彦根小旅行銀輪散歩下見(その3)
<承前> 犬上川に掛かる橋の名が面白い。 むちん橋。無賃橋。江戸時代、天保初期に彦根藩が一般からの募金により犬上川のこの地に橋を築造させたとのこと。橋は有料であるのが普通であった当時、一般の募金で造られた通行無料の橋が珍しくあったので「無賃橋」と呼ばれるようになったのでしょうな。 橋のたもとには「むちん地蔵」のお堂もありました。(むちん橋) 無賃なれど、「むちん橋」は渡らず、川沿いに県道197号線を下流へと走る。途中、見事な花を咲かせているサルスベリの木がありました。(サルスベリ)(同上) JRびわこ線を越えて800mほど下流、犬上橋のたもと、宇尾町交差点で右折し北へ。県道208号線である。芹川に出る手前にある長久寺へと向かう。(宇尾町交差点。ここで右へ入る。) しばらく走った処で、小さなお堂のある場所でペットボトルなどに水を汲んでいる人の姿。何だろうと覗いて見ると、十王村の水という石碑が目に入る。湖東三名水の一つ、十王村の水であった。 <参考> 十王村の水(十王村の名水) 何本ものペットボトルを段ボール箱に詰めて持ちこみ、水で満たしては、箱に戻して居られる。上では次の方が大きなポリ容器数個を足元に置いて先客の水汲みが終るのを待って居られる。皆さん、車で水を汲みに来られているのですな。(同上)(同上説明板) 上の説明にもある通り、湖東三名水とは、五個荘清水ヶ鼻の水、醒井の水、十王村の水を言うそうな。 現在のこの辺りの地名は彦根市西今町であるが、昔は十王村と称していたということですな。 「十王村の水」から2km余北へ、橋向町交差点を右に入った処に長久寺がある。この寺を何故訪ねたかと言うと、番町皿屋敷のお菊のお話のモデルとなった事件が彦根藩で実際にあったとのこと(注)で、その「お菊の皿」がこの寺に現存して居り、お菊の墓もこの寺にはある、ということであったからです。これは下記<参考>の「1.長久寺」の記述によって知ったことであります。 <参考>1.長久寺 2.長久寺(彦根市)・Wikipedia(長久寺) 摺針峠には今回行けませんでしたが、中山道の摺針峠への登り口までは行きました。そして、摺針峠という名で小生が思い浮かべるのは「摺針峠の山の宿場で番場というところがござんす。」という番場の忠太郎が母との再会の場面で自分が息子の忠太郎だと名乗る際の出だしの言葉です。この「瞼の母」はドサ芝居では代表的な出し物。「番町皿屋敷」もドサ芝居ではよく取り上げられる。どちらも彦根に所縁の地があるとあっては、訪ねてみたくもなるというもの。 いや、普通はそんな風には考えませんですかね。これは小生の若い頃の或る経験から来る、極めて個人的な特別な「連想」に依るのでありました。その「或る経験」については申し上げる程のことではありませんので、此処では割愛させて戴くこととしましょう(笑)。 お菊の皿はどうせ見られないだろうと思っていましたが、お菊の墓も境内の何処にあるのかよく分りませんでした。寺の裏には墓地がありました。お菊の墓もその中にあるのかも知れませんが、寺の境内にはそれを示すものは何もありません。人影もなく尋ねる人もなし。雨がポツリ、ポツリし出した。時刻も5時を過ぎている。ということで、探すのは諦めて寺を後にした次第。<注>番町皿屋敷に似た話は姫路の播州皿屋敷が有名であるが、類 似の話は、北は岩手県滝沢村、同江刺市、南は鹿児島県南さつ ま市まで全国各地にあるそうなので、彦根のこれもその一つとい うことになる。<参考>皿屋敷・Wikipedia(同上)(同上・閼伽井)(同上・本堂)(同上)(同上)(芹川・芹橋上から) 寺から県道208号線に戻り、北へ。芹橋を渡る。 万灯流しの大きな文字が川に。広島原爆投下の日の8月6日に行われるのですな。調べると、原爆の火が彦根市日夏町の本覚寺に保存されて居り、いつの頃からか、ひこね万灯流しの灯篭の火は、この原爆の火を用いて点火するようになっているらしい。 <参考>原爆の火 ひこね万灯流し 芹川沿いにケヤキ並木の道を走り、池州橋から右に入り、彦根城に向かうというのが本番でのサイクリングコースなのだが、お天気の具合が怪しくなって来たことと途中の寄り道などで時間が予想以上に掛かってしまい時刻が5時を過ぎていたことから、お城に回る下見は取り止めにして駅前に戻ることとしました。 駅前到着午後5時半。これにて第1回目の下見完了です。来月中に再度下見銀輪散歩をすることとします。今度は芹川沿いを走り、彦根城も回って、行程所要時間を測ってみます。それに琵琶湖畔にある万葉歌碑にも寄り道と言うか回り道をしてみたいと思いますので・・(笑)。 中途半端な、下見にもなっていない、下見銀輪散歩の詰まらぬ記事にお付き合い下さり有難うございました。本当の下見は、来月ですので、懲りないお方は、どうぞまたお付き合い下さいませ(笑)。 =完=