偐万葉田舎家持歌集
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銀輪散歩で見かけた虫の写真もそこそこの数になりましたので、今日は銀輪虫散歩であります。 先ずは、蛾から。 偐山頭火氏との銀輪散歩で見かけた珍しい蛾、ホタルガです。 奈良県河合町にある廣瀬神社の手水舎のコンクリートの地面に居るのを見つけました。珍しい蛾だと偐山頭火氏にも見せようとしましたが、同氏は蛾などは苦手なのか、明らかな拒絶反応(笑)。 (ホタルガ) 手水鉢の近くの地面にじっとしているので、死んでいるのかと思ったが、近寄ってよく見ると触角を動かしているから、生きていることが見てとれました。参拝の人が手を清めるため手水鉢の前に立ったりした場合に踏まれてしまう危険がある。どこか安全な木の葉か草地に移動させようと手を伸ばすと、ひらひらと飛び立ち、参道反対側の木の葉にとまりました。 ヤカモチの心のうちを読み取って、自力で移動したのは感心な行動であります(笑)。移動後の姿が下の写真です。 (同上) ホタルガはチョウ目マダラガ科ホタルガ亜科の蛾。 その名が示すようにホタルによく似た体色である。 ホタルガがホタルに擬態したのか、ホタルがホタルガに擬態したのかは知らぬが、両者のような擬態の関係をミューラー型擬態と言うらしい。 <参考>ミューラー型擬態・Wikipedia ホタルは悪臭を持つものが多い。マダラガにも悪臭を持つものがいる。 従って、黒い体色で頭部のみが赤いというホタルのようなデザインは捕食者に対して「私は臭くて不味いですよ。」という警告メッセージとなる。このように臭いとか有毒であるとかいった食べるのに適していない似た者同士がお互いの姿に似せることによって、擬態の警告信号のメッセージ性が高まり、結果として両者の種としての生存率が高くなるという効果が期待できるという訳である。このような擬態様式の存在を初めて提唱したのがドイツの博物学者フリッツ・ミューラーであることから、ミューラー型擬態と呼ばれるとのこと。 このホタルガが人間にとって実際に臭いのかどうかは触っていないので何とも言えないが、ホタルもホタルガもヤカモチは食べる気がないからどうでもいいことであります(笑)。 それはともかく、ホタルガの幼虫は、サカキやヒサカキの葉を食べるらしいから、この蛾が神社に居たことは理に叶っているのである。 次は、花園中央公園のトイレの手洗い場にいた蛾、カギモンヤガです。 鍵の紋がある夜蛾ということでカギモンヤガであります。 (カギモンヤガ) チョウ目ヤガ科モンヤガ亜科の蛾である。 チョウ目はガ目とも言い、鱗翅目とも言う。 蛾にしてみれば、「チョウ目」ではなく「ガ目」と言うべきだとクレームを付けたくなることでしょうから「鱗翅目」と言うのが公平かもしれませんが、そんなことに「目くじら」を立てるなというのがヤカモチの立場ですから、このページでは一応「チョウ目」ということにして置きます。 次は、我が家の庭のナンテンの木にとまっていた名前不詳の蛾です。 (名前不詳の蛾) ナンテンの木の近くのサツキの植え込みから飛び立ってナンテンの木に移動しました。それで気が付いたのですが、枯れ葉や木にじっとしていたら完全な保護色、それと気づかず見過ごすことでしょう。 少し前までは、そのサツキの葉にいくつかの毛虫が居ましたが、そのうちのどれかが、ひょっとするとこいつの幼虫であったかもしれません。 (毛虫A) (毛虫B) 毛虫Bは毛がないから青虫と呼ぶべきかもしれませんが、体色が青ではなく黒なので、黒虫。しかし、黒虫では他者には伝わらない。芋虫というのも何かしっくり来ない。適切な別の呼び名があれば教えていただきたいものであります(笑)。
蛾が苦手な偐山頭火氏を辟易させたところで、次は蝶です。 (ゴマダラチョウ) これは八尾市の心合寺山古墳で見かけた蝶。 目の前をスイ~スイ~と飛ぶミスジチョウを撮影しようと追っかけていて、見失ってしまいました。そこへこの蝶が飛んできて目の前の木の幹にとまりました。 「撮ってェ~」と言ったようなので撮りました。 翅を広げるのをしばらく待ちましたが、一向に広げる気配がない。 「撮ってェ~」というのはヤカモチの聞き違いであったようです。 チョウ目タテハチョウ科のゴマダラチョウだと思います。 普通のゴマダラチョウはもっと黒っぽいが、これは白っぽい種類か。 (セマダラコガネ) これは庭先で死んでいたセマダラコガネ。 体長が1cm程度の小型のコガネムシ。 (同上) コウチュウ目(鞘翅目)コガネムシ科の虫である。 広葉樹など様々な植物の葉や花を食べる草食昆虫なので、農作物にとっては害虫ということになる。 そして、次は更にも小さいコガネムシ。 名前は不明であるが、体長5mmあるかないかの超小型のコガネムシである。銀輪で走っている時に右目の視界中央にぼんやりとした虫の姿が現出しました。ヤカモチは眼鏡を着用しているので、眼鏡のレンズの外側に虫がとまったのかと指で払うも手応えなし。 自転車をとめて眼鏡を外すと、レンズの内側に米粒よりも小さな緑色に光るコガネムシが居ました。 そこで、近くにあった東屋に入って、これを撮影することに。 (眼鏡のレンズにとまった超小型コガネムシ) ヤカモチの眼鏡の大きさと比べていただくと、この虫の小ささがお分かりいただけるかと。 (同上) どうして、レンズの内側面に入り込んだのか。 最もあり得るケースとしては、走行中のヤカモチのマスクに先ずとまり、マスクの上部から眼鏡の枠をつたってレンズ内側に侵入したのではないか、というのがヤカモチの見解です。 コガネムシ君も妙なところに迷い込み、「飛んでいたら、とんだことになってしまった」とパニックに陥っていたのかもしれないので、ヤカモチも「とんでもない奴だ」とは思わず、優しく接することといたしました。 (同上) レンズ表面は滑りやすいだろうから、足取りも何やらおぼつかないようにも見える。 真上から撮るとこんな感じ。 左側中肢を失ってしまって、5本肢のようです。 (同上) 最後は、手にとまらせて、近くの木の枝に逃がしてあげました。 一期一会。 二度と会うことはないでしょうが、風邪をひかずに達者で暮らせ、という次第であります。 ここまではすべて昆虫。 普通に「虫」と言うと昆虫を想起し、蜘蛛やムカデなど多足類の虫なども虫とすることに異論をはさむ人はないであろうが、トカゲやカエルとなると虫の範囲に収めるべきかどうかいささかの躊躇を伴う。 しかし、カエル(蛙)もトカゲ(蜥蜴)も虫篇なので、虫のうちでいいだろう。カタツムリ(蝸牛)も「牛」がつくものの虫偏だから虫である。 ということで、次はカタツムリ。 (カタツムリ) これは、藤原宮跡の小さな緑地のコンクリート標石に居ました。 カタツムリとアマガエルとアジサイは梅雨の三大風物かも。 で、次はアマガエル。 駅のホームの片隅にちょこんと居ました。 (アマガエル) コンクリートの上での暮らしが長くなったか、黄緑色の体色が薄茶と黒褐色のまだら模様に変色し始めている。 草地など緑色の多い環境に居ると全身が緑色の「ペンキ塗りたて」の「青蛙」となるが、駅のホームではそのペンキも剥がれて行くようです。 (同上) ぬりたての ペンキはがれて 青蛙 駅のホームも 住めば都と (青家持) (参考)青蛙 おのれもペンキ ぬりたてか (芥川龍之介) 青とかげ-ペンキ塗り立て、ご用心 (ジュール・ルナール) ということで、最後は、青とかげならぬ二ホントカゲです。 (二ホントカゲ) これは、春日大社の参道脇の杉の巨木の根方に居たトカゲ。 ヤカモチが小学生の頃、校門脇の空き地の草むらにトカゲが大量発生。 手掴みでいくらでも捕獲できる。 10匹余を捕まえて家に持ち帰り、何個かの木箱に金網を取り付け、これに分散して入れ、飼育してみようとしたことがあった。 自身の机の抽斗にその木箱を隠していたところ、数日後に母がこれを発見、虫嫌いの母が悲鳴を上げるという事件となり、すぐに捨てさせられたということがありました。 あゝそのような日もありき・・であります。
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プロフィール
けん家持
養老2年(718年)の生まれゆゑ、年令1306才(養老元年生れ説だと1307才)。銀輪歌人、偐家持(ニセヤカモチ)。若草の里の読書会に屯しています。時に「まっ黒の走子」。時に「偐定家」。時に「筆蕪蕉(不精者)」であります。また、時々は偐家持美術館のヤカモチ館長でもあります。自転車(銀輪)であちらこちらを気ままに散歩し、花を愛でたり、虫と遊んだり、万葉調の歌(と言っても大抵は戯れ歌)などを作ったりしています。
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