|
カテゴリ:山形のくらし
山形つながりで知り会った方から聞いていた鮭(よう)の新切り
鮭と書いて「よう」と呼ぶこれは、遡上してくる鮭を塩漬にして干したもの。 冬の貴重な保存食として山形の最上地方鮭川村で古くから愛されてきた食べ物です。 一時は途絶えてしまったようですが、鮭川村の有志何名かでサーモンロードの会を結成。 試行錯誤し鮭の新切りを復活させました。 なんで鮭のことを”よう”というかというと、遡上してくる鮭がここ鮭川村一帯で産卵をする際、浅瀬がバサバサと波打っている様子が異様な光景だったからだそうです。 遊佐や新潟の村上などにある塩引きとはまた違い、寒風干しにする期間がなんと2ヶ月程度。 そんな鮭の新切りをつくっている矢口さんのところにおじゃましました。 こんな風に干してあります。 まるで私がつくったニジマスの燻製みたい・・・ でもこちらはつけ汁ではなく塩だけで漬けています。 ちょうどこの日はテレビと新聞の取材も入っていて、新切をさばくところから食べるところまで一挙にみることができたわけです。 もともとの鮭から塩をつけ寒風干しにすることでうま味が凝縮される分重量は約4割に減ってしまいます。 鮭川村の由来は鮭が遡上してくる村からきていて、日本海の最上川河口からは約50km以上の距離があると思われます。 鮭はご存知のとおり産まれた川に3年~4年で戻ってくるそうで、毎年毎年ここで産まれている鮭たちが戻ってくるのです。 海にいるときはサーモンピンクの身をしていますが、川に入った鮭はなんと白い身になるそうです。不思議ですね。 身は硬そうですが、これを鍋に入れると・・・ 鮭のダシが出て、なんともいえないぽくっとした食感とうま味が凝縮された味になります。 川に上ってくる間に余計な脂分を使うため、鮭の身がしまっているんです。 そしてまたちあいの部分が美味!まるで濃厚なからすみのようでそこまでしつこくない。 ヤミツキになる味です。あ~お酒が飲みたい・・・ 昔は貴重品で今の物価からすると1匹2万円ほどしたそうです。 あぶったのもいただきました。 乾物であれだけの味がある魚はないのではないかと思うくらい美味しいです。 塩味は濃いですが、味も濃厚、とってもジューシーです。 自然の味がそのまま出ているので、くどさはなくうま味だけが凝縮しています。 これもからすみのよう。 ここ山形でステキな食べ物にまた出会いました。 美味しすぎて鼻血が出そうです。多くの人に知ってほしい食材ですが、今年は500匹のみ。 そのくらいしかない昔からの伝統保存食です。こういう食べ物は後世にも伝えて生きたいですね。 ご興味がございましたらまるごと山形へ。 来週くらいにはアップできると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[山形のくらし] カテゴリの最新記事
|
|