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テーマ:小説(1369)
クリス・リックマンという名の箱船●全宇宙の観察者、超生命体達は、対象である下等生物のいつ意識を全開させてみる実験をした。地球人類の生き残り1人は最適解をだすだろう。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8299gr/1/ クリス・リックマンという名の箱船第1回●全宇宙の観察者、超生命体達は、対象である下等生物の1意識を全開させてみる実験をした。意識1の彼はラグーン市を目指す隊商にいた。 クリス・リックマンという名の箱船第1回 (1976年)「もり」発表作品 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 HIROICHI YAMADA http://www.yamada-kikaku.com/ ■ プロローグ そこは一つの空間だった。空間としか、呼びようがなかった。 無形の生命体、それも超生命体が集まり、コミュニケートていた。 「もう彼に事実を認識させたらどうだね」 生命体1が言った。 「彼はショックに耐えうるだけ成長したといえるだろうか」生命体2が考え深げに質問を 投げかけた。 皆、一様に不安を持っているようだ。 「全人格が崩壊するかもしれん」生命体3が発言する。 「確かに、彼のような下等生命体にとって、かなりのショックに違いない」 「それはそうだ。自分の信じている全世界が足もとからくずえるのだからな』 再び、先程の生命体1が強く言った。 「もう、そろそろ、事実を認識し、彼はI人立ちすべきだ」 「新しい生命体へ、アウフヘーベンすべき時だと君は確信するのだね」生命体2が尋ねた。 「そうだ」。生命体1は断固として言い放った。 「よろしい。彼の意識を全開させよう。手段のI?として別の保存個性体J6678を蘇 生させよう」生命体3が提案した。 ‘ 「それはいい考えだ。確か、彼はJ6678と特別な感情が発展しそうだったはずだね」 「そうだ。一人ぽっちは確かに心細いからね」 生命体2が言った。 観察者でもあった彼ら、超生命体達は、彼らの観察対象である一個の下等生物の意識世 界を再び全開させた。 ■隊商が黄金都市を訪れようとしていた。長い砂漠の道のりで、さしものサイボーグ=一フ クダも疲弊しているようだった。その上に乗っている人々はそれ以上のようだ。 目の前に吹き荒れる砂嵐を通して、かろうじて、彫刻が施された金色の城壁が見えてき ている。目ざす都市一ラグーン市なのだ。 このあたりの砂漠地帯のオアシス。このバミューダ砂漠の富と財宝を集めている都市なの だ。 黄金の壁の一部が外側へ開き、ねずみに似た形のヴィーグルが出現した。 隊商を迎えるためだろうか。砂漠を越え、ようやくこのラグーン市へ辿り着いた人々は 手を振った。 が。それに応えたのはヴィーグルの目玉の部分から発射された機関銃のスタッカート音だ った。 機銃弾は隊商の人々の体を貫き、さらにはサイボーグ=ラクダの体をパラパラに吹き飛ばした。 静寂が訪れた。しはらくしてヴィーグルのハッチから一人の男が出てきた。 ヴィーグルの後部へそりを着けた、格納車の中へ、総ての残滓をヴィーグルのマニュピュレーターを使い、格納車にほおり込み、都市ラグーン市の中へ引きずり込んでいく。 何回もこの作業をくり返し、後に何も残らなかった。最後にはラグーン市の壁がヴィーグル を呑み込み、何もおこらなかったのごとく、砂が動いていた。 クリス/リックマンという名の箱船第1回 (1976年)「もり」発表作品 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所HIROICHI YAMADA http://www.yamada-kikaku.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.08.08 17:15:20
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