10月4日の夜8時半頃の話。
1週間も前の話で恐縮でありますが、今日はこの話にお付き合い願うこととします。
ノートパソコンに向かっていると、右上腕部に何かの虫が這っている感触があり、見ると、小さなハエトリグモである。
歩き回り、走り回る徘徊性の蜘蛛。
徘徊性という点ではヤカモチと相通じるものがある(笑)。
多分、体長は5mm程度。
手で追い払おうとすると、ジャンプしてテーブルの上へ。
30cm以上の大ジャンプである。
カメラを取り出し、撮影しようとすると、PCの裏側に回り込む。
カメラで追いかける。
ハエトリグモは前方側に4個、後方側に4個の眼を持っているので、どの方向から接近しても、こちらの動きはお見通しのようで、逃げてしまい、なかなか上手く撮らせてくれない。
なんとか撮れた写真がこれ。
(ハエトリグモ)
ハエトリグモは世界で6000種、日本でも105種と種類が多く、何という種類のハエトリグモであるのかは、この写真では特定しがたい。
体の色や体長などから、可能性が高い種として、次の三つのどれかではないか、というのがヤカモチの結論。
ミスジハエトリの雌(体長7~8mm)
チャスジハエトリの雌(体長10~12mm)
アダンソンハエトリの雌(6~9mm)
体長からは、アダンソンハエトリの可能性が高く、チャスジハエトリの可能性は低いことになるが、成熟した蜘蛛であるとは限らず、未だ「子ども」の蜘蛛であるということも考えられるから、体長だけで判断はできない。
上で述べたように、前後に各4個、計8個の眼を持つ蜘蛛。
その後ろ姿を撮っていたら、いつの間にか体を反転させて、コチラ向きになっている。
(同上)
肉眼では分からなかったが、撮った写真をPCに取り込み、トリミングして拡大すると、ハエトリグモは、カメラに正対し、しっかりとこちらを見ているのでありました。
前方側の眼4個のうち、内側の2個は大きな眼で、外側の眼や後ろ側の眼の何倍もの大きさであるから、その分視力もよく、よく見えるのだろう。
背後の眼は天敵などを見つけ、身を守るためにいち早く逃げる、移動する、ジャンプする、そのために必要な眼に過ぎないから、映像を鮮明に見極める必要性は左程に高くはない。これに対して前方部の眼は獲物を捕らえるための眼であるから、対象物が鮮明に見えなくてはならない。対象物との距離も正確に見定めなくてはならない。そんなことで、正面の2個だけは特別に大きく発達したのだろう。
背後から接近して来たカメラ、そしてそのカメラを操っているヤカモチがたたかうべき敵なのか餌となりうる生き物なのかを見極めるため、素早く体を反転させたのであろう。
上掲の写真をご覧になればお分かりいただけるかと思いますが、完全に目が合っている感じです。
見ているつもりでいたら、逆に「見られていた」という次第。
まあ、ハエトリグモからすれば「何やら見られている気がしたので、見返してやった」というところでしょうか。
それにしては、何やら「親愛の情」が感じられる視線にて、敵意はないようです。ということは、天敵ではなく「餌」と思ったのだろうか。ご馳走を前にした人間の視線、目の表情もかくにしあるか。
しかし、空腹ではなかったようで、こちらに飛び掛かることもなく、再び体を翻すとハイジャンプ、何処かへ飛び去りました。
或いは、「何だ、さっき腕にとまってやった人間じゃないか。実に、つまらん。帰って寝よう。」とでも思ったのかも。
以上、クモをつかむような話でありました。
やみくもに あれこれ書くも くもつかむ
話のごとや なりにけるかも (三匹の子蜘蛛)
<参考>ハエトリグモ・Wikipedia
アダンソンハエトリ・Wikipedia
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