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すごく尊敬している人がいた。私はずっとリアルのその人に会ったことがなくて、ずっとその人が書いた作品だけを読み続けていた。
いつものように私は作品の背景のその人を読もうとしたけど、その作品はあまりに完成されていたから、私にはその人が神様のようにしか思えなかった。 だからただただ崇拝していた。 先日、その人に会って話をした。そうしたら、あたり前だけど、ただの人だった。 しかも、私にとって一番言ってほしくないことを言ってきた。おかげで、私がその人の作品から感じていたイメージも夢も壊される形になった。 私が勝手にその人を美化していたのだけど。 会ってしまったことを後悔した。知らないままテキストだけ読んでいればよかったと。 その人が人間だとわかっても、リアルで交わした話にはがっかりでも、その人の作品が好きなことは変わらなかった。 だから何事もなかったように今までどおり作品だけ読んでいようと思った。 でも、一度人間に見えた相手は、二度と神様には見えない。 完成されていると思った作品だけでなく葛藤している姿もたくさん目にするようになってしまったのだ。 よせばいいのに、今までは読まないでいた完成された作品以外の文章も読むようになってしまった。 その文章の向こうのその人は、悩み葛藤し、生きている人だった。 今日、ふっと、なんか許せる気がした。 あのひとことは、私のリアルをほとんど知らない普通の人なら、きっと言う普通のひとことじゃないかと。 期待しすぎだったのだ。 そして、怒っているんだ、悲しいんだと、そのとき直接言わない道を選んだ以上、もうこの気持ちは手放さなくちゃいけない。 学んだことは、清濁合わせ呑んだ上に、愛や友情や尊敬があるということ。 そこまですべての人間関係で踏み込むことはできないけど、踏み込もうと決めたら決意が必要だ。 私はその人とリアルで会うことはもうないだろう。 でも、大切なことを教えてくれたたった一度のリアルの出会いに今は感謝している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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