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カテゴリ:山形のくらし
山菜採りで行方不明・・・山形ではよくニュースになる話題です。
なぜ山菜はこんなにも人をひきつけるのか? ちょっととってみただけでその魅力がわかってしまいました。届きそうで届かないところに山菜がある。 山菜は食べると山形弁でよく「きどい」 といわれますが、意味はアクが強くほろ苦い感じ。 でも春の香りがして本当に美味しいんです。 さてそんな山菜を求めて遠征してまいりました。新庄の農業大学校からの紹介でまずは戸沢村へ。 今神温泉という念仏を唱えて入る温泉のほど近く、鹿の台というところに移り住んできた斉藤さんがいました。 生まれは山形で以前は東京で仕事をしていて、定年後この戸沢村で山菜などをとって生活しているそうです。 甥っ子の斉藤さんがなんと山菜をとりに4時間もかけて山まで出かけるとのこと。 その場所は一面わらびが群生していました。 わらびは竹と同じように根っこがつながっています。 20cmほど出たくらいでとるのが美味しいようです。しかもここのものは化学肥料等一切使わず草も生えている日陰にあるためとてもやわらかくぬめりが強いとのこと。 こんなに群生しているわらび初めて見ました! しかもすごく太いです。 土壌によっても色が違うわらび。面白いようにぽこぽこ生えています。 わらびはタニウツギというピンク色の花が咲く時期に出てきて、しだのように葉が開いてしまうと翌年は出てこなくなるようです。 上手に収穫して来年も出てもらうようにすることが必要です。 わらびが群生している脇のお宅にお邪魔しお昼をいただきました。 湧き水でしめた冷麦、とっても美味しいです。 山菜とりってとても楽しそうですが、実はかなり大変なんです。 道なき道をひたすら歩き、ウドやこしあぶら、あいこ、しどけ、みずなどを収穫します。 収穫したらその分もって帰らなければなりません。 しかも山菜とりは危険ととなり合わせ。雪渓のくぼみに入ってしまうと自力で這い上がることはできなくなってしまうそうです。 末恐ろしい話を聞きました。 斉藤さんは昨年ツキノワグマに遭遇したそうです。 目が合って身動き取れなくなり、180cm体重120kg以上ある熊が立ち上がって突進してきたそうです。 持っていたナタで頭を一撃しましたが、ナタが折れて飛んでいってしかも爪が右手と顔にかすりました。 幸い地形に段差があったため熊が下斉藤さんが上になりましたが、もう一撃爪でひっかかれ左手を負傷しました。 ただ、ナタとスパイクのついた靴で応戦したため熊も逃げていったそうです。 突然遭遇してしまうと、熊は襲ってくる。今回は運がよくてどうにか助かったとおっしゃっていました。 それ以来その場所には行ってないそうです。 先人達は山に入ったときは必ず槍を持っていったそうです。普段から熊が生息する山形の山。昨年は戸沢で100頭、山形県内で600頭ほど捕獲されたとのこと。 斉藤さんの甥っ子さんは、普段から山に入ると熊の気配を感じるそうです。 突然であったことはないそうですが、うなり声や糞などよく出くわすようです。 安易に山菜採りに行くぞなんて思えない気分になりました。 ただそんなして収穫してくる山菜もまた絶品。この日は数多くの山菜をいただきました。 左からあかみず、うるい、あおみず、しどけ、うど、わらび、そしていただいたアスパラ。 斉藤さん本当にありがとうございます。 熊に気をつけてください!来年はぜひ山へ連れて行ってください。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ いったん農業大学校に戻り今度は最上町へ。 今度はアスパラ農家へ行きました。 一昨年より取り組んでいる最上町のアスパラ栽培。 稲作が主な農産物の産地最上町ですが、山からおろすだし(冷気)のせいで冷害になることが多々あるそうです。 そこで、農家の安定的な収入源になるべく、農協と県がタッグをくみ生産者を募りアスパラの生産を開始したそうです。 ハウスで栽培し、春先に出荷する体系とは異なり4月頃収穫し、いったん休憩を挟んで7月頃から再度収穫する路地栽培方式。 こんな感じで栽培されています。 そういえば私の実家の庭にもアスパラが時々でていました。 2~3本だけ残しているとまた新たに新しく生えてくる。それを収穫します。 ハウスでは3年~4年が限度だそうですが、この畑では10年以上収穫が可能とのこと。 無理をして収穫しないから、それだけ自然にまかせて伸びるからでしょう。 長く栽培ができるというところにポイントがあるようです。 山形ではまだまだ元気な農業、すばらしい農業に取り組んでいる生産者が多くいることを改めて実感しました。 農業県山形、美味しいものをよりよく作るためにこれからも努力しなければならないと思い、また販売するわれわれもよく理解しなければならないことを痛感しました。 工藤さんありがとうございます。 そんなこんなで1日まわりましたが、面白いところを発見! 道の駅ならぬ川の駅ヤナ茶屋もがみの脇に一風かわったローソンです。 鮎の絵が看板に書かれてあり、建物も木造。 風情があります。店内は柱もあるためかぐわしい木の香りを楽しむことができるすばらしさ! これは以前私の妻がいっていたローソンのことでは?と思いました。 国道47号線沿い、お近くにお越しの方はぜひよってみてください。 絶景の山々を見ることができた、そして天然の山菜と新たな栽培の取り組みに触れられる山形ならではの面白さがありました。 またぜひおじゃまさせてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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