カテゴリ:あらゆる媒体の「本」
石井ゆかりさんの『星なしで、ラブレターを。』を読んだ。
まるで暖かいしとしと雨に打たれているような気持ちになる。 雨に打たれているのに、私は傘をさそうとは思えなくて、ただただこの雨に打たれていたくなる。 そのうち雨で濡れているのか、涙で濡れているのか、訳が分からなくなるのに、私はずっと雨に当たっていたいのだ。 しっとりと質感があって、重みがあるから、容易にさくさくとは読めない。 口の中でその言葉をつぶやいて、頭の中で響かせて、反芻するように大切に味わいたい。 ページがひとつひとつ重いのに、最後まで読まずにはいられない。 読み終わっても、何かまだ言葉を反芻したくなってしまう。 「長所」と「手紙」で背中を押された気がして、ある人に直筆の手紙を書いてしまった。 最後に直筆の手紙を書いたのはいつだったか…思い出せないくらい前だ。 それくらい、パソコンでの清書やメールばかりだったのだ。 書き始めたのは昨日の夜。 自分の思いはあふれんばかりなのに、何を書きたいのか分からないものになり、ボツ。 今朝の通勤電車で下書きし直し、喫茶店でコーヒーを飲みながら清書して、昼休みに投函。 長文になりがちの自分にしては珍しく、短く収めた。 本当に伝えたいことに収めたつもりだ。 どうか風雪に耐え得る長い命を持つメッセージでありますように。 私が見つけたその人の長所が、その人にとって価値ある喜んでくれるもので、先のその人を励まし続けるものでありますように。 ただそう願う。 書き終わっても投函しても、まだ胸がきゅっとしているのだけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月08日 19時41分06秒
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