場である。) 舞洲に入ると風も海の香りを運んで来る。海沿いのサイクリング道をゆっくり走る。本日の宿泊場所「舞洲ロッジ」に早く到着したので、周辺の緑地を回ってみることに。木々の葉をそよがせ、緑なす夏草をなびかせて吹く風が心地よい。さみどりの 波立ちぬれば 舞洲に さやげる風も 青みてぞ見ゆ 散策の道の辺にはオトギリソウの黄色い花が可憐に咲いている。茅の穂が銀色に光る。風が光っているのでもあるか。 茅(ちがや)は、万葉にも「浅茅(あさぢ)」、「茅花(ちばな)」、「つばな」として多く歌われている。 浅茅原 つばらつばらに もの思(も)へば 故(ふ)りにし郷(さと)し 思ほゆるかも (大伴旅人 巻3-333)山高み 夕日隠りぬ 浅茅原 後(のち)見むために 標(しめ)結(ゆ)はましを (作者不詳 巻7-1342)君に似る 草と見しより わが標(し)めし 野山の浅茅 人な刈りそね (作者不詳 巻7-1347)茅花(ちばな)抜く 浅茅が原の つぼすみれ いま盛りなり わが恋ふらくは (田村大嬢 巻8-1449) 今回の参加者は男8名、女7名で、ほぼフルメンバーに近い盛況。今回は読んで来べき課題図書もなしということで、参加者が多かったのか?午後3時には全員集合。楽しく、愉快な1泊2日の気の置けぬ仲間とのひとときであった。(ログハウス。ひょうたん池を廻るように十数棟のログハウスがある。)(夕食はバーベキュー)おとぎり草 咲き匂ひぬる あづま屋に 寄れば夕影 ひとぞ恋ひしき夕されば 潮満ち来らむ 舞洲の 浦ゆく小舟 行方知らずも夕風の 葉陰に暮るる 舞洲の 辛夷(こぶし)の家の 集ひ楽しも 夜更かし得意のヤカモチは午前2時半まで起きていた(気の置けない仲間との議論は尽きるということがないのである。)が、「そろそろ寝るか」との、くに麻呂殿の言葉で、ようやく寝室へ。既に和痲呂は高鼾であった。それでも朝は5時前に目が覚め、ひとりで朝の散歩に。その道すがらの写真。(アジサイ)(海辺。但し、上の方の写真は31日朝ではなく、30日の午後のもの。)(見晴らしの丘)(タニウツギ)(シロツメグサ) 朝食後解散。小雨が降ったり止んだりするなか、ふたたび自転車で家路に。淀川河川敷の道をゆくと、葦の葉の先に梅田スカイビルが望まれた。(立ち寄ってみると、何やら中庭<ガーデンスクウェア>で催しをしていて多くの人だかり、早々に退散。)(淀川堤防の浅茅が原)