|
カテゴリ:絵画・音楽鑑賞
先日、東京国立近代美術館開館70周年記念展「重要文化財の秘密」を観に行きました。 重要文化財に指定された作品のみを集めた展覧会ということで楽しみにしていました。 狩野芳崖、橋本雅邦、菱田春草、錚々たる画家たちの作品の数々です。 中でも一番感動したのが、横山大観の水墨絵巻「生々流転(せいせいるてん)」です。 全長40mにもわたる水墨絵巻で、展示ケースを観るため長い行列ができていました。 山奥の一滴の水が渓流となり、大河となり海へと注ぎ、嵐とともに龍となって天へと還るという水の輪廻を表したものだそうです。 端から端まで見ながら歩いていくと山や川、人々の様子など景色が変わっていきます。 海の波を見ていると波の音が聴こえてくるような錯覚を覚えました。 まるで自分が実際に景色を巡っているような感じがして、素晴らしい筆致に感動しました。 この作品は描かれてからちょうど100年、関東大震災のなか救い出された貴重な作品です。 また、2022年に新たに重要文化財に指定された鏑木清方の美人画三部作「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」、実際に見ると大きな作品で美しくて感動しました。 今回の展示は、一部写真撮影禁止作品以外は撮影OKのようで、私も何点か撮影しました。 原田直次郎「騎龍観音」 とても大きな作品で、幻想的で美しかったです。 黒田清輝「湖畔」 箱根の芦ノ湖で夫人を描いた作品。 1897年に制作しましたが、重要文化財に指定されたのが以外にもつい最近の1999年でした。 萬鉄五郎「裸体美人」 この作品は、1912年制作当時は酷評されたけれど、88年の月日を経て2000年に重要文化財に指定されました。時代が変れば選定基準も変わるということなのでしょうか。 彫刻では高村光雲の「老猿」、朝倉文夫の「墓守」、鈴木長吉の「十二の鷹」もユニークだと思います。 高村光雲「老猿」 猿の左手には鳥の羽が握られています。鷹を捕えようとして取り逃がし、その飛び去る姿を睨みつけている姿に迫力を感じます。 鈴木長吉「十二の鷹」 12羽の鷹が思い思いの様子で止まっている作品です。 今まであまり近代美術を観ることが無かったのですが、今回はじめて東京国立近代美術館に来て近代絵画をじくり見ることができました。 そして、すべて重要文化財ということで、とても中身の濃い展覧会だったと思います。 東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」は、5月14日まで開催されているので、興味のある方はぜひご鑑賞ください。 ●東京国立近代美術館 https://www.momat.go.jp/ ●重要文化財の秘密 https://jubun2023.jp/
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.04.19 17:20:45
コメント(0) | コメントを書く
[絵画・音楽鑑賞] カテゴリの最新記事
|