新潟銀輪散歩(下)・ふるさと村へ
(承前) 前頁記事の続きです。この日(4月23日)は、白山公園から信濃川沿いにふるさと村へと銀輪散歩であります。 白山公園で見かけたカラタチの花の写真から始めます。(カラタチ) カラタチの万葉歌と言えば・・。 「忌部首いむべのおびとの、数種くさぐさの物を詠みし歌一首」という題詞が付された、この歌が1首あるのみ。枳(からたち)の 茨(うばら)刈り除(そ)け 倉建てむ 屎(くそ)遠くまれ 櫛(くし)造る刀自(とじ) (忌部首 万葉集巻16-3832) 「カラタチの原を刈り上げて倉を建てよう。糞は遠くでなされよ、櫛造りのおかみさん」というナンセンスな戯れ歌であるが、これで万葉植物の仲間入りを果たしたカラタチとしては複雑な心境でしょうな(笑)。(同上) このように棘のある植物には邪を払う呪力があると考えられていたこともあり、かつては生垣などによく利用されたのだが、最近は殆ど見かけなくなった。(カラスノエンドウ) こちらは、何処にでも見かけるカラスノエンドウであるが、気の所為か大阪で目にするものより花が大きく色も濃いようです。(同上) 信濃川べりの、やすらぎ堤と呼ばれている土手道に上がると、チューリップとサトザクラが花の時期。(やすらぎ堤のサトザクラ) ソメイヨシノは散ってしまった後だが、八重のサトザクラが丁度満開の見頃である。(同上・サトザクラとチューリップ)(同上・チューリップ) こちらのチューリップの奥に見えている並木がソメイヨシノのそれであるが、ご覧の通り、咲き遅れた花がわずかにあるのみで、遠目では葉が目立つだけ。(同上)(同上)(同上・カモ) 信濃川の川面に居たカモ2羽が連れだって飛び立ち、こちら岸の緑地の中ほどに着陸。そこからヒョコヒョコと歩いてチューリップが植えられている近くまでやって来た。何かをついばんでいる。 驚かせないように気配を殺してゆっくりと接近すると・・。(同上) ミミナグサか何か、草を盛んについばんでいます。 カモは水草などを食べているのかと思っていましたが、陸上の植物なども食べるのですな。 しばらくすると、1羽のカラスが飛来。 その気配をいち早く察知、カモ2羽は川面へと避難。 カラスのカモにされてはかなわん、ということか。 サギのカモになっているヒトが多いこの頃、ヒトもカモを見習うべし。(JR越後線) やすらぎ堤から越後線白山駅の方へと渡れる、線路に沿った陸橋の道があったので、そちら方向へ寄り道。 すると、白山駅を出た列車がやって来たので、去って行く列車を追っかけ撮影。すぐにカメラを取り出したのだが、シャッターを押せた時には走り去って行く列車の後ろ姿になっていました。 列車は、間もなく信濃川に架かる鉄橋を渡り新潟駅に行くのだろう。 白山駅の手前にはヤマザクラでしょうか、桜が咲いていました。(白山駅近くの線路沿いの桜)(同上) そしてサツキツツジも満開。(白山駅近くのツツジ) やすらぎ堤に戻り、ふるさと村へと向かうことに。 信濃川左岸の道は、本川大橋のところで、関屋分水路に架かる関屋大橋に回り込み、これを渡って、上流へというのがそのルートになる。(関屋大橋の上から信濃川上流を望む。) 画像の右手が左岸。 左岸の土手道を上流へと向かうと、ふるさと村である。 画像の左手方向が水門を備えた本川大橋で、信濃川本流は左手へと流れて海へと至る。画像の手前側が関屋分水路で、信濃川の水量が増大した場合などは水門を閉じて、この関屋分水路により、ショートカットで海へと川水を逃がすのであろう。 さて、ふるさと村までは大した距離ではないので、すぐに到着である。 丁度、チューリップの季節とあって、ふるさと村の花壇はチューリップ一色でありました。(ふるさと村のチューリップ)<参考>道の駅・新潟ふるさと村(同上) 奥に見える青屋根の建物が野菜や果物、海産物など新潟の物産を販売する店や食事処のある施設である。(同上)(同上)(同上) ふるさと村を出て、来た道を引き返します。 チューリップの花を見過ぎた目には、このような葦の色彩に乏しい景色が却って好ましいものに見える。(やすらぎ堤の葦) 翌4月24日は雨で銀輪散歩はお休み。 25日は竹内式部めぐりの銀輪散歩でありましたが、これは前頁記事で紹介済みです。 ということで、新潟銀輪散歩終了。26日空路で帰阪です。 帰路の飛行機でウトウトしていたら、急降下があったのか、ガクンというかバタンというか大きな衝撃があって目が覚めました。 窓の外を見やると雲の中にて何も見えず。 やがて雲の下へと降下して、奈良盆地上空に入ったようで、眼下に見覚えのある箸墓古墳が見えて来ました。(上空から箸墓古墳 左下部) 左下部に写っている大きな古墳が箸墓古墳。 その上部左手中ほどから右下隅にかけて流れている川が大和川。 上流部分は三輪川、初瀬川(泊瀬川)などとも呼ばれる。 そして、金剛山と葛城山。(上空から金剛山<奥>と葛城山<手前>) 生駒山系高安山上空から大阪府上空に入り、さらに高度を下げて、大阪城公園付近の上空へとさしかかる。(上空から大阪城公園) はい、間もなく伊丹空港に着陸です。(完)<参考>銀輪万葉・新潟県・長野県篇