偐万葉・ビッグジョン篇(その33)
偐万葉・ビッグジョン篇(その33) 本日は、シリーズ第268弾、偐万葉・ビッグジョン篇(その33)と致します。 <参考>過去のビッグジョン篇はコチラから ビッグジョン氏ブログはコチラから 偐家持が歩麻呂に贈りて詠める歌22首並びに歩麻呂が詠める歌2首鼻ぐりの 塚はわれ見ず 成親と 細谷川の 歌碑にまぎれて (勘ぐり家持) (注)成親=なりちか。藤原成親。平重盛の妻・経子の兄。後白河院の側近。平 家打倒の陰謀・鹿ヶ谷事件で逮捕、備前に流され、其の地で死亡。 細谷川=ほそたにがわ。岡山市の吉備津神社近くを流れる小川。古今集など に歌われる。 まがねふく 吉備の中山 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ (古今集1082) (鼻ぐり塚) 歩麻呂が追和せる歌1首ああブログ インターネットの 世は狭し 君もブロ友 我もブロ友 (注)上の歌は偐家持の下記歌(「偐万葉・ビッグジョン篇(その32)」所収) に追和せしもの。 ああ大和 はつ夏の風 光降り 此処もコクリコ ナガミコクリコ (与太野晶子) (本歌)ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す 君も雛罌粟(こくりこ) 我も雛罌粟 (与謝野晶子「夏より秋へ」)しかじかと 我はききたり 君が言ひ しかれどこのしか すべりたりしかと (注)鹿5頭を詠める歌な恋ひそ あはぢしまにも つぎつぎて のちもあはむと あふひの咲けば (タチアオイ)会津嶺(あひづね)に あふひの花の 今咲けど またもあはめや 昔の人に (本歌)梨棗(なつめ) 黍(きみ)に粟つぎ 延(は)ふ葛の 後も逢はむと 葵(あふひ)花咲く (万葉集巻16-3834)チューリップの 花のやうなる パプリカの たははにとれて 面目もあり (畑の歩麻呂) (パプリカ)神々の 遊べる庭に 咲く花と われも遊ばな 蝶ともなりて (蝶家持)かなかなと かなしき声の ひぐらしの 声を聞きつつ この日暮らさな (偐蝉丸)わが背子は 荒地の山に 山菅の 花を見つつや 今か行くらむ (本歌)愛(かな)し妹を いづち行かめと 山菅(すげ)の 背向(そがひ)に寝しく 今し悔(くや)しも (万葉集巻14-3577) (注)山菅=ヤブラン (ヤブラン) (荒地山)道の辺に 咲く芹見つつ わが来れば わが田は人参 咲く花ぞこれ (交野王) (本歌)あかねさす 昼は田賜(た)びて ぬばたまの 夜の暇(いとま)に 摘める芹子(せり)これ (葛城王 万葉集巻20-4455) (注)葛城王=橘諸兄(橘の姓を賜って臣下に降下する前の名) (芹) (人参)秋待ちつ 君に見せむと わがかきし 韓藍(からあゐ)の花 これにしあれり (偐智麻呂) (本歌)秋さらば 移しもせむと わが蒔きし 韓藍の花を 誰か採(つ)みけむ (万葉集巻7-1362) (注)韓藍=鶏頭のこと。二寸余の かぶと虫にも 夫婦(めをと)愛 あるものならし 寄り添ひ死にし (偐虫麻呂) (カブトムシの死骸)願はくは いつにてもよし ぴんぴんと 生きてころりと 死なましものぞ (難行法師) (本歌)願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃 (西行 山家集77)愛宕山と 比叡の山と あひし時 立ちて見しかや 甘南備の人 (枚方天皇) (本歌)香具山と 耳梨山と あひし時 立ちて見に来し 印南国原 (万葉集巻1-14 天智天皇) (注)あひし時=争った時 (愛宕山と比叡山遠望) 歩麻呂が贈り来れる歌1首夜を込めて 書いたブログで あるとても よに間違いの あるはゆるさじ (本歌)夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ (清少納言 後拾遺集940 枕草子131段 小倉百人一首62) 偐家持が追和せる歌1首夜をこめて 書きしブログも 蝉丸の かみしもたがへ 咳ではゆるさじ (咳家持)飛鳥路の 秋は壱師の まづ咲きて 来よと白雲 われさしまねく (明日香村の彼岸花)歩麻呂には うまくもあらぬ はなかつみ かつ食ふ人に よりてはうまし (中臣郎子) (本歌)をみなへし 佐紀沢に生(お)ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも (中臣女郎 万葉集巻4-675) 陸奥(みちのく)の 安積(あさか)の沼の 花かつみ かつ見る人に 恋ひやわたらむ (古今集14-677) (注)万葉集、古今集に登場する「はなかつみ」については、ハナショウブ、カ タバミなどと並んでマコモだという説もある。 (マコモダケ)たんぽぽの 咲く花五つ 蕾三つ 仮名のと四つで 豊能なりけり (マンホール麻呂) (豊能町のマンホール)さはぞひに さはにぞなれる さはぐるみ くるみなのれど みはたべられず (着ぐるみ) (注)さはぐるみ=沢胡桃 (サワグルミ)われきくに すもももももも ももといへ すももはぷらむ ももにはあらじ (桃谷駅長) (プルーン)日の下に 咲かぬ花かも 月下美人 夜目にしさくや ひとまどふらし (日下町三丁目自治会) (注)さくや=「咲くや」と「昨夜」の掛詞。 日下=東大阪市の地名。われも恋ふ 秋野の尾花 藤袴 栗に憶良の 歌添ふよしも (注)われも恋ふ=吾亦紅(ワレモコウ)を掛けている。君が屋の 戸口が花は 指折りて かき数ふれば 四種(よくさ)と栗か (家中憶良)(本歌)秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種の花 (山上憶良 万葉集巻8-1537) (「秋彩」)(脚注)掲載の写真はビグジョン氏のブログからの転載です。