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テーマ:小説(1369)
カテゴリ:東京地下道1949
TC東京地下道1949■1949年日本トウキョウ。 太平洋戦争の日本敗戦により、日本はアメリカ軍とソビエト軍に、分割占領。生き残った少年少女はどう生きるのか。それからの過酷なる日本の運命は
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1603de/10/ 東京地下道1949■第10回食料奪還襲撃への米軍の攻撃から逃れ、戦争孤児のムサシは、竜のアジトに。ナイフの鉄は、恵と地下道ではぐれ、頭の竜とアジトに帰ろうとする。 東京地下道1949■第10回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 漫画の描き方manga_training動画 ■ 「鉄。どこにいるの、鉄、、」 恵は思わず叫んでしまった。 この長い通路の中で鉄とはぐれてしまったのだ。 地下壕はトウキョウ市のすみずみに、はりめぐらされている。 一つまちがえば、迷路のような地下道を堂堂巡りしかねない。 恵は鉄とはぐれてだいぷの時間がたっていた。ろうそくも短くなっていた。 恵はしかたなく自分達のアジトに帰ることにした。 アジトには、兄達はまだ帰っていないようだ。 寂しく恵は竜たちの帰りを待つ。遅い。いつもはこんなでない。不安がよぎる。 足音がした。恵はドアを急いで開け、叫んだ。 「兄さん」 目の前には190cmを越すムサシの姿がそびえたっていた。 その眼はにくしみと悲しみをたたえて、静かに恵をながめていた。 ■ 恵の兄、戦争孤児のグループの頭、竜もかろうじて、攻撃からのがれていた。 爆弾のショックで地面が割れ、地下壕に半死半生でふきとばされていた。 竜は、トウキョウ市じゆうに攻防戦用に地下壕が存在していることを、恵から聞いていた。 恵は地下壕を知悉していた。 ひまがあれば地下壕を歩きまわっていたようだ。 今、ここに恵がいれば、竜は弱音をはいた。 他の奴は助かったろうか。いや恐らく。あんなに激しい攻撃を受けのだ。 助かっているはずがない。 自分が助かったのも不思議だ。 竜は、はるか、昔のこる、そう、もうはるか昔、御伽噺のような昔だ。 その時期をを暗やみの中で思い知こしていた。 彼は幼い恵を背中に負い、怒濤の様なソ建軍の攻撃をのがれたのだ。 何回も兄、恵介からさずかった守り袋をにぎりしめ、つぷやいていた。 「兄さん、助けてくれ。』と。 兄は特攻隊で音信不通の状態だった。 父や母と会うこともないだろうと竜は考えた。その代り、この恵を守り通さねばならぬ。 唯一の肉親だから。そう竜はおもっていた。 トウキョウ市は戦後、アメリカとソ建により分断された。 両軍共、トウキョウ市周辺に強大な部隊を集結している。 東西陣営の対立が、この日本のトウキョウ市で顕在しているめだ。触発の状態にある。 定期会談がいく度となく聞かれているが、雲行きがあやしい。 そんな中で、竜は恵を守り、生きていかねばならなかった。力が総てだった。 ポケットをさぐると、ジッポー・ライターがあった。 火をともし、出口を捜し始めた。どこまで続くか、わからない。 永久に外にでられないかもしれない。武器も手にしていない。 前に光がみえたような気がする。急いでライターを消す。 光がゆっくりとこちらの方へ近づいてくる。 竜は身をふせた。 ろうそくを前に、ナイフの鉄がかずむずと歩いてきた。 かなり疲れている。鉄は人の気配に気づき、 ろうそくを捨て、ナイフを身構えた。 「誰だ。そこにいるのは。」 「さすがだな、鉄。俺たよ、竜だ」 「お前こんなところに、なぜ。」 「アメ公にやられたんだよ。米軍トラック襲撃に失敗し、このざまさ」 「かれも似たようなものさ。お前も出口を披し困っているようだな」 「そのようだ」 「しかたがない。ここは共同戦線といくか」 2-3時間ほど歩き回った後、ようやく、ろうそくの炎が風でゆらいだのだ。 風の吹く方向へ進み巧妙に隠された出口へと導かれた。 竜は、妹の恵のことが心配だったのでアジトヘ帰ることにした。 鉄はしぶっていたが、やがて、それに同意した。鉄も恵の事が気になっている。 しかし、‥保安部につかまっていて、襲撃の情報をもらしたのが、鉄だと、竜にばれてしまう。 その危惧が、鉄を不安にする。 続く090901改訂 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 漫画の描き方manga_training動画 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.07.29 07:00:47
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