偐万葉・若草篇(その12) 白内障手術の術後の通院検診が明日。
医者からは、この検診が終わるまでは風呂は入ってもいいが、洗うのは首から下のみ、顔や頭は洗ったりお湯をかぶったりしてはいけない、と言われている。
頭髪は毎日洗っているヤカモチ。頭を洗えないのではお風呂に入った気がしない。そして、日に4回の3種類の眼薬の投与。これも面倒。
そんなことで、遠出の銀輪散歩もする気にならない。これでは病院が自宅に変っただけで、こと銀輪に関しては入院状態とさほど変らないのである。
かくして、ブログ更新だけは順調という次第。しかし、銀輪ネタはない。このような時にお助けマンとなるのが「偐万葉シリーズ」である。
と言うことで今日も同シリーズ第197弾・若草篇(その12)と致します。
<参考>過去の偐万葉・若草篇はコチラから
偐家持が小万知に贈りて詠める歌20首
並びに小万知が詠める歌1首
ありゃ蟻も うつろひやすき 月草に
つきて懲りずの 恋やするらむ (蟻原業平)
春雨は 濡れても行けど 秋雨は
銀輪休めと 降るものならむ (月形輪平太)
次なる2首は小万知に贈りたる歌にはあらねど、小万知を詠める
歌にてあれば、此処に記し置くものなり。
この秋も 小万知がくれぬ もみぢ葉は
絵に描くからに 匂ふ葉の色 (偐智麻呂)
(本歌)初春の 初子の今日の 玉箒 手に執るからに ゆらぐ玉の緒
(大伴家持 万葉集巻20-4493)
ウメモドキ カボチャモドキも 持ち来たる
小万知も小町の モドキにあらむ (ヤカモチモドキ)
葱食めば 甘きに思はゆ やあやあの
きみが笑顔の かなしきろかも (偐智麻呂)
マンホールの 蓋にも千羽の 鶴ありて
みたび原爆 許すまじとふ (広島家持)
若松の 雪ふり置ける 鶴ヶ城 いざうち行きて つばらにぞ見む
をのこやは かなしかるべき 年ほどの
豆も食はずに 胡麻数ふとは (山上憶豆)
(本歌)士やも 空しかるべき 万代に
語り継ぐべき 名は立てずして
(山上憶良 万葉集巻6-978)
心あてに をらばやをらむ 初雪の
おきまどはせる 白梅の花 (中河内躬雪)
(本歌)心あてに をらばやをらむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
(凡河内躬恒 古今集277 小倉百人一首29)
小万知が贈り来れる歌1首
妹が庭 見まくの欲しと 難波なる 吾も待たなむ 疾く帰りませ
(注)上の歌は偐家持が木の花桜氏に贈れる次の歌に追和せし歌なり。
妹が庭 見まくの欲しと をちこちの どちも待つらむ 疾く帰りませ
偐家持が重ね追和せる歌
神ともに ありて我妹を 守りませ 春の風もや 心して吹け
凡鬼が作れる句に偐家持が付けたる脇句1句
聖夜劇 星役の子は うとうとと (凡鬼)
揺れて光れと 言はれてなくに (偐家持)
偐家持が偐山頭火に贈りて詠める歌10首併せ俳句3句
並びに偐山頭火が詠める歌1首併せ俳句1句
偐山頭火が贈り来れる歌1首並びに偐家持が追和せる歌1首
因幡では 川氾濫し 道険し 国庁の跡 万葉の幕 (挫折山頭火)
いなば去ね 雨はしぐれぞ 山頭火
うしろ姿の 逃げ行くぞ惜し (因幡守家持)
(注)いなば去ね=「因幡去ね」と「去なば去ね」を掛けている。
(元句)うしろすがたのしぐれてゆくか (種田山頭火)
スパルタン デュークダローが 酔ひどれの
寝言これにと 今朝届きたる (酔山頭火)
(注)スパルタン、デューク、ダローはブルーベリーの木の品種名
西でなく 塔ある東だと 山頭火
「たう」が三つて 偐三たう火 (偐茶化持)
老犬は 歯も浮きたれば 魚肉なる
ソーセージよし 君にまたよし (偐老頭火)
分け合っても 分け合っても 安い5本 (筆蕪蕉)
(元句) 分け入っても 分け入っても 青い山
(種田山頭火)
偐山頭火が返せる句
分け合って 食べ合って 老犬と老人 (偐愛犬家)
対局に 水さすものぞ 碁のさ中 わが携帯に かけ来るは誰
なにとてか つとに知りたる 名を尋ふや
囲碁にかまける 君とは知れど (偐郎女)
(本歌)紫は 灰さすものぞ 海石榴市の
八十の衢に 逢へる児や誰 (万葉集巻12-3101)
たらちねの 母が呼ぶ名を 申さめど
路行く人を 誰と知りてか (万葉集巻12-3102)
山頭火 この日ばかりは 山労火
訳言って分け入って 青い山かも (隣の家持)
酔っている間の楽しさは紋白蝶が舞ふ(偐山頭火モドキ)
(元句)酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく(種田山頭火)
和三盆 酒の肴に ならねども
ブログのネタに 年の暮れゆく (偐山盆火)
北斎に 赤黒あれど 青なくば
これぞ青富士 つばらにぞ見よ (負鹿漫才)
(注)つばらに=くわしく
負鹿漫才=葛飾北斎のパロディ
初打ちや 囲碁よくもなき 出だし哉
(注)囲碁=「以後」を掛けている。
よくもなき=「良くもなき」と「欲もなき」とを掛けている。
初春や ふくもぶらりの 新世界 なべて人みな まづまづの顔
(注)ふく=「河豚」と「福」を掛けている。
なべて=「並べて」と「鍋で」を掛けている。
まづまづ=旧仮名表記。新仮名表記は「まずまず」。
<参考>偐山頭火氏のブログはコチラ 掲載写真は同ブログからの転載。