偐万葉・大和はまほろば篇(その5)
偐万葉・大和はまほろば篇(その5) 本日は、偐万葉・大和はまほろば篇(その5)であります。 大和はまほろばさんの俳句に下7,7を付けて和歌にしたものなど同氏のブログに書き込みたる歌30首であります。(上の句575で色字になっているのは、大和はまほろば氏の俳句です。) (参考)<大和はまほろば氏のブログ入口> 今回はちょっと趣向を変えて漢詩のパロディも一篇加えてみました。 偐家持が大和の国まほろばの麻呂に贈りて詠める歌30首並びに詩1篇曼珠沙華 取り巻く草を 蹴散らして われこそ妻と 笑みてあるかも (偐鹿男) ナナフシは 観世(かんぜ)金春(こんぱる) ならざれば シテの動きも ひとくせありぬ (偐観阿弥)托鉢の 始る鹿の 水場前 南無みほとけの 朝の気は澄み捕へては 放つ馬追 逃げもせず 蕎麦打つ秋の 夜長なりけり (すい~っちょん)山辺(やまのべ)の 道に零(こぼ)れる 萩の花 花嬬(はなづま)問ひの 鹿もゐなくに秋の闇 飛行機雲を 呑み込みぬ 君し使(つかひ)の 絶えてしあれば電線の つながる先の 秋の闇 糸を吐きつつ 蜘蛛の飛び行く藪の中 仏の秋思 深まらん 人の心の 荒れ行く見れば三位など 知ったことかと 一文字(いちもんじ) せせりは花の 蜜あさっトラ (半トラファン)駅前に 糞散らかして 小鳥来る マナーモードは 鳥の知らなく (尻取りゲーム)石段を 駆け上がりたる 萩の風 吹き行く先の 白き三日月白花の 咲きて嬉しや 白の秋 妹が花笑み 今し見つれば村祭 終はれば稲刈 待ってをり ちとせつなげる 秋のいとなみ唐辛子 曲者ばかりが 揃ふかな 何のへちまと 秋の気たけし秋雲を 食はむと思ふ 亀の口 ならぬ仙人 するが勘忍 (亀の瀬地滑り帯)秋空を 映してをりぬ ビルの街 出掛けてみないか 君も秋野へ (新しき旅) わしの名は 吾作どんだべ 大南瓜(おほかぼちゃ) 口つぼめても 見るものは見つ (遠山カボチャ)山里の 日暮れは早し 彼岸花 狐の祭 近付くらしも芒(すすき)揺れ 雨の兆しや ダムの村 八ッ場時雨(やんばしぐれ)の 風にはあらね (八ッ場の忠太郎)友愛や 鳩山夫妻が 手をつなぎ 柿(こけら)落としの 面見世(つらみせ)外交山里の 日は暮れ易し 秋茶刈る 人影はやも 長くやなりぬ菊芋の 精気が欲しい 秋の蝶 なほしぞ生きむ 青き大空 杜甫甫蝶之賦 (偐杜甫) 翅破菊芋在 翅破れて菊芋在り 野秋天空高 野は秋にして天空高し 感時花求蜜 時に感じて花に蜜を求め 恨季鳥驚心 季(とき)を恨みて鳥に心を驚かす 夏日去一月 夏の日去りてひと月 盡家書万金 家書万金も盡く 鱗翅掻更短 鱗翅を掻けば更に短く 欲不勝飛翔 飛翔に勝(た)へざらんと欲す下校する 子について行く あきつかな 道草いまだ もみたはざれど水都行く 船追ひかける 秋の波 青きワルツの 流れゆくらし朝市に まず並びたる 通草(あけび)の実 もず鳴く声も 家土産(いへづと)にせむなりはひの 憂ひを忘れ 仰ぐ月 しみらに秋の 夜もや更けゆく生駒山 ひとつ隔(へな)れば かくしもか さやにぞ照れる 秋の夜の月 風の向き にはかに変はる 秋桜(あきざくら) 嵐ものかは 花したたかに芋畑に 一本だけの 鶏頭花 恋に死ぬとも 色に出でめやよく響く 子の声過ぎる 稲穂路 あと追ひゆける 遠き日々あり<関連記事>○過去の「偐万葉・大和はまほろば篇」は下記をクリックして、ご覧下さい。 (その1) (その2) (その3) (その4)○姉妹版の「偐万葉・お蔵百人一首篇」もどうぞ。(河内温泉大学図書館から無料ダウンロードしてご覧になることもできます。) (その1) (その2) (その3A) (その3B) (その4) (その5)