国道アーケード商店街
国道がアーケード商店街になっている処がある。 ブロ友の英坊3氏は富山県高岡市の珍百景をご紹介されているが、わが街の東大阪市にも珍しいものがあるので、ご紹介しておきましょう。珍百景とは少し違いますが・・(笑)。 近鉄瓢箪山駅の北側と南側に延びているアーケード商店街。実はれっきとした国道(170号線)なのである。 駅の北側にあるのが瓢箪山中央商店街(通称:サンロード瓢箪山)で、南側にあるのがイナリ前商店街(通称:ジンジャモール瓢箪山)。 この道は高野山へと通じる東高野街道という道であった。近鉄奈良線がこの道と交差して敷設され、大正3年(1914年)にその交差する場所に瓢箪山駅が設置された。以後、この駅を中心として街道に沿って南北に商店街が形成されることになる。 また、旧外環(旧外環状線)道路の整備が進められるが、その路線は東高野街道と平行したり、一部重なったりしたものとなる。瓢箪山駅周辺は、旧外環と東高野街道とが重なる形で路線整備が進められた。 昭和36年(1961年)に商店街に手動で開閉する簡易式アーケードが設置される。この道(旧外環)は昭和40年代にバイパスとして新国道170号線(外環状線)が出来るまでは、この地域の南北を結ぶ唯一の幹線道路であり、路線バスも走っていたことも相俟って、車両の通行制限は無理。アーケード設置後もそのまま、車両の通行が制限されることはなかった。かくてアーケード商店街の中を路線バスが走るという珍風景も現出したのであった。 昭和38年(1963年)になって、この道は国道170号線に指定されることになる。日本初の国道商店街の誕生となったのである。 国道にアーケードを掛けたのではなく、アーケードを掛けた商店街の道が国道になったのである。順序が逆だったらこういうことにはならなかったことでしょうね。 新しい国道、170号線(外環状線)が完成して、路線バスは、瓢箪山駅南側からこの新170号線・外環状道路に迂回して走り、今はアーケードの下をバスが走るという妙な光景は見られない。そして、午前7時から午後8時までは車両の通行は禁止となり、歩行者天国となっている。最近は、自転車に乗っての通行も禁止となっている。 <参考>国道170号線・Wikipedia(サンロード瓢箪山・北詰め) <参考>瓢箪山中央商店街(通称「サンロード瓢箪山」) イナリ前商店街(通称「ジンジャモール瓢箪山」) 上の写真は商店街の北端の出入口。ここで左側からの東高野街道と国道170号線(旧)とが合流してアーケードの下へと続いている。(同上・自転車に乗っての通行禁止の標識)(同上南詰め・瓢箪山駅前) 上の写真と下の写真は同じ位置から撮ったもので、上は北を向いて撮影、下は南を向いて撮影したものです。 まあ、この道が国道だと言われても「?」でしょうね。(瓢箪山駅前踏切・右側が瓢箪山駅)(ジンジャモール瓢箪山北詰め・瓢箪山駅前)(ジンジャモール瓢箪山南詰め) 上の写真の右手に見えている鳥居は瓢箪山稲荷神社の鳥居です。江戸時代は稲荷神社の門前町として栄えたようです。 今は暗渠になっていますが、道の右側には小川(水路)が流れていて、鳥居の下には石橋が残っています。橋は秀吉に因んで太閤橋と呼ばれています。 <参考>太閤橋に関しては下記の記事にて説明しています。 石切・額田・瓢箪山近隣散歩(下)2010.05.04. 余談ですが、国道上のアーケード商店街というのは、もう一つ長崎市内にもあるようです。 <参考>浜町アーケード・Wikipedia(国道324号)付録1:せのぶらin瓢箪山前編 付録2:せのぶらin瓢箪山後編1 付録3:せのぶらin瓢箪山後編2