偐万葉・ビッグジョン篇(その20)
本日は、シリーズ第189弾、偐万葉・ビッグジョン篇(その20)であります。
<参考>過去の偐万葉・ビッグジョン篇はコチラからどうぞ。
ビッグジョン氏のブログはコチラからどうぞ。
偐家持が交野歩麻呂に贈りて詠める歌15首併せ俳句2句
並びに歩麻呂が返せる歌1首
いとをしと こしみちそれと みえしとき
ひとはかみにし あひてやあらし (にせやかもち)
もどきなる 名にしはあれど 敷島の
大和の冬の 木の実ぞわれは (ヤカモチモドキ)
(注)ウメモドキは別名がジャパニーズ・ウインター・ベリーとのこと。
(ウメモドキ)
蚊の消えて 蝙蝠増える 野分かな (偐蝙蝠傘)
裏磐梯 花も実もよし 秋山を これと見せつや きみが羨しも
(サワフタギ) (シラタマ)
みちのくの 秋にしあひつ わかまつの
きみがブログは 見らくしよしも
(注)あひつわかまつ=「会津若松」と「会ひつ、我が待つ」の掛詞。
(ミヤコグサ) (ヤマハハコグサ)
夏過ぎて 秋になるらし 畝傍山 ほていあふひの 花越しに見ゆ
(ホテイアオイと畝傍山)
(本歌)春過ぎて 夏来たるらし 白たへの 衣ほしたり 天の香具山
(持統天皇 万葉集巻1-28)
歩麻呂が追和せる歌1首
夏過ぎて 秋になるらし コンビニの おにぎり越しの 天の香久山
おきくさん 恨みは棘に な触れそ 青山播磨に あらぬ人はも
(赤坂いらが)
われはわれ 青山播磨に あらざるを
などてや買ひぬ 菊が恨みを (青虫針魔)
(注)オキクサン=蛾の一種、イラガの幼虫のこと。棘に触れると蜂に
刺されたような痛みを生じる。ハチクマ、シバムシな
ど色々な呼び名がある。
わが行くは 恩智の方向 道たがへ
迷へばこれぞ 方向音痴 (偐島左近)
(注)恩智=大阪府八尾市恩智。建武年間に左近将監恩智満一(楠木
正成八臣の一人)が築城した恩智城跡がある。
ならび咲く 白き壱師の 花笑みの
ブログのえにし うれしとぞ見ゆ
(注)壱師=彼岸花のこと。
(白彼岸花) (同・智麻呂氏画)
めれんげと おもひてとへば つめれんげ
さらにをかしも なくてはななり (偐菓子持)
ヤカモチは ツメが甘くて 見落としつ (筆蕪蕉)
(注) ツメレンゲの「ツ」を見落として「メレンゲ」の記事、つまりお菓子
の記事かと思ったらツメレンゲ、つまりお花の記事であったとい
う次第。
ツメレンゲ=爪蓮華。ベンケイソウ科の多年生の多肉植物
メレンゲ=卵白を泡立てて作った食材、又はそれで作ったお菓子
さらにをかしも=「更にをかしも」と「皿にお菓子も」を掛けている。
ツメが甘くて=ツメは「爪」と「詰め」の掛詞。
(ツメレンゲ)
大岩の 山ゆ下れば 千刈の 堰堤とどろ 落つる水音
(千刈ダム)
また来むと 言ひてなぐさむ うかつ道
素通りばかり 憂きものはなし (素通法師)
(本歌)いまこむと いひしばかりに 長月の
ありあけの月を まちいでつるかな
(素性法師 古今集691 小倉百人一首21)
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものはなし
(壬生忠岑 古今集625 小倉百人一首30)
めんどくさ 手入れも難し わが庭の
松の面倒 ひとに任せつ (大伴家松)
松の木の 姿もうつろふ 時々に
写真にそれを われは写さな (大伴撮松)
(本歌)八千種の 花はうつろふ 常盤なる 松の小枝を 吾は結ばな
(大伴家持 万葉集巻20-4501)
ネロなれど 寝ろとは言はぬ ネロなれば
歌つまらねど い寝かてぬかも (バカネロ)
<脚注>掲載の写真はビッグジョン氏のブログからの転載です。