カテゴリ:あらゆる媒体の「本」
私は何回か斜視を治すための手術を受けたことがあります。
最初が1歳くらいの頃だったのかな。 最後は小学校3年生のときでした。 今でも右は近眼ですが、左は弱視です。 右目は矯正すると視力が上がるので、裸眼の0.7くらいを メガネで矯正して1.2くらいで生活しています。 左目は矯正してもほとんど効果はありません。 視力検査をすると0.3くらいはありますが、 右目を閉じて左目だけで字を読むことはほとんどできません。 私の読書量と文字を書く速度に耐えうるだけの使用ができない と言えばいいのでしょうか。 おそらく正常な両眼視はしていないでしょうね。 首を右に傾けるという独特のくせのある方法で、 右目に見える像と左目に見える像のズレを修正しているもの と思われます。 目の専門家ではないので、正確なところはわかっていませんが。 斜視を治すのはもう少し小さい頃で、 そして、適切な視能訓練を受ける必要があったのかもしれませんね。 今でも片方の目に負担をかけながら、 目をフルに使う生活を続けています。 右目を閉じると弱視の世界が垣間見えるというわけです。 そんなわけで、この「拡大教科書」の問題は、私にとっては 遠い問題ではありません。 といっても、学校に通っていた頃には、 全く目が見えないわけではないけれど教科書の文字が読めなくて 困っている子どもがいるということを明確に意識したことは ありませんでしたが・・・。 この本は、拡大教科書を弱視の子どもに行き渡らせるための 関係者の運動の記録といえるでしょう。 同時に、拡大教科書の問題は、そのまま教育の問題を映し出します。 弱視の子ども達は、盲学校や弱視学級だけではなく、 通常の学級の中にもいるのですが、 文部科学省は、通常の学級にいる弱視の子ども達の実態については 2005年度までまったく把握していなかったのでした。 特別支援教育もはじまりましたが、発想は特殊教育しかなかった頃の 時代のままで、まだまだインクルーシブではないのでしょうね。 制度自体も複雑で、子どもがどこに所属するのかによって、 利用できる教科書も申請の仕方も違ったりします。 国や教科書会社ができることはもっとあるだろうと思うのですが、 ボランティアに頼っているという体質。 変えていかなければならないことはまだまだ多いのです。 (2007-054) 宇野和博.拡大教科書がわかる本:すべての見えにくい子どもたちのために. 読書工房,2007.1,119p. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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