新垣隆さんについて
昨年11月、旧岩崎邸庭園で開催された「午後のミニコンサート」で、新垣隆氏のピアノ演奏を聴きました。このコンサートは毎週土曜の午後2回開催され、入園料を払えば無料で聴くことができます。歴史ある洋館の中でバイオリンとピアノ演奏を間近の席で聴きました。アンコール曲を含め4曲、30分という短い時間でしたが、新垣氏のピアノはリズミカルなテンポで音色も素晴らしかったです。すっかりピアノ演奏に魅了されました。楽しそうに演奏する姿、アンコールの拍手に嬉しそうに何度も頭を下げていた新垣氏の姿から、誠実で真面目で謙虚な人柄が伝わってきました。また新垣氏のピアノ演奏を聴きたいと後日インターネットで調べたところ、無声映画の伴奏をしていることを知りました。決して自分が目立つのではなく、誰かのために伴奏する、そんな裏方的な仕事をしていることを知り、その人柄から頷ける気がしました。そして2月5日、佐村河内守のゴーストライターとしてテレビに映る新垣氏の写真を見て大変驚きました。あの1枚の指示書から曲を作り、オーケストラの楽譜に起こしたこと、そんな偉大な音楽家だったことを知り、さらに驚きました。そして、潔く桐朋学園に退職の意思を告げ 「謝罪会見」に臨みました。学生たちが退職反対の署名運動で莫大な数の署名を集めたこと、生徒たちに慕われていることを知り、本当に嬉しく思いました。新垣氏を知る人で、彼を悪く言う人はいないと思います。一度も話をしたこともなく、30分の演奏を聴いただけの私でさえ、その善良さを感じたのだから。アンコール曲 シューベルトの「アヴェ・マリア」は素晴らしかったです。いつの日にかまた、新垣氏の演奏を聴けたらいいなと願っています。● 旧岩崎邸庭園「午後のミニコンサート」