台北 故宮博物院展
先週、上野の東京国立博物館に「台北 国立故宮博物院展」を観に行きました。会期が6月24日~9月15日で、始まったばかりの時期にテレビでこの展覧会の特集を観ました。中国文化の名品を多く収蔵する台北故宮博物院の展覧会は日本初ということで、ぜひ観に行きたいと思い、友人を誘いました。混むかと思いましたが、平日の午前中なので並ぶことなくスムーズに入ることができました。美しい花の形の青磁碗、印鑑をたくさん押した書や山水画の数々。一面に細かい刺繍を施し絵を描いた掛け軸、透かし彫りが美しい器や置物。多岐にわたる多くの作品からは、文化の高さ、繊細で根気強さを感じました。特に印象深かった作品を紹介します。まずひとつは、紫檀の箱で四隅が開く仕掛けの「紫檀多宝格」。箱の中は棚になっていてそこには様々なミニチュア品がぎっしり収納されていています。まさに「皇帝のおもちゃ箱」。とても繊細で見ていても楽しい逸品です。次は、二つの瓶が二重構造になっている「藍地描金粉彩遊魚文回転瓶」。藍色地に金色の模様を施した美しい瓶の中に金魚の絵が描かれた瓶が入っています。内側の瓶を回転させると外側の瓶の窓から金魚の絵が見え、まるで金魚が泳いでいるように見えます。なんて、凝った仕掛けだろうと感激しました。そして最後に、パンフレット等にも写真が掲載されている「人と熊」。作品の説明によると、白と黒の混ざった石があり、黒い部分を熊、白い部分を人間となるよう彫ったそうです。ただ見ただけでは分からないけれど、説明を読み「すごい!」と思いました。とにかく作品の数が多く、ざっと観て回っても2時間半かかりました。改めて中国文化の偉大さを実感するとともに、現在ではコピー大国となってしまった中国を思い複雑な気持ちになりました。冷房の効いた会場から外に出て、暑さも心地よく感じながら緑多い道を歩きました。博物館の敷地内には、とても大きな樹があります。そして、ランチは友人の提案で、国立西洋美術館内にあるレストラン「すいれん」に行きました。緑多い庭を見ながら、美味しい料理で楽しいランチタイムを過ごすことができました。帰りは、「不忍池」に出てまだ少し咲いている大きな蓮を見ながら湯島に向かいました。台北故宮博物院展は、9月15日まで上野の東京国立博物館で開催されています。残念ながら、「翠玉白菜」の展示は7月7日で終わってしまいましたが、多くの名品を観賞することができます。興味のある方はぜひ行ってみてください。● 特別展「台北 国立故宮博物院」~神品至宝~ のホームページ http://taipei2014.jp/