ブログ開設13周年
今日は当ブログ開設13周年の日。 丸13年を迎え、14年目へと入ります。 昨年の「ブログ開設12周年」の記事を読み返すと、「明後日からは平成ではなく令和となります・・」とある。 令和になって初めてのアニバーサリーデイということになるのだが、この日を新型コロナウイルス感染症の全国緊急事態宣言下で迎えることになろうとは想像だにしなかったことであります。武漢発 コロナ来たりて われも世も 令和二年は 冷和なりける (偐後冷泉院) 緊急事態宣言は今のところ5月6日までとなっているが、今は誰の目にもその日に解除されることはないと見えていることだろう。 アト1か月、アト1か月と小刻みな延長が続くのではないか、という気がする。このGWの外出自粛の状況やその後の新規感染者数の推移の状況を見つつ、医療側の対応能力の状況などを勘案して、しかるべき時期にしかるべき判断がなされるのだろうが、解除のタイミングをはかるのは大変難しいことだろうと思う。 それはさて置き、GWに限って言えば、ヤカモチはGWは毎年家でゴロゴロであるから、今年も例年通りでいいということで、何らの「行動変容」も必要としないから、そのハードルは極めて低い、と言うより無いに等しい。コロナなれば 外出ならぬ 今日は耐へ はれて解除の 明日を待たなむ (偐家待) とは言え、こんな我慢をいつまでも続けるということはできない。全体として、国民生活上も、経済の上でも、いつまで持ちこたえることができるのだろうか。 はやく「冷和」の二水がとれて、晴れて「令和」となるように、であります。(落下傘が開かない絮) 上の写真は、過日、自宅近くの枚岡梅林で見つけたタンポポの絮。 普通の絮は、白い綿毛を豊かに膨らませて球体となっているが、これは何かの病変か突然変異か、絮が膨らまず、筆先のようにつぼんだままである。 これでは、風が吹いても種は飛び立つことはできない。足元に落ちるしかない。こんなタンポポばかりだと、タンポポは、広い世界に飛び立ち、そこで新しい芽を出し、生命を広げ、種として繁栄するということは望めない。絮(わた)に不備 ありてたんぽぽ 風吹けど 自粛のごとや 種飛び兼ねつ (コロナ家持) そんなことで重苦しい不安が漂う中での13周年となりましたが、ブログで愚痴っていても仕方がないから、記事の方は超然と(笑)。 さて、既に何度か触れていますので、ご承知の向きも居られるかと思いますが、当ブログ開設の2007年4月29日という日は、詩人・中原中也の生誕100年記念の日でもありました。 彼は1907年4月29日生まれ。丁度100年遅れで偐万葉田舎家持歌集が生まれたという次第。これは、意識してこの日にブログを開設したということではなく、偶然のことでありました。後日にその偶然に気づき「愉快」なことと、その偶然を喜んだヤカモチでありました。 というのも10代後半の頃、中也の詩に心ひかれた一時期があったからであります。 中原中也と言えば詩でありますが、短歌作品もいくつかあります。 角川書店版「中原中也全集」(1967年)掲載の短歌は全部で89首。 初期短歌 80首 孟夏谿行 4首 千葉雑記 5首 彼の短歌は、余り注目されることはないかと思いますが、何首か次に列記し、紹介して置きます。〇初期短歌(1920年~1923年)より冬去れよ梅が祈ってゐるからに おまへがゐては梅がこまるぞユラユラと曇れる空を指してゆく 淡き煙よどこまでゆくか白き空へ黒き煙のぼりゆけば 秋のその日もなほ淋しかり遠ざかる港の町の灯は悲し 夕の海を我が船は行く友ところぶれんげ田に風そよ吹きて 汽車の汽笛の遠く鳴るなる晝たちし砂塵もじっと落付きて 淡(うす)ら悲しき春の夕よ夕暮の公園の池の水静か 誰一人ゐず石落としみる静かなる河のむかふに男一人 一人の我と共に笑みたり小さき雲動けるが上の青空の 底深くひびけ川瀬の音よ〇孟夏谿行よりこの水は、いづれに行くや夏の日の、山は繁れり、しづもりかへる瀬の音は、とほに消えゆき乗れる馬車、馬車の音のみ聞こえゐるかも〇千葉寺雑記よりゆふべゆふべ我が家戀しくおもふなり 草葉ゆすりて木枯の吹く小田の水沈む夕陽にきららめく きららめきつゝ沈みゆくなり沈みゆく夕陽いとしも海の果て かがやきまさり沈みゆくかも町々は夕陽を浴びて金(きん)の色 きさらぎ二月冷たい金なり母君よ涙のごひて見給へな われはもはやも病ひ癒えたり この「ブログ開設〇周年」の記事には、各年の記事件数を記載するのが慣例となっていますので、継続性の原則により、今回もこれを記載することとします。 2007年 128件(4月29日~12月・247日間) 2008年 193件 2009年 216件 2010年 203件 2011年 222件 2012年 233件 2013年 251件 2014年 241件 2015年 210件 2016年 178件 2017年 183件 2018年 183件 2019年 184件 2020年 73件(4月29日まで・120日間)<追記訂正2021年4月16日>上記各年別記事件数に一部誤りがあり訂正しました。