偐万葉・木の花桜篇(その17)・・わが振る袖を妹見つらむか 木の花桜さんは長らくブログを休止されています。そんなことで木の花桜篇も一昨年の3月以来更新していません。彼女のおん身のことなども安じつつ、一日も早いご復帰を願って、本日は木の花桜篇(その17)とさせて戴きました。
<参考>過去の偐万葉・木の花桜篇はコチラから
木の花桜さんのブログはコチラから
偐家持が木花桜媛に贈りて詠める歌20首
並びに木花桜媛が詠める歌2首
木花桜媛が贈り来れる歌1首並びに偐家持が返せる歌1首
いにしへの 難波津いづちと 尋ぬれど
問ひて答ふる 友しなければ (迷子の偐島子)
難波津は 難波かと来りゃ 地下走る
牛車の駅か なんば走るね (博多の島子)
(注)難波=大阪ミナミのナンバのこと。近鉄、地下鉄、JRなどの難波
駅がある。
やはらかに 雨降る梅の 花が下 人こそ知らね はこべら咲きぬ
はこべらの 浅き春なり よし雨も こころしあらば やはらにぞ降れ
(梅) (はこべ)
しのべとか ミニアイリスの 花ひとつ 咲きにけるかも 兄は逝きたり
(ミニアイリス)
褒め過ぎの 言にしあれり をこなれば
菊惑わせる 桜子の言 (おその花冷え)
(注)をこ、おそ=をこ(烏滸、尾籠)。おそ(遅、鈍)。馬鹿、鈍い。
ここでは偐家持が「をこ」「おそ」であるので、と
いう意味である。
さに咲くや 庭にし咲くや 花咲くや 見に来よ疾くと 庭にし咲くや
(咲耶姫)
(注)数字変換可能な音のみで作った歌
(クロッカス)
むづかれる パソコンなだめ ムスカリの 咲きたる庭を 妹告らむらし
(ムスカリ)
チューリップ 色さまざまに 立ちまじり 遊びせんとや 今咲きにけむ
(平花盛または後白花上皇)
(チューリップ)
木花桜媛が贈り来れる歌1首
白峯の 配所の月に 風すさび
秋寒き夜の さびしさぞ知れ (怨・崇徳院)
偐家持が返せる歌2首
頼長に せかされ兵は 挙げたれど
今ゆき悩む 春の月かも(偐崇徳)
頼長に 依りしを悔いる 女々しさを
さびしと云ふも おろかなりけり(偐崇徳)
(本歌)瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われてもすゑに あはむとぞおもふ
(崇徳院 小倉百人一首77 詞花集228)
いづかたや 蝶の来たれば わが庭の 花もつやめき 色益すならし
(ノースポール)
かなしみに いかにそはむと おもほへど
うたよむほかに すべのしらなく
なにとかも いひやるべきや 言の葉も
思ひ浮かばず 思ひつつぞ居り
わがせこは いづちゆかめや はるの雪
ともにしみねば かなしけくやし
赤磐の さくらがをかに 花は咲け きみはいまさず かへりきまさず
あを山の みねにながるる しら雲に
きみはしのべと 手をやふるらむ
手をとりて 泣きし日もあり 笑みし日も
きみとともにし 生きにしわれは
今はもや 逢ひかつましじ 山の端の
雲をきみとや しのびてをらむ
高梁の 川になみだは ながさなむ ながしていまは 川渡らなむ
妹が庭 見まくの欲しと をちこちの どちも待つらむ 疾く帰りませ
(注)掲載の写真は木の花桜氏のブログからの転載です。