カテゴリ:偐万葉
偐万葉・どち篇(その8)
本日は、偐万葉シリーズ第324弾記事、どち篇(その8)です。 友人・岬麻呂氏の旅便りに寄せて詠んだ歌も、このどち篇に収録することにしています。従って、これら岬麻呂関連の歌は「岬麻呂旅便り」シリーズ記事にて掲載済みの歌の再掲載となります。 1.岬麻呂に贈りて詠める歌21首 ふらの麻呂 まさきくありと 旅便り 届きて五月 今日は青空 (偐家持) 佐保姫は いづち行かめや 葉桜に なりたる道の 今し悔しも (偐家持) (本歌)愛し妹を 何処行かめと 山菅の 背向に寝しく 今し悔しも (万葉集巻14-3577) ジャカランダ 紫匂ふ はつ夏の 見が欲しき花 恋ひてぞまた来し (偐家持) わが来れば 雨に濡れたる 二番花の 今盛りなり かのやばら園 (偐家持) 沖縄の 景色は何と 変らねど 行けば休業 至れば休館 (古呂奈麻呂) 夕されば 遠くやなりぬ 利尻富士 バフンウニ つまみ酒くむ さ夜更けて 青く澄む 海もよけれど 我はもや それ島の 南にあるを なにゆゑに 君もまた 旅にしありて 思ふかや いづこも同じ 妻が買ひ物 (偐家持) (本歌)さびしさに 宿をたちいでて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕ぐれ 草もみぢ 岬のひぐま いかにかと ゆくらむ君が 知床の旅 (偐家持) オホーツクの 秋はサンゴの 草もみぢ 萩も尾花も さらに用なし (北家持) (本歌)人皆は 萩を秋と云ふ 縦しわれは 尾花が末を 秋とは云はむ 春さらば 花めで酒酌み また語らむ 言ひし悲しき 遺影の友よ (偐岬麻呂) 日の本の 秋はここより 旭岳 今年ももみぢ 妹と恋ひ来し (偐岬麻呂) 禄剛の 崎にて返し 金沢に 帰りきたれば 月照りにける (偐家持) (本歌)珠洲の海に 朝開きして 漕ぎ来れば 長浜の浦に 月照りにけり それ木々の 水面に映す 影清み 神の子池と 名づけけらしも (偐老麻呂) 水底に 沈く倒れ木 ゆるがざる 石のごとにも 神さびにけり (偐家持) さを鹿の 鳴くなる今夕 逢はぬとも (本歌)さを鹿の 鳴くなる山を 越え行かむ 日だにや君が はた逢はざらむ 3.倉麻呂の逝去を傷みて詠める歌2首 君逝きて いづちにありや 秋の日の 雨間の空に なびく横雲 (偐家持) 今は君 いづちにありや 秋雨に 山は煙りて 泣けと言ふらし (偐家持) (本歌)この水は いづれに行くや 夏の日の 山は繁れり しづもりかへる (中原中也) 4.国麻呂の兄上の逝去を傷み、国麻呂に代りて詠める歌3首 くやしかも 秋明菊の 咲く朝に 我が兄さまは みまかりましぬ いつの日か 来べき別れと 知りぬれど 今日のこととは 思はざりける あれやこれ 思ひ尽きせじ 今更に 君が最後の 笑まひに泣かゆ <追記注:2021.10.26.> 久麻呂氏の項の※に記載の歌数に誤記がありましたのでこれを訂正しました。 倉麻呂氏の項に写真追加掲載。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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