長門峡ならぬ長門橋に
長門峡に、水は流れてありにけり。 ・・と来れば、中原中也の「冬の長門峡」という詩であるが、わが町には長門橋という橋のあることを先日はじめて知った。 長門峡は、「ちょうもんきょう」であり、長門橋は「ながとばし」なのであるが、長門橋は「ちょうもんきょう」と読むこともできる。長門峡(ちやうもんきやう) 長門橋(ちやうもんきやう)と 我妹子(わぎもこ)の 違(たが)へたること 揶揄(やゆ)してみたり いつであったか、耳から入って来たチョウモンキョウという音から、それを「橋」のことだと勘違いした妻との間で、話がかみ合わなかったことがあったことなどが思い出されたが、その長門橋が身近にあったとは愉快なことであります。 この長門橋が架かっている川が長門川という名称であるというのも今回初めて知ったのでありました。 さて、何故、長門川という名前を知ったかというと、従来、花園中央公園でやっていた若草読書会のお花見(3年ぶりのお花見)を、今年はこの長門川畔の桜並木の下でやろうか、ということになったからであります。 この川べりは何度も往来していて、馴染みの川であったが、何という名前の川であるかということには無頓着でありました。 しかし、お花見をするとなると、メンバーに案内するに当たって、川の名前を明示して知らせる必要があるということで、調べてみたら、長門川であるということが判明したという次第。そして、長門橋という橋のあることも知ったという次第。(新若草橋と長門川 南方向<上流側>を望む) 長門川は、新若草橋の下で、恩智川と合流する。 恩智川沿いを大和川方面へと銀輪散歩する場合は、この新若草橋を渡って、恩智川沿いの自転車道を走るのであるから、何度となくこの川を渡っているし、また、この川沿いの道を南へと何度も走っているのでもある。(長門川と桜並木) 長門川の左岸(西岸)に沿って桜並木がある。(桜並木) 桜並木です。まだ、季節ではないので、ご覧のような状態ですが、花が咲くとなかなかの景色となる。 ベンチなども設置されているから、ゆっくりとお花見も楽しめる。 木の下に陣を張ってのお花見とするか、通り抜けスタイルでのお花見とするかは、今のところ未定である。 さて、川沿いに上流へと走ってみよう。(新若橋) 新若草橋の一つ上流側の橋が新若橋。 更に一つ上流側にあるのが長門橋である。(長門橋) 橋の銘板です。(橋の銘板<平仮名表記>)(同上<漢字表記>) 長門峡にかこつけての文脈でとりあげるなら、銘板は漢字表記でなくては、話が始まらない。 長門橋の下に、鴨は群れてありにけり。 うらら暖かき春の日なりき。 われは銀輪にてありぬ。 そぞろ走りてありぬ。<参考>長門峡に、水は流れてありにけり。 寒い寒い日なりき。 われは料亭にありぬ。 酒酌みてありぬ。(以下、省略) <中原中也「冬の長門峡」より>(長門川の鴨)(長門橋・上流側から) 長門川は長門橋の上流側で、大きく東側に曲がる。(長門川・奥は外環状道路<R170>) 東に曲がった上流側はこんな感じ。 写真奥の橋は名前不明であるが、外環状道路(国道170号)が通っている橋である。 川は、奥に見える生駒山系の山の、多分、客坊谷が源流で、そこから流れて来ているのだろうと思われる。(恩智川と長門川) 上の地図で分かる通り、長門川は生駒山地の谷に発し、西に流れて来て、六万寺地区と池島地区の境目付近で流れを北方向に転じる。長門川の西側を北方向に流れているのが恩智川。長門川は、東花園駅手前で東方向へと直角に流れの向きを変えた恩智川と、新若草橋の下で合流する。 地図には表示されていないが、新若草橋付近では、東から御神田川という川が恩智川に流れ込んでいる。ここで、西からの恩智川、南からの長門川、東からの御神田川の三川がぶつかるので、かつてはこの付近はよく氾濫した場所でもある。 恩智川は、長門川と御神田川の水も集めて、流れを東方向から90度北向きに変えて大東市へと向かい、大東市で西向きに流れを変えて、JR住道駅の北側で寝屋川に流れ込む。 従来のお花見の場所であった花園中央公園は、北流する恩智川の西側に広がる公園で、恩智川の遊水池公園でもある。(花園中央公園の遊水池) 今日の花園中央公園の遊水池の風景。 いつも、釣りをする人の姿が絶えない。 このアト、ヤカモチはペリカンの家で珈琲ブレイクでありました。<参考>近隣散歩関連過去記事は下記です。 近隣散歩(その1) 2009~2013 近隣散歩(その2) 2014~