1月31日の蝶麻呂君との銀輪散歩で立ち寄った緑ヶ丘公園の梅林はまだ蕾も固く、咲いている花は一つとてなかったのでありますが、こちらの病院の庭では梅が咲きましたから、今頃はかの梅林も馥郁たる梅の香に満ち満ちていることであるでしょう。
入院病棟の西側の庭に梅や山茶花の花が咲いている。
病室が6階なので庭に出るのは少し面倒。されど、喫煙場所がその一角にあるので、厭わずに通っています(笑)。それにエレベーターではなく階段を使って上り下りして居りますので運動不足も解消。因みに病室から喫煙所まで階段を使うと往復で約600歩。煙草1本吸うと600歩を歩くことになる。煙草を吸う度に身体が鍛えられるという寸法。これって健康に良いのか、悪いのか(笑)。
それはさて置き、今日は梅の花の記事です。
大伴旅人が大宰府で観梅の宴を開いたのは天平2年正月13日(730年2月8日)であるから(この宴での歌は、下記参考1.参照)、昨日8日にこの記事をアップすれば丁度よかったのですが、生駒山に先を越されて一日遅れとなりました。
(病院の庭の梅)
病棟の 庭に咲きたる 梅の花 春のさやぎを 何とてや告ぐ
(偐家持)
(同上)
梅に因んで1首作ってみましたが、面倒なので、過去の記事に掲載した偐家持作の梅の歌で代用することにしましょう。作った本人も忘れているのだから、読者諸氏もそれと気付く人はいないでしょう。ブログページ右欄のキーワードサーチで検索してみて出て来たものを少しばかり掲載して置きましょう。
人みなは 春は桜と いふなれど
まず咲く梅を 春とや言はむ (梅郎女)
冬ごもり 春さりくれば 梅の花
見せばや妹に 今しぞ咲ける (偐家持)
朝鳥の 声のとよみて 白梅の
花は咲きたり 一輪二輪 (偐家持)
くれなゐと 真白にぞ咲く 梅の花
春の競ひの 見らくしよしも (偐家持)
(同上)
(同上)
(同上)
<参考>梅の万葉歌を掲載している過去の記事
1. 梅の花咲き始めにけり枚岡の・・ 2013.2.21.
2. 囲碁と梅と水仙 2011.2.9.
3. 枚岡梅林 2010.2.22.
4. 枚岡梅林、花園中央公園 2009.2.21.
5. 第26回智麻呂絵画展 2009.2.15.
芭蕉の梅の句を掲載している過去の記事
6. 墓参・梅と水仙 2013.3.2.
そして、山茶花。白梅に続いて山茶花も白。
白い花が並びました。
上の梅では過去の歌を引っ張り出しての「手抜き」手法を採用しましたが、山茶花についても、この手を使わせて戴きましょう。
山茶花だけに、「手抜き」とは言わず、昔の歌で「お茶を濁す」と言うのでしょうな。
わが屋前に 咲ける山茶花 春立てば
咲けど葉陰に はにかむらしも (偐家持)
春立てば 椿とも見む 山茶花の
八重にし咲くの 見らくしよしも (偐家持)
今はもや 泣けと降るらし 夕寒の
山茶花時雨 間なくしあれば (偐家持)
楚踏む み山の奥の 山茶花の
咲ける静寂に もみぢ葉散れる (偐家持)
鶴見野も 山茶花梅雨と なるやらむ
ポプラのほつ枝 暗き雲あり (偐家持)
さざんかの さんざか咲いて 北風の
曲がり小道も いささかぬくし (垣根曲麻呂)
山頭火 茶化して見れば 山茶花に (筆蕪蕉)
山茶花に 似て非なるかな 山頭火 (筆蕪蕉)
山茶花が「さざんか」なら、山頭火もいずれ「さとんか」か。
(サザンカ・白)
白い花ばかりでは彩りと華やぎに欠ける。
赤い花も添えましょう。
(サザンカ・赤)
(サザンカ・赤)